リバプールvsチェルシー

見所の多いスコアレスドローだった。お互い勝利のために過度のリスクを冒さず、相手の長所を消し合うジリジリした試合展開。中盤では激しく素早いプレスとスペースの消し合い。攻撃ではどちらも長身FWにロングボールを放り込む攻撃が主体で、中盤でボールカットからのカウンターを極力避ける戦い方。数年前のプレミア対決*1では考えられないほど、失点のリスクを最小限に押さえた試合展開だった。

非常に高いレベルで拮抗した試合で、これを進化したと考えるか*2、退屈になったと考えるかは意見が分かれるだろう*3。今後ともこの2チームがこういう戦い方で勝ち進んで行くのなら*4、プレミア・シップの傾向もこのような特色に染まって行くのではないだろうか。週末に行われるプレミアシップでの再戦を注視したい。

なんて事を100%本気で思ってるわけではなく、CLグループリーグの第2戦という状況を考えてみれば妥当な試合展開だったと思う。戦い方は状況によって大きく左右される。ここでの勝ち点1はどちらにとっても想定の範囲内。週末の再戦はスコアが動く事を期待。動いてからのお互いの名将による采配に注目したい。



試合の方はというと、モウリーニョは終盤に両翼を下げてドログバクレスポの長身2トップにしたけど、リバプールの高さの前にロングボール攻撃が機能しにくくなっていたのだから、あそこはジョー・コールグジョンセンを投入して変化をつけて欲しかった。周囲を活かすプレーに長けたグジョンセンなら、またドログバとは違った展開が生まれたはず。リバプール・キラーであるJ・コールの技巧も見たかった。モウリーニョからすると攻撃構築の面では不満だっただろう。ただし厚い選手層による攻撃オプションは多種多彩で、今後の上積み要素はまだまだあると感じた。アウェーでの勝ち点1は上等。

リバプールは自分達の思惑通りのサッカーをやれたと思う。クラウチの高さはチェルシー相手にも有効だったし、中盤で主導権を握る時間帯も多かった。あのハンドにPKの裁定が下されれば理想的な試合展開だったはず。相変わらず流れの中で得点の気配はしないが、堅守チェルシー相手ではそれも仕方がないところ。この戦い方はカップ戦では強い。プレミア・シップの方に目を向けると、もう少し得点パターンが増えないと、勝ち点を取りこぼすため今後も厳しくなると思う。


他の試合は明日。

*1:ボール奪取後は中盤全員でリスクをかけて攻め上がって、バイタルエリアを空けてのカウンターの応酬みたいな

*2:欧州CLを戦う上では間違いなく有効だと思う

*3:イングランド国内では退屈と批判されているが

*4:そしてアーセナルのようなアタッキング志向チームが没落していくのなら