フランス代表メンバー雑感

選出メンバーだけでなく、落選メンバーの豪華さ*1を鑑みても、全体な選手層では欧州潤・のフランス。そして、それをとても活かしているとは思えない監督がどうにも気になってしまう。

ゴールキーパー

1 スティーブ・マンダンダ
16 セバスティアン・フレイ
23 グレゴリー・クペ

経験豊富なベテランのクペ、ヴィオラで好調の中堅フレイ、成長著しい若手のマンダンダと、充実したポジション。ただしクペが衰え始めている不安もある。

ディフェンダー
2 ジャン・ アラン・ブームソン
3 エリック・アビダル
5 ウィリアム・ギャラス
13 パトリス・エブラ
14 フランソワ・クレルク
15 リリアン・テュラム
17 セバスティアン・スキラッチ
19 ウィリー・サニョール

メクセスエスキュデクリシー、サニャといった強豪国の4バックとして通用する選手達が落選している事からも、メンバーの充実がわかるというもの。所属クラブでは不振のテュラムサニョルといったベテランがレギュラー候補という、現状より経験を重視した人選がどうでるか。
CBギャラスは問題ないとして、衰えの顕著なチュラムには不安も残る。左SBはエブラ、アビダルで充実しているが、サニョルとクレルクの右SBにも不安があり、ユーティリティ性の高いディアッラの起用もありそうだ。

ミッドフィルダー
4 パトリック・ビエラ
6 クロード・マケレレ
7 フローラン・マルダ
11 サミル・ナスリ
20 ジェレミー・トゥララン
21 ラサナ・ディアラ
22 フランク・リベリ


マケレレヴィエラという経験豊富なダブルボランチに、リベリー、マルダの両サイドは安定感抜群。ジダンというレジェンドが引退したあとどうなるかと思われたが、リベリーの存在感がそれを感じさない*2トゥララン、ゴブのリヨン勢もクラブでは好調、4-2-3-1時には新星ナスリをトップ下に据えるオプションもあり、手駒は豊富だ。

不安点は、ヴィエラが負傷で出遅れている事。ここも代役のトゥラランディアッラが一気にレギュラー奪取する活躍を見せてくれれば面白いんだが。大会中の世代交代に成功したチームは一気に波に乗れるからね。

フォワード
8 ニコラス・アネルカ
9 カリム・ベンゼマ
10 シドニー・ゴブ
12 ティエリ・アンリ
18 バフェティンビ・ゴミス

アンリの1トップ、もしくはパートナーをアネルカベンゼマが争う。サプライズ選出として新鋭ゴミスが、シセやトレゼゲといったビッグネームを制して代表入り。大会後の代表引退を仄めかすエースのアンリは、大舞台に弱いというレッテルを返上したいだろう。
注目はベンゼマ。パワー、スピード、技巧の3拍子を備え、両足から強烈なシュート、高さを活かしたヘディングでもゴールを狙える新世代の万能FW。現在最も市場価格の高いFWと言われている。ドイツのゴメツと共に、ブレイクが期待されるスター候補である。



とにかく個々の選手の能力や選手層は大会潤・であり、若手、中堅、ベテランのバランスも悪くない。本来なら優勝候補筆頭となるべきチームのはず。ただ保守的な監督がどうにも評価できない。ピークを過ぎた感のあるベテランがレギュラーに多いので、前回大会のポルトガルのように若手が大会中のレギュラー奪取して波に乗っていければよ面白いんだが。ドメネクにそれが出来るかどうか。窮地を救ってくれたジダンはもういないよ。

*1:トレゼゲ、シセ、ピレス、ヴァルビュエナ、フラミニ、ボドメル、クリシー、サニャ、メクセスエスキュデ、ヨリスで、EUROに出てもダークホースになりうる。

*2:移籍したバイエルンでリーグMVP級の大活躍。サイドアタッカーといっても、サイドだけでなく、中央や逆サイドにまで進出するモビリティー、フリーランや守備でのハードワークも厭わず、チャンスメイクや得点力もハイレベルなど、新世代のサイドアタッカーを象徴する存在