16日目

下は試合中に適当に書いたもの。後で修正して今日の更新に載せます。

イングランド 1 - 0 エクアドル
ベッカム 60'

イングランド:4-1-4-1
P・ロビンソン■;テリー■、R・ファーディナンド、As・コール、ハーグリーヴスベッカム(87分A・レノン)、キャリック、ジェラード(92分ダウニング)、ランパード、J・コール(77分カラガー■)、ルーニー

エクアドル:4-4-2
モラ;デ・ラ・クルス■、ウルタード、エスピノサ、レアスコ、バレンシア■、E・テノリオ(69分ララ)、S・カスティージョ、E・メンデス、A・デルガド、C・テノリオ■(71分カビエデス


イングランドは相変わらず選手個々のポテンシャルがチームに活かされていない。何で直前のスウェーデン戦でアンカーとして評価を上げたハーグリーブスが右SBやってるのよ。ルーニーの1トップも苦しいけど、オーウェン負傷でFWが少ないので仕方ないのか。オーウェンクラウチよりプレミアでゴールを決めているのに、リーグ0点、というか未出場のウォルコットに負けたベント、デフォー、ヘアウッド、ビーティーらは何を思う。というか、それ以前に試合内容がつまらん。

ベッカムフリーキックで先制か。つまらない試合してても、セットプレーでリードして、引いてゴール前を固めて守れる。これがイングランドの強さ。一つ目の交代はJコールに代えてキャラガーかよ。エリクソンはリードすると、あからさまな守備固めに入る。固いよ。でもこれだけのメンツいるなら、もっと良いサッカーできそうなもんだけど。

今大会はこれまでに比べ攻撃的なチームが多く勝ち残っている*1けれど、イングランドは相変わらず慎重で守備的。マスメディアには黄金の中盤とかもてはやされてるけど、チーム全体の守備意識と守備陣の固さ、そしてセットプレーが強み。総合力は高くない。

でも攻撃的なチームが多い大会は、意外と守備的チームがカウンター主体で勝ったりするんだよなあ。EURO2004ギリシャとか。始めから攻撃構築力で勝負しようとしてないから、他の攻撃的チームにしたら嫌な相手だと思うよ。いざとなれば中盤を捨ててハイボールを放り込むクラウチ大作戦があるし。勝負強さは間違いなくある。

解説者はイングランドらしい中盤でのパス繋ぎがどうとかとか言ってるけど、もともと中盤でのパスワークは大してうまくない。プレミアのイメージで語りすぎ。ランパードもジェラードも所属チームでのプレーに比べて輝いていない。エリクソンは6年やってて、もう少し良いチームを作れなかったのかな。ただこんな内容でも、守備とセットプレーで勝ち進めそうなのが怖い。この2つの長所は大会最高クラスだからね。試合内容も最高クラスにつまらないけど。



ポルトガル 1 - 0 オランダ
マニシェ 23'

ポルトガル
リカルド■;ヌーノ・ヴァレンテ■、リカルド・カルヴァーリョ、F・メイラ、ミゲル、マニシェ■、デコ■■(78分退場)、コスティーニャ■■(45分退場)、フィーゴ■(84分ティアゴ)、パウレタ(46分ペティート■)、C・ロナウド(34分シモン)

オランダ:
ファン・デル・サールファン・ブロンクホルスト■■(95分退場)、J・マタイセン(56分ファン・デル・ファールト■)、オーイェル、ブラールズ■■(63分退場)、コク(84分フェネホール・オフ・ヘッセリンク)、スナイデル■、ファン・ボメル■(68分ハイティンハ)、ロッベン、カイト、ファン・ペルシ

試合開始からテンポが速くて面白い。前のアンチ・スペクタクルな試合とはクオリティーが違う。どっちが勝っても構わないけれど、準々決勝は何としてでもイングランドに勝ってもらわねば。でも実力拮抗だから消耗度は激しいでしょうな。

ところでオランダは何でCBのブラルーズが右SBで、これまでサイドで使ってきたカイトがCFやってるの? ニステルと心中するからマカーイフンテラールも外したんじゃなかったのかね。中盤も創造性を欠く人材。ファンバステンのスタメンの人選配置は謎すぎる。

ポルトガル先制。パウレタの落しからマニシェのシュートの流れは見事だった。マニシェはEUROでもスーパーミドル決めたし、オランダ相手に強いですな。ロシアで氷付けにされてチェルシーでも冴えなかったけれど、ようやく解凍されてきたのか。

せっかくの好ゲームだったのに、コスチーニャが退場かよ。今大会は好ゲームがレッドカードで潰れてしまう事が多い。何でコスチーニャは警告受けているのにハンドするかなあ。勝っても唯一無二のアンカーが次のイングランド戦に出れないポルトガルはヤバイ。元FCポルト3センターがチームの心臓だから。

ロナウド無念の負傷交代。徐々に成長しつつあるだけに残念。悪質プレーで潰したブラルーズも退場して欲しい。


後半は展開的にはオランダが猛攻、ポルトガルが凌ぐという展開になるのかな。ポルトガルは1トップのパウレタを下げてペチート投入。あくまで守りきるつもりか。こういう展開は慣れていないポルトガル。どうなる。

オランダもロナウドを悪質プレーで潰したブラルーズが警告2枚で退場。前半から悪質プレーしていて、審判に目を付けられていたから妥当だろう。フットボールの正義。フィーゴもうまかったな。これで数的同数、おもしろくなってきた。

つーかこの試合は荒れすぎ。熱い。両チーム気持ちが入りすぎている。この荒れっぷりは凄いな。相手選手をもろに突き飛ばしてたスナイデルも退場させるべきでしょ。レフリーの判断によるドロップボールから、猛然とドリブルしたヘイティンガもフェアプレー精神に欠けている。これによりデコは無駄なイエローを貰う嵌めに。それにしてもこの審判のゲームコントロールは酷すぎる。何でこんな奴がトーナメントで笛を吹いているのか。


デコが遅延行為で2枚目イエローを貰い退場。絡んだコクーも突き飛ばしてたし、デコだけが退場は少し厳しすぎる気がするが。警告一枚貰ってるのに、あそこで時間稼ぎしなくてもとは思うけど。完全に冷静さを失っている。ポルトガルは勝ち抜いても、出場停止のデコとコスチーニャ、怪我のロナウドを欠くイングランド戦は緊急事態。この荒れ試合で、喜んでいるのはイングランドだけだろう。

最後までチーム1得点力のあるファン・ニステル・ローイ投入しないのかよ、ファンバステン終わってる。欲しいのはゴールじゃないのかね。

最後は電柱フェネホール目掛けて、プライドを捨てた放り込み攻撃。まるで美しくない。オランダらしくピッチを広く使ってサイドから崩していかないのかね。放り込みしか手がなくなって敗れ去ったEURO準決勝の再現。ファン・ホーイドンクがフェネホールに変わっただけで、やってる事は何も変わっていない。しかも今回は数的優位なのに。付け焼刃のパワープレーは点に繋がるはずもない。2年経って、結局オランダは成長していなかった。ポルトガルとの再戦、若返りにより、どれくらい差が縮まったのか楽しみにしてたのに。

多くの時間帯を数的不利で過しながらも勝利。チーム力的に極めて妥当な結果。個人技では互角も、組織的には上だった。数的不利でも粘り強く守りきったのは、4年前のポルトガルにはない勝負強さ。
目立ったのはミゲルかな。恵まれたフィジカルを活かして、攻撃から守備までアップダウンを繰り返した。スピーードを活かした攻撃参加、そして相手のキーマンである対面のロッベンを抑えたのは見事だった。

試合前はどちらが勝っても良かったけど、開始早々のブラルーズのロナウドを潰したえげつないカンフーキックを見て、ポルトガルを応援していたよ。フィーゴの代表引退試合が、こんな荒れ試合でなくて良かった。でも飛車角を欠くイングランド戦はやばすぎる。ベストメンバー同士でEURO2004ベストゲームの再戦を見たかった。ベスト4進出はかなり厳しい。

  • オランダ

相手の主力選手の負傷退場、そして2回も数的優位になる運を活かせず惜敗。

オランダの敗因は、ファンバステンの不可解すぎるスタメン・選手交代、そして中盤でゲームを作れずウイングの突破力頼みになってしまった攻撃面の限界。攻撃は個人技中心で、チームとして機能性もあまりなかった。攻撃陣に比べ、DFの質も低かった。特にブラルーズ。数的優位になた後は押し込んで決定機を多く作り出すも、尽くシュートを外してしまう。ニステルなら確実に一度は決めたと思うが。

それにしてもスタメンの人選配置には疑問が残る。これまで重用し続けてきたニステルを、この場面でいきなり干すほど信用していないなら、なぜ代役になれるフンテラール*2を呼ばなかったのか疑問が残る。メンバ−発表時に懸念した不安が的中してしまった。今までずっとウインガーとして使ってきた3トップのCF適性はないカイトを、この大勝負でスタメンに抜擢してを期待したのかも不明*3。案の定、てんぱって決定機を外しまくるし。SBにコンバートしたブラルーズも、サイドで対面したフィーゴを止めきれず、イエロー2枚で退場。大失敗。ロナウドをカンフーキックで潰す事しか仕事はしなかった。


今大会は一度もオランダらしい華麗なサッカーを見られなかった。華麗だったのはロッベン、時折りファン・ペルシの個人技のみ。これはファンバステンの責任大だろう。名将フェリペとの差は大きすぎた。直接対決で圧倒しながら敗れたコートジボアールの方が、ベスト16に相応しかったかもしれない。その象牙戦でゴールを決めたニステルを出さないんだもんな。負けて当然。強かった頃のオランダはどこへ。今大会は期待していたのになあ。


最後にオランダには自国の英雄のこのセリフを送る。

「勝つときは少々汚くてもいい。だが、負けるときは美しく」
「美しく敗れる事を恥と思うな、無様に勝つことを恥と思え」
ヨハン・クライフ

全く実践できてませんでしたよね。悪質プレー連発。2年前の同一カードの敗戦と同じで、最後はまた放り込みしか手がないだなんて。これまでの継続性を無視した不可解すぎるスタメンの人選配置、抜擢した選手はブレーキ、ファンバステンは一体何をしたかったんだろうか。監督経験のなさが本番で出てしまった。百戦錬磨フェリペとの役者の違い。
8年前のフランスWCでの敗戦は美しかった。敗れてなお強を印象付けたEURO2000準決勝イタリア戦。若手有望株が多いので、2年後はぜひ巻き返してきて欲しいです。こんなのオランダじゃない。

*1:これまで守備的だったイタリアとドイツが、今までの自国のスタイルに比べて攻撃的なサッカーを目指しているのも大きい。

*2:今シ−ズン33ゴール。メンバー入りしたフェネホールやバベルより同一リーグで遥かに点を取っている。代わりに参加したU−21欧州選手権ではゴールを量産してチームを優勝に導いた。

*3:直前の親善試合では中央では全く機能せず、試合途中でサイドに移った途端にアシストの活躍。まだフェネホールの方が適正がある。