アルゼンチンの今後

これでビエルサ続投が決まったのは喜ばしい。あのビエルサ批判はなんだったんだろう。
テベスがダントツで得点王という事で、テベスの大会という呼び方もあるんじゃないですかね。テベスは衝撃的な世界デビューで一躍有名に。オリンピックが初見で魅了された人も多そう。でもまだまだ好調時には戻ってないと思う。03シーズン南米最優秀選手に輝いた時のテベスのキレは半端じゃなかった。それ以降は長らく不調が続いていたんだけど、このアテネでようやく復調してきた感じ。それでも以前のように相手をブッチぎる様なキレはアテネでも感じられなかった。足裏フェイントを使うまでもなく、身体の強靭さとスピードを生かしたドリブルで相手をぶち抜いていましたから。南米の激しすぎる削りにも負けずに、あの小さな身体でボールをがっちりキープするのも凄かった。これから復調していくにつれて、もっと凄い選手に成長していくでしょう。
これでアルゼンチンの1トップ論争も収束していくのかな。01ワールドユースで得点王に輝く大活躍をして、2年後のアテネ五輪も彼の大会になるだろうと言われていたサビオラ。まさか年下のテベスに追いやられて控えで大会終了するとは。当初は『サビオラベンチ』に批判が多かったけど、テベスの活躍がそれを黙らした格好。でもサビオラもこのままじゃ終わらないでしょう。監督がビエルサである限り純粋なFWの枠は一つ。2人の争いはこれからも続いていくんじゃないでしょうか。そしてACミラン所属のクレスポもいる。他にもアテネ世代にフィゲロアカベナギマキシ・ロペス。D・ミリートもいるのか。物凄い争いだ。
この完成されたチームに、欧州組みが戻ってくるとどうなるんだろう。よく言われるのが『テベスサビオラクレスポらによる3(2)トップ』、『アイマール、ダレサンドロ、ヴェロンらを含んだ黄金の中盤』の待望論。でもビエルサのシステムが機能しているんだから無理。変に2トップにしたりして機能しなかったのはこれまでの試合で証明済み。でも観たいと望む人が多いんだよなあ。日本人は『黄金の中盤』好きだからかな。ビエルササッカーの肝であるサイドアタッカーを放棄して、トリプル司令塔なんて機能しないと思うんだけど。コパの4バックシステムならダレッサンドロアイマールは共存可能だけど、そうなるとルイス・ゴンサレスが構想外。贅沢な話です。
とりあえずヴェロンの必要性は薄いかな。司令塔に置いたらチームの連動性が悪くなりそう。フリーランニングも足りないし、ショートパスとポジションチェンジで細かく崩していくサッカーには似合わない。かといってボランチだと守備力が低下してしまう。マスチェラーノカバーリングマンマークが素晴らしく、中盤の底できっちりボールをキープして繋ぐことも出来る。ビエルサ得意のシステム変更による右SB起用にも柔軟に対応していた。一発で局面打開できるロングパスやプレスキックは捨てがたいけど、代表派遣を渋るインテル所属というハンディもあるから、これから代表では厳しいですな。