マンチェスター・ユナイテッド 0-1 ACミラン

前半10分のスコールズ、その後のフォーチュンのシュート。マンUはこの決定機を決めておかなかったことが後々に響いた。
スコールズの決定的シーンを演出したフォーチュンの突破は見事だった。ネスタをあそこまで完璧に交わすとはね。フォーチュンはその後の決定的なシュートも惜しかった。演出したのはロナウド。普段コネコネしてるとこなんかマジで使えないと思うんだけど、スペースを得てドリブルで独走している時のスピードは脅威。独走中に無駄なことをしないで、すぐにパスをしたのも素晴らしかった。フォーチュンは予想外に動きが切れていたけど、この場面はピッチに足をとられたのかな。素晴らしい展開だったんだが。
マンUはここで1点でも決めておけば、ある程度前に出て来る必要のあるミラン相手に、前線のスピードを生かしてカウンター狙いの試合運びが出来たはず。ホームで勝ちたいマンUは、全般的にピルロを中心とするミランポゼッションサッカーにいなされてしまった。ピルロを少し自由にしすぎ。もっとガンガンプレスにいっても良かったと思うけど。
決勝点のクレスポ。その直前の決定機を外したのは勿体無かったけど、次の決定機は確実に決めた。GKがシュートを弾いたこぼれ球に、誰よりも早く反応してプッシュ。全般的に最前線で起点に慣れたとは言い難いけど、ボックス内での反応の速さはさすが。この活躍でチェルシーからの移籍金も上がってしまいそう。
得点を演出したセードルフのミドルは強烈だったけど、キャロルもあそこはキャッチしなきゃいけないでしょ。キャロルにタイトル獲得を目指すチームのGKは荷が重そう。セードルフをシュートレンジでフリーにさせたDFも問題だけど。セードルフのミドルが火を吹く事を、序盤のフリーキックを見て予知した解説はグッジョブ。
リード後のミランの采配は流石に手堅い。アウェーで1-0は上等と守備固め。あれをやられて崩せるチームはそういない。グループリーグではロナウジーニョの爆発で崩されたけど、マンUにそこまでのタレントはいなかったか。最後の追い上げにも迫力が足りなかった。
ルーニーは何かやらかすかと思ったけど、今日は百戦錬磨のミランDF陣の前に封じられた格好。後半のDFをワンステップで交わしてのミドルは惜しかったけどね。4-3-3のシステムを採用する上で、トップの真ん中から、サイド、トップ下へとポジションチェンジしながら起点になるプレーが影を潜めたのは痛かった。最前線で起点になれるニステルを3トップの一角としてもう少し早く投入しても良かったかも。復帰直後で長くは持たなかったからの温存なんだろうけど。
カカーは良かったね。抜群の瞬発力で守備を切り裂いて、DFを引き付けての効果的なパス。シュートは切れ味がなかったけど、クレスポの決定機も演出したし、得点にも絡んだ。右サイドからの積極的な上がりでアクセントになったカフーも貫禄の出来。急遽スタメンであのプレーはさすが。ルイ・コスタもポゼッション増加に貢献した。選手のプレーも全般的にミランの方が上でしたな。
アウェイで勝利したミランがベスト8に向けて圧倒的有利に。サンシーロでの敗北はあまり考えられない。ただマンUは爆発力があるので何が起こるかは分からん。マンUが先制してくれると面白そうだが。