U-21日本代表

▽GK 松井謙弥(磐田)、佐藤昭大(広島)

▽DF 千葉和彦(新潟)、田中輝和(大宮)、鎌田次郎流経大)、柳楽智和(福岡)、小林祐三(柏)、細貝萌(浦和)

▽MF 渡辺圭二(名古屋)、本田拓也(法大)、谷口博之(川崎)、水野晃樹(千葉)上田康太(磐田)、家長昭博(G大阪)、枝村匠馬(清水)、乾貴士(滋賀・野洲高)

▽FW カレン・ロバート(磐田)、萬代宏樹(仙台)、津田知宏(名古屋)、前田俊介(広島)


11月14日の日中韓サッカーU-21代表交流戦、対U-21韓国代表の召集メンバー。反町構想での控え主体といった印象かな。


昇格争い中の柏、残留争い中の福岡、優勝争い中のガンバや川崎からは召集。前回の中国戦でレギュラーだった選手は招集外。反町監督は幅広く人材を試したいらしいけど、フル代表の西川、青山直は日本代表を優先、他の選手もA代表に初招集された可能性もある。

      萬代
   カレン 枝村
家長        水野
   上田  谷口
  千葉 小林 柳楽
      松井


布陣かなり予想しづらいけど、1トップ2シャドーの3-4-2-1継続なら、こんな感じかしら。


谷口、上田、枝村とJ1レギュラーのボランチが3人居るから、中国戦のように枝村をシャドーの位置に上げて起用するかもしれない。家長、水野の両サイドだと、攻撃力は強力な反面、守備に不安大の組み合わせ。中盤はかなり良いけど、キープ力と展開力を兼ね備える梶山と本田を欠くので、攻撃構築には苦労するかもしれない。


層の厚い中盤はともかく、守備陣はかなりの格落ち感。FWにも反町監督の好きな1トップ向きの電柱CFがいない*1。萬代って背はでかいけど、純粋なポストタイプではないからね。前線でボールが収まりそうにないし、この守備陣だと押し込まれるだろうから、かなり苦戦するだろうね。せっかくの中盤が守備だけに追われるかもしれない。


せっかくアウェーの日韓戦に、控え主体で挑むのは少々勿体無い。恐らく韓国は前回の中国より強いだろうから、かなり良い強化になると思うんだが。フル代表と被っているから仕方ないけど、西川、青山といった守備の軸は呼んで欲しかった。日程が悪い。韓国のメンバー構成にもよるけど、このメンバーでは苦戦必至。どうせベストで行かないなら、Jリーグでの平等性を重視して各チーム一人でも良かったと思う*2


  • 乾の抜擢


サプライズはマリノスに内定*3した野洲の乾。昨年の選手権で高2ながら鮮烈な活躍で野洲の優勝に貢献した選手。フィジカルやスピード、クロス精度やシュートはそれほどでもないけど、トップスピードでのボールコントロール、トリッキーなアイディアが絶品。パスセンスも兼備。ただあくまで高体連レベルでの話。


現高3では、広島Yの平繁、塩釜FCの遠藤*4、浜名の松浦*5、静学の杉浦*6、名古屋Yの新川*7らと並んで評価の高いドリブラー。年代別代表の実績ではSBSカップで活躍した平繁*8が一番だけど、反町監督は乾を選択と。


乾は2種トップとはいえない高体連限定の選手権*9で活躍したくらいで、Jリーグどころか、一世代下のU-18・19でさえ殆ど実績がなく、今回のU-19が挑んでいるAYにも選ばれていない。高校年代トップのプリンス・リーグや全日本ユースでも活躍していない*10。ここに来てプロ選手を凌ぐほどの成長を見せているという事なんだろうかね。実力や実績的な問題、そして反町監督の好みでないタイプ*11だと思ってたので、飛び級召集はかなり意外だった。


北京世代のドリブラーなら、ガンバの寺田、鹿島の興梠、テクニシャンタイプのOMFならジュビロの船谷、マリノスの狩野、京都の中山など、Jリーグ出場経験のあるプロ選手が複数いるけれど、彼らより現段階での評価は上という事なのか。高校選手権を盛り上げるため、高校生に刺激を与えるためという面もあるかもしれないけれど、それで貴重な国際経験を逸するプロ選手がいる事も忘れてはならない。乾はまだ地区予選が終わっていないから、それまでは野洲に専念させても良いと思ったけど。まだ身体も出来ていないのに怪我したら可哀想だし。


とにかく高校生のU-21代表抜擢で、無駄にスターシステムが発生しないことを望む。特にこの年齢で「和製ナンタラ」とかお門違いのニックネーム付けられると高確率で伸び悩むからね。かつて高校№1FWと騒がれた「和製クラファート」や「和製ロナウド」はどこいった。伊藤翔もスケールは大きいけど、長身ながらスピードもあってテクとシュートもそこそこというだけで、別に全能型FWのアンリには似てないし。なんかタイプ的に乾は「和製メッシ」とか喩えられそうで嫌だなあ。


自分の希望としては、やはり代表にはJリーグでの経験・活躍を重視して選んで欲しい。AYのU-19もそれでうまくいった面もあるんだし。まあ、今回は親善試合なので別に良いけど、公式戦はそういう感じでお願いします。

*1:アウェーの中国戦はスピード型セカンドトップの苔口が1トップだったけど、似たタイプのカレン1トップだけはやらないでくれよ。それでジュビロはシーズン序盤を棒に振ったんだから。

*2:この数日後に対戦する2チームでいうなら、ジュビロから3人も海外拉致で、FC東京から0人って割に合わない。ジンギュも拉致られるかもしれないのに。勝手な都合だけど。

*3:つーか、今年のマリノスの新卒獲得はかなりの勝ち組。自前のユースが強力で(森谷や大久保など評判の良い選手を昇格させない贅沢さ。かつて丹羽や谷口も昇格できない位の狭き門。何人か他のJクラブからオファー来るかもね。)、トップチームの選手層も厚くて、若手育成より即戦力を補強する傾向が強いなど、新卒選手に嫌われがちな面が多くがあるのに、これだけ有望選手をスカウト成功するのは凄いな。大学№1左SB小宮山うらやましい。

*4:この選手は高体連でもJクラブユースでもないから無名だけど、かなり良いと思う。どっかプロは採らないのかな。最近、小柄な高校生ドリブラーに集中して声をかけているジュビロが真っ先にオファーすべき人材だったと思うけど。昨年オファーを断られた同タイプの堂柿より良いと思う。八千代から内定したドリブラーの山崎は注視して見たことないので、比較は難しい。

*5:FW・SH兼用タイプ。SBSカップで一学年上の現U-19日本代表を重心の低いドリブルで翻弄した。パスカットからのハーフウェーラインからの独走ゴールは大会ベストゴール。このパスを出したのがAYメンバーから直前で外された小澤。抜かれまくったCBの大島も外された。ジュビロ内定。

*6:今年の静学の10番。貴重な早生まれで次の次の五輪の資格がある。静学らしいテクニシャン型ドリブラーながら、飛び出し、シュート、パス、クロスとバランスが良くて、FWだけでなく、トップ下、サイドをこなせる万能型。身長の割に空中戦も強くて、ヘッドでのゴールも多い、今年の静岡№1という評価を受けている。新人ドリブラー・をコレクション中の地元ジュビロのオファーを断って川崎内定。あそこのがFWの層は厚いのに。ジュニーニョ、我那覇の不動の2トップに、J1控え日本人FW最強の黒津が控えで、J2得点王のフッキがレンタル中よ。ジュビロは前田以外のFWにアジウソンの絶対の信頼はまだない。だからリードするとすぐFW下げてしまう。頑張れば第4FWとしてベンチ入れた可能性があるのになあ。

*7:高2の昨年はかなり凄くて世代トップ級だったけど、今年は伸び悩んだ印象。それでも全日本ユース準優勝でトップ昇格。名古屋Yなら一学年下の花井の方ポテンシャルは上かもしれない。

*8:突破力なら彼が高校№1だろうね。広島Yの先輩の前俊と比較されるけど、前俊がセカンドトップ・タイプなら、平繁はウインガー・タイプ。ただし、クロスよりペナ内に切り込んでシュートを好む。

*9:知名度は高いけど、近年はレベル的に大したことない。特に昨年はユースに比べて低レベルだった。

*10:そしてこの大会で活躍した選手でさえU-19に呼ばれていない現実。ガンバYの倉田、滝二の金崎、名古屋Yの吉田、広島Yの遊佐とボランチに有望株多かった。来年には誰かU-19に絡んでくるだろうね。アンカーが欲しい。アンカータイプじゃないけど、個人的には長谷部みたくドリブルでボールを運べる倉田が好み。

*11:守備貢献や無駄走りが苦手な細身のテクニシャン。