トーナメント一回戦

4-2-3-1
GK:21 西川周作
DF:2 水本裕貴、5 増嶋竜也(cap)→20 森本貴幸(後半48分)、16 柳楽智和、8 中村北斗
MF:4 小林祐三、7 梶山陽平、12 水野晃樹→10 兵藤慎剛(後半27分)、17 家長昭博→19 前田俊介(後半15分)、11 カレン・ロバート
FW:9 平山相太

前半終了。

日本はグループリーグとは見違えるほど良い。ようやく水野を先発にしたことでチームにも積極的が出たのか、前から果敢にプレスにいってるし、中盤から繋ぐ意識も多少は高くなっている。積極的なチャレンジ精神も伺える。

ロッコはスピードとドリブルテクが怖いけど、チームとしてそこまでの強さを感じない。カレンのポストに当たった2本は惜しかった。早い時間帯に先制しておきたい。

試合終了。

悔しすぎる。

あの勝負所の時間帯でキーマンの水野に代えて、よりによって兵藤を投入するとは。兵藤は今大会であまり活躍していないし、そもそも最近のこのチームで大した仕事はしていない。守備献身や運動量はあっても、キープ力やパスセンスはないし、一対一での突破力や得点力があるわけでもない。途中投入で流れを変えるような選手ではない。

交代により流れを打破するなら、ボールを落ち着けるために本田か船谷を入れるとか、やりようはもっとあったはず。兵藤はボールを受けたら単に近くの選手に捌くだけで、マークの付いている状況の悪い選手に回したりして、良いリズムをつくれなかった。リスクを恐れてプレーも消極的に。

失点の場面の直前も、兵藤が不用意に状況の良くない水本の足下*1にバックパスを送ったプレーがピンチの遠因となってしまったし、最後の失点に繋がるラストパスを出した選手(ドフリー)に対しても寄せ切れなかった*2
まあ、まだ兵藤はプロではなくアマチュアの選手だし、そもそもJリーグでやっていける能力もあるか分からないから、*3そこまで厳しい目で見るのは酷かも知れない。敗戦は彼一人の責任でもないし。結果的にはJリーグというプロの舞台で日々鍛錬してる者との差が出てしまったと思う。大学リーグで頑張ってください。

ところで、なぜ大熊監督はそこまで兵藤に拘ったんだろう。今大会は不調で怪我までしていたから、大事なトーナメントでスタメン落ちさせたはず。それをあの大事な場面で途中投入するとは。キャプテンだから? 選手のコメントやピッチ上を見る限りでは、特別キャプテンシーがあったようにも思えない。
大学のトップレベルでもない選手よりは、Jリーグで活躍している選手を重用するのは当然の事だと思う。それ以前に、この大会でのパフォーマンスを見れば答えは歴然だったはず。兵藤の起用方は最後まで不可解だった。

その他には、最後まで交代枠を使い切らなかったのにも疑問を覚える。延長を意識したんだろうけど、兵藤投入後もずっとモロッコペースだったし、誰かしら入れる余地はあったと思う。ロスタイムに勝ち越されてから慌てて森本を投入しても後の祭り。

そんな監督のことよりも、日本は決定機に確実に決めておかなかったのが響いた。カレンの珍しく押さえたナイスシュートがポストに嫌われた事が惜しまれる。前半はコンパクトにしてプレスも効いていたのに、疲れが見えた後半は全体が間延びしてして機能不全に陥ってしまった。選手間の距離も離れパスが繋がり難くなり、悪癖であるロングボールに頼らざるを得ないシーンも。

ロスタイムに勝ち越されてから全員攻撃に移ったけど、そのリスクを犯してでも攻める気持ちを、ほんの僅かでもその前から出して欲しかった。モロッコはけして勝てない相手ではなかっただけに勿体無い。

これでこのチームは一時解散。今後は北京五輪を目指すチームの母体になるわけだけど、大熊監督がそのまま昇格するような事だけは止めてもらいたい。もう育成年代での日本人監督の育成はいい加減止めて、ユース指導に適した監督を連れてきてほしい。大熊ジャパンだけは勘弁。

2分け2敗という1勝も出来なかった結果、そして内容の伴なわないサッカーが大半だったとはいえ、世界基準を味わえた選手達にとっては良い経験になったと思う。今日の積極的な前半には成長の兆しも伺えた。4戦目を戦えた事はけして無駄ではなかった。このワールドユースで得た事を今後の糧としてもらいたい。

この世代の選手達のポテンシャルはこんなもんじゃないはず。このカテゴリーは通過点に過ぎない。まだまだ選手達のサッカー人生は始まったばかり。まずはJリーグでの活躍を期待したい。願わくば、彼らが有能な指導者に恵まれますように。お疲れ様でした。

選手個々の総括は後日。

*1:水本はフィードしやすいサイドライン際にパスして欲しそうだった

*2:得点者をマークしていた柳楽も完全に裏をとられた

*3:マリノス強化指定の噂があるけど、奥、山瀬、大橋のいるチ−ムは流石に厳しいでしょ。