ドイツ 1-2 チェコ

チェコのスタメンを見た時点ではドイツが勝つと思ったけど、控えメンバー中心のチェコにまさかの敗戦。試合を見ればそれも当然の結果で、予選落ちも当然。

バラックのミドル、ハインチェの直接FKはファインゴール。1-1になった後も決定機はドイツの方が多かったんだけど、それを尽く決められない。逆にチェコがカウンターからバロシュが独走して逆転。2人のDFに囲まれているという決定機とはいえない状況で点を取ってしまった。

ドイツの決定力不足は予想以上に深刻。FWの能力不足というのは当初から分かっていた事だけど、簡単なゴールチャンスさえも決められないとは。クラニーに国際大会のレギュラーは荷が重すぎた。

FWが犠牲になって他の選手がゴールできるような攻めがあれば弱点をカバーできるわけだけど、チームとして崩す形もないし、少しでも手詰まりになるとロングボール中心の放り込みサッカーになってしまう。点の匂いを感じる選手はバラックしかいなかった。そのバラックの得点力を生かすためにトップ下で起用。彼自体の出来は素晴らしかったけど、本来トップ下の選手ではないのでどこかやりにくそう。このチームにバイエルンのようにマカーイがいたら、グループリーグ突破は可能だったと思う。

勝ちゲームだったオランダ戦を引き分けて波に乗れなかったのも痛かった。引いて守るラトビア*1から点を決められない時点で、決勝トーナメントに進む資格はなかったということなんでしょう。チェコの控えメンバーにさえも勝てなかったドイツ。言い訳も出来ない凄惨たる敗退劇。

ドイツ若手期待のシュバインシュタイガー、才能の片鱗は感じさせたけど、まだまだEUROという大舞台で活躍するには時期尚早。非常にテクニカルな選手だけど、それが勝利に向かって生かされていない。コネすぎと感じる場面が多かった。局面ではいいプレーもあっただけに、数年後は期待出来る存在でもある。

ドイツの中で、バラックは真の実力者であることを証明した。そして左SBのラームが素晴らしかった。左サイドからの積極果敢なオーバーラップで何度もチャンスを演出し、若手№1LSBの期待に違わぬ活躍を見せた。この先10年、ドイツの左SBは安泰だと思う。全体的には自国開催に向けて暗雲漂う内容だったけど、仄かな希望も感じさせた。

チェコにとってバロシュというラッキーボーイが生まれたのは心強い。大舞台で躍進するためには得てしてこういう存在が不可欠。大会前までは1トップシステムでコラーという不動の存在がいるため、劣勢時で2トップにして攻めるためのスーパーサブでしかなかった。ブルックナーが大会始まって2トップにしたのには驚いたけど、バロシュが結果を出したことによってそれが見事に正当化された。

リバプールでは不動の存在のオーウェンがFWにいるため常時出場は厳しい。今シーズンのリーグ戦ではたった1ゴール。来シーズンには同じFWの怪物シセ加入もあって、何とかこの大会で自分の実力を見せようとしたと思う。これでオファー殺到も間違いなし。1トップが基本線のベニテスの元で3番目の選択肢になるのだったら、重用してくれる別クラブに行った方が賢明かもしれない。そもそも大金を払ってまでシセはいらなかったような。

チェコは控えメンバー主体で戦う事で、主力に休息を与えられた事は大きい。これはデンマーク戦でもアドバンテージになるはず。両者打ち合う面白い試合になりそう。

*1:侮れない相手だったけど他のチームは点を取って勝った