オランダ 3-0 ラトビア

オランダは何とDFラインにF・デブール先発*1スナイデルが控えのため展開力のある選手がスタメンにいないので、後方から正確なロングフィードに期待がかかる。スピード不足のためラトビアの高速カウンターへの不安はあったけど、スタムを中心に周囲がよくフォローした。

全体的に停滞感の漂っていたオランダだけど、後半途中にスナイデルが投入してからは、見違えるようにボールの動きもスムーズになり、オランダらしい華麗なポゼションサッカーを披露した。今後は、展開力のあるタイプを一人はピッチに置いておきたい。

展開力がある選手がいると、ワイドに広がったウインガーにいい状態でボールが渡るから、お家芸のサイド攻撃が効果的に機能する。同じサイド攻撃を得意とするデンマークと比べたら、組織的に整備されていなく、展開のスピードは遅いし、フォローする選手が後ろから全力で追い越していくような動きもない。

ただし、サイドアタッカーが個人技で一対一の勝負を勝てるケースが多く、選手個々の高い技術を生かしたポゼッションを基盤にした分厚い攻撃で圧倒できるのが強み。引いて守るラトビア相手に波状攻撃で主導権を握い続けた。ダービッツを中心にカウンターの起点もよく潰して無失点。

ロッベンチェコ戦に続いてキレキレ。ドリブル時にボールを細かくタッチしながら前進するので、DFはボールを奪うタイミングを計るのが難しい。一旦抜ければ抜群のスピードで独走されてしまう。そのため相手DF数人が引き付けられるから、突破だけでなく空いた味方選手にパスをするなど、周りのフォローがそれほどなくてもチャンスを演出できる。後半から入ったオーフェルマウスも、生粋のウインガーらしく縦へ縦へと勝負を仕掛けてチャンスを演出。サイド攻撃が機能するとオランダは強い。

ファン・ニステルローイは決定機を外す場面もあったけど、きっちり結果を残したのでスタメンのザは安泰。そしてようやくマカーイも起用。出場すればきっちり得点をあげるのは流石。ボールを受ける振りをして、マークを外す動きは絶品。抜群の決定力を持つ彼をもっと有効利用してもらいたい。今日はニステルに変わって1トップ起用だったけど、追いつきたい展開になったら併用も考えられる。

ドイツの自滅に助けられてオランダが決勝トーナメント進出。まだまだチームとして機能しているとは言えないけれど、オランダらしさは徐々に見えてきた。強力な組織力とカウンターを武器にするスウェーデンとの対戦は楽しみ。

ラトビアはよく耐えて一瞬のカウンターに賭けていたけど、先制されるとオランダもそれほど無理はしてこないから、自発的に攻めることを得意としないので逆転するのは厳しかった。良いプレーをを見せていたルビンスが決定機を確実に決めておきたかったところ。これでグループリーグ敗退。選手の個人能力では劣っているも、対戦国との実力差を踏まえ、快速FWの特徴を最大限活用した組織的なカウンターサッカーで勝機を見出そうとする好チームだった。

*1:追記:ボウマのケガらしいです