オランダ代表メンバー雑感

他の列強に比べ選手層は薄い。

ゴールキーパー
1 エドウィン・ファン・デル・サール
13 ヘンク・ティメル
16 マールテン・ステケレンブルフ

いまだにファンデルサール頼み。彼の引退後には大きな不安が残る。

ディフェンダー
2 アンドレ・オーイエル
3 ヨン・ハイティンガ
4 ヨリス・マタイセン
5 ジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト
12 マリオ・メルヒオット
14 ビルフレト・バウマ
15 ティム・デ・クレル
21 ハリド・ブラルズ

ヘイティンガの成長はあるが、どうにも他の列強に比べると緩さを感じてしまう。CBは高さや強さにかけ、SBも一対一に強くない。ポゼッションで極力守備時間を減らし、攻め勝つしかないだろうね。

ミッドフィルダー
6 デミー・デ・ゼーウ
8 オルランド・エンヘラール
10 ベスレイ・スネイデル
11 アリエン・ロッベン
17 ナイジェル・デヨング
20 イブラヒム・アフェライ
23 ラファエル・ファン・デル・ファールト

直前でセードルフが召集辞退をしたりなど、お家芸の内紛は相変わらず。戦力的には痛手だが、大会前に膿を取り除く事が出来たと考えれば悪くないかもしれない。

オランダは予選後から伝統の4-3-3から4-2-3-1にシステム変更*1。そのため中盤の構成はアンカーを底に据えた逆三角形ではなく、ダブルボランチ+トップ下の形に近くなった。ダブルボランチにはフィルターとしての役目だけではなく、攻撃の起点としても期待されるが、デ・ヨン、エンゲラール、ジオ、デゼーウの誰もがその部分に課題を抱える。スナイデルはSH起用が濃厚だが、多少の守備不安はあっても、一列下げて中盤の底で起点にするオプションがあってもいいように思うが。

4-2-3-1の恩恵を最も授かるのが二列目を得意とするファン・デル・ファールトスナイデル。特にラフィは、オランダ伝統の4-3-3のセントラルMFやウイングでは持ち味を活きない典型的なホールプレーヤーであり、そういう意味でオランダ人らしくない彼が、オランダを勝利に導けるのか。彼が輝けないなら、ウインガー復帰次第4-3-3に戻す方が得策だろうし、栄冠からは遠くなる。スター候補として迎えた前回大会で期待を裏切った彼が、4年越しのリベンジを果たせるのか。

フォワード
7 ロビン・ファン・ペルシ
9 ルート・ファン・ニステルローイ
18 ディルク・カイト
19 クラース・ヤン・フンテラール
22 ヤン・フェネホール・オブ・ヘッセリンク

オランダ伝統のウインガー。バベルの負傷離脱で、攻撃のオプションを一枚失ったのは痛い。負傷明けのファンペルシもベストコンディションではなく、こうなるロッベンも負傷で初戦の欠場が決定的。自慢の両翼をもがれたオランダはかなり苦しい。SH起用が濃厚なスナイデル*2、カイトにかかる期待は大きい。

  • CF

1トップは絶対的エースのファンニステルローイ、控えにもその後継者である新星フンテラールと、ボックス内で無類の強さを発揮するフィニッシャーを揃えた陣容は強力。パワープレー要員としてフェネホールも控える。ニステルの決定力に疑いの余地はないだけに、如何に決定機に繋がるボールを供給できるかが鍵を握る。両翼のファン・ペルシロッベンの復帰が間に合わないようなら、2トップにするのも一つの手かもしれない。




死のグループC、WCファイナリストのイタリアとフランス、予選G組でオランダに1勝1分け首位通過のルーマニアの3強、そしてダークホースのオランダでしたっけ。それは冗談にしても、日本の報道ほど、オランダに往年の強さは感じられない。守り切って勝てるチームではないだけに、攻撃陣に集中するタレントの爆発次第でしょうね。負けるにしても美しく散ってもらいたい。前回大会もWCも、それさえも叶わなかったのだから。

*1:これによりウインガーを活かしたサイド攻撃は以前に比べおとなしくなったが、2列目のペルシ、ラフィ、スナイデルらテクニシャン達の流動的なアタックが効果的に。

*2:2列目でのラフィとのポジションチェンジはこのシステム特有の魅力