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G大阪が常勝軍団づくりへ総額8億円補強を進めている。リーグ連覇とアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に挑む来季に向け「さらにチームを進化させていく」と佐野泉社長。過去に例を見ない巨費を投じて大補強に動いている。
新たな獲得候補として明らかになったのは、J2に降格する神戸のFW播戸竜二(25)と柏のMF明神智和(27)。特に明神は、西野監督が柏時代に全幅の信頼を寄せていたボランチで東京から獲得濃厚なDF加地が代表で不在時には右サイドも任せられる。
大分FWマグノ・アウベスには、すでに3億円(推定)でオファー。京都DF手島獲得も進めており「違うステージで戦う」と言う西野監督の5年目を後押しする。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-051216-0012.html

アラウージョと大黒が移籍濃厚なFWに、マグノ・アウベスとバンドの補強は的確。渡辺や森岡が放出予定の右サイドに加地の補強というのも的確だし、手島と明神も選手層と過密日程を考えれば悪くない。
ただ、これまで噂に挙がった中ではサントス獲得だけが疑問。左サイドには若手超有望株の家長がいるし、二川も左サイドができる。サントスより家長の将来性の方が魅力的。まあ、しょせん噂だが。

得点力のあるストライカーを探していた浦和は、元名古屋FWのマルケス(32)=アトレチコミネイロ=獲得に乗り出していたが、条件面で折り合わなかった。そこで白羽の矢を立てたのが、東京Vの選手間で性格の良さも高く評価されていたワシントンだった。移籍金は発生せず、年俸200万ドル(約2億4000万円)での契約が見込まれている。
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/soccer/dec/o20051215_15.htm

マルケスは移籍金が高いらしいので、移籍金0のワシントンというわけか。
移籍金0で済む選手を補強ターゲットにするのは得策。ジュビロもヨンスのような成長の見込めない高齢の選手を獲るなら、フリーで獲得できる選手に限定すべき。高額な移籍金をかけるなら、今後数年に渡って主力として活躍できる即戦力に限る。

J1復帰を目指す東京Vの新監督就任が決定的なラモス瑠偉氏(48=現柏コーチ)がシドニーFCのFW三浦知良(38)獲得を熱望していることが15日、明らかになった。既に非公式ながら打診も済ませている。ラモス氏は今後、東京Vと複数年契約を結ぶ方針。また前仙台監督の都並敏史氏(44)、現仙台GKコーチの藤川孝幸氏(43)らの入閣の可能性もあり、黄金期のメンバーでJ1復帰を目指すことになりそうだ。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2005/12/16/01.html

ヴェルディにOB数人が復帰か、という話。出身選手に思い入れのあるヴェルディサポにはわりと評判が良いかもしれないけど、第三者から見ると本気で一年以内でのJ1昇格とACL制覇を目指しているようには見えない。
まあ親会社・日テレにとって重要なのはメディア対策かもしれない。知名度の高いOBの加入は、集客効果やメディア露出には一番効果的な方法でしょう。それがピッチ上に反映されるかは疑問だが。
ヴェルディのパスサッカーには好感が持てるので1年でJ1に復帰して欲しいし、ACLでは日本の代表として頑張ってもらいたいんだが。なんとも。

そんな事より気になるのはその下にある記事。ここからはジュビロ関連。

東京VシドニーFCで目を付けているのはカズだけではない。オーストラリアのジ・エイジ紙によれば、東京Vと磐田が、サプリサ戦(12日)でも活躍した技巧派右サイドのMFカーネイ(22)、カズと2トップを組んだFWペドロフスキ(30)の獲得に興味を示しているという。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2005/12/16/01.html

カズの所属するシドニーFCの選手をジュビロも狙っているらしい。
ペドロスキは山本監督が好きそうな長身FW。悪い選手とは思わないけど、空中戦以外に際立った印象はない。スタメン起用するなら前田とカレンを育てた方が良いし、控えFWに資金面や連係面でリスクの高い外人FWの必要性は薄い。それに今のジュビロのサッカーにフィットするタイプでないと思うよ。ヨンスで懲りるべき。
外国人FWを連れてくるなら、前田やカレンが控えになっても納得いく様な傑出した選手。特徴としてはまず決定力がある事が前提。大金かけてシーズン1ゴールでは洒落にならない。そして独力で局面打開できる個人技やスピードがあって*1、サイドからのクロスに合わせるのが巧い選手*2。チームのためにフリーランやチェイシングをサボらない姿勢も大切。フィジカルや身長までは高望みしない。
そういう選手はなかなか見つからないと思うが、きっちりスカウティングすればいない事ないでしょ。例えば欧州トップリーグではフィジカル難で通用しなくても、DFがフィジカル的に脆弱で、審判がコンタクトプレーに必要以上に厳しいJリーグでは通用するタイプの好選手はいるはず。

シドニーの右サイドのカーニーは、世界クラブ選手権を見る限りでは使えるレベル。左利きで右サイドではプレーしづらそうで*3、右サイドの選手としては難点が目立つけど、基本的な技術はしっかりしている印象。ゴールシーンもゴール左に飛び込んでの左足のゴールだったし、左サイドで使えばもっと良さそう。
ジュビロの左サイドには村井がいるけど、WCイヤーの来年は代表でチームを抜けることが多くなりそうだし、左サイドを本職とする控えも存在しない。右サイドの控えも河村や川口が移籍希望しているし、そういう意味では両サイドの控えを任せるユーティリティプレーヤーの補強は必要。

でもカーニーはオーストラリア期待の若手で移籍金は安くないだろうし、控え選手にするには贅沢かもしれない。費用対効果を考えると微妙なところ。値段次第では獲得しても良いと思う。

今年の補強は費用対効果という点で大失敗しているだけに、これに限らずよく検討して補強を進めて欲しい*4。補強の噂が活発なのは歓迎したい。

J2札幌は16日、磐田から期限付き移籍中のDF加賀健一(22)GK高原寿康(25)が期限を延長(07年1月31日まで)し、来季もチームに残留すると発表した。
加賀は今季リーグ戦31試合、高原は10試合に出場し、主力メンバー。札幌は当初、完全移籍でオファーを出していたが断念し、期限付き移籍延長となった。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/f-sc-tp0-051216-0028.html

レンタル移籍中の選手を放出するのではなく、レンタル延長というのは良い傾向。戦力になったところで復帰させれば良い。これまでのジュビロは、無闇矢鱈な放出で中堅層不在という構造的欠陥を抱えてきた。
レンタル移籍はネガティブに語られがちだけど、巧く修行として活用すれば選手にとっても効果的だけでなく、チームも無駄な支出を押さえられる。J1のジュビロとJ2の札幌ではリーグが違うので痛い目をみる可能性も皆無。
駄目なのは、同一リーグの新潟に菊地のような即戦力をレンタル移籍させるケース。明らかに出番の望めない選手は、対戦の可能性の少ない積極的にレンタル修行させて、育ててもらった所で呼び戻すのが得策。海外の強いクラブは皆有効活用している*5。2選手とも頑張ってください。

*1:こういう選手は今のジュビロにはいない。

*2:村井や太田からのクロスを生かしたいので。身長は関係ない。例えば日本人得点王の佐藤寿人は、小柄だけどクロスの飛び込むタイミングが抜群。

*3:クロスを挙げられるタイミングで左足に持ち替えたりとか

*4:個人的には既存戦力の有効活用と若手育成を主眼に置いて、いずれ来る名波の引退に備えて、大物獲得のための補強資金を溜め込んでおいて欲しいんだが。

*5:悪い例としては、モリエンテスという即戦力をレンタル移籍させたレアル・マドリーは、レンタル先のチームと当たったCLでモリエンテスに得点を決められて敗退に追い込まれた。