ポルトガルvsイングランド

スペイン相手に主導権を握ったFCポルト所属の中盤3人はかなり強力で、試合のポゼッションはポルトガルが握ると思う。でもそれがポルトガル有利に働くとは限らない。

スペイン戦では、この3人を中心に数的有利でもってプレッシャーをかけ、スペインの攻撃の起点である二人のピボーテにボールをキープさせなかった。ただイングランドの中盤の真ん中の2人は、起点になって攻撃を組み立てるようなタイプではない。主に起点になるのは右サイドのベッカムだけど、別に彼だけに攻撃の組み立てを依存しているわけでもない*1。そもそもボールポゼッションしていく意識が希薄。ポゼションサッカーのスペインのように、ボールをキープ出来ないからといって攻撃が機能しなくなるわけではない。

イングランドのフラットに並ベられた中盤は、4人とも守備意識が高く、DFラインの手前の防波堤となってきっちり守ってくる。始動位置が低いため、ボールを奪って前に繋げた後、中盤の選手の前線へのフォローは遅れるわけだけど、トップに早めに当てたら快速2人が独力で速攻を仕掛けていくのであまり問題にはならない。むしろ、リスクを犯してまで多くの選手が攻撃に絡んでくるアタッキングマインドはは始めから存在しない。堅守からの速攻は強力。特に乗りに乗っているルーニーは脅威。

ポルトガルのサイド攻撃は、フィーゴC・ロナウドの個人技に頼るところが大きい。攻撃の大半が彼らのコンディションに大きく依存していて、ここがブレーキだと厳しい。イングランドもサイドで数的有利を保って対処してくるはずで、容易には崩していくのは難しそう。

苦し紛れにクロスを放り込んでも、イングランドの屈強なDFに跳ね返されるだけ。サイドの2人とデコが流動的に動いて、如何にイングランドの守備組織を崩せるかに懸かっている。両SB、マニシェのフォローも欲しい。ただし、せっかく崩してもFWが決めないと意味がないわけで、FWの決定力に欠けるポルトガルにはその部分にも不安がある。

両チームともに強力なプレスキッカーがいるので、ゴール前でのファウルは即ピンチに繋がってしまう。イングランドのカウンターが火を吹くか、サイド攻撃でポルトガルが圧倒できるのか。楽しみな一戦。より守備の安定しているイングランド有利と見た。ポルトガルは先制されると、イングランドに引いて守られるので厳しくなる。

試合を楽しむためにはどちらかを応援して見る方が自分的には楽しいんで、ここはポルトガルを応援することに決めた。守備的サッカーより攻撃的サッカーの方が好み。デポルのアンドラーデと元ヴィオラルイ・コスタがいるしね。開催国が勝ち残った方が盛り上がるというのもある。

ちなみに今から友人とサッカーバーに行く事になりました。ベッカム効果でイングランドファンが多そうなのが心配。試合感想は遅れます。

*1:右足のキック精度は驚異的だけど