ブラジルvsオージー

ブラジル 2 - 0 オーストラリア
49'アドリアーノ、89'フレッジ

ブラジル:4-4-2
ジーダカフー■、ルシオ、ジュアン、ロベルト・カルロス、エメルソン(72分ジウベルト)、カカ、ゼ・ロベルトロナウジーニョロナウド■(72分ロビーニョ■)、アドリアーノ(88分フレッジ

オーストラリア:3-3-3-1
シュウォーザー;C・ムーア(69分アロイージ)、ポポヴィッチ(40分ブレッシャーノ)、ニール、チッパーフィールドエマートン■、グレッラ、ステリョフスキ、T・カーヒル(56分キューウェル)、クリーナ■、ヴィドゥカ


オーストラリアは、中盤からの激しいマンマークで、ブラジルの選手に時間とスペースを奪う狙い。各人が守備を献身的にこなし、なかなか決定的チャンスを与えない。攻守の切り替えも非常に早く、攻撃にも守備にも数的優位を作る努力をしている。守備一辺倒でもない。

ボールを奪ったら、ブラジルのSBが攻撃参加して生じるサイド裏のスペースにボールを出し、素早くフィニッシュまでもっていく攻撃。ブラジルの中盤でのプレスはそれほど激しくないので、オーストラリアがシュートまで持ち込むシーンは多かった。ただし決定力不足。


ブラジルはオーストラリアの厳しいマークのせいで、スペースが与えられずパス回しが出来ない時間帯が多かった。選手個々はボールキープできるものの、2トップが全くといっていいほどボールを引き出す動きをせず、前線で蓋になっているため、攻撃には閉塞感が漂っていた。エリア内でFWとの効果的なコンビネーションが作れない。全体的にオーストラリアはブラジルの攻撃を良く押さえ込んでいた。


後半開始早々、ロナウドがDFを引きつけて横パス、それを受けたアドリアーノが少しボールを動かしてシュートを放ち、これがゴールに決まる。完全に崩したわけでもなく、アドリアーノの前にはDFもいたのに、何でもないフェイントから股抜きシュートでゴールを決めてしまう。これが優勝候補の決定力か。

後半はブラジルがワンタッチツータッチでボールを早く回し始め、マークを絞らせずポゼッションしながら全体を押し上げたことにより、攻撃は前半より機能していた。裏へのスペースも素早いチェックで対処。2トップとは比べ物にならないダブルボランチの献身性、特にゼ・ロベルトの運動量が目立っていた。

リード後もポゼッションから追加点を狙うも、不用意なボールロストも多く、そこからのカウンターでオーストラリアにチャンスを与える事も多かった。終盤は運動量の低下もあり、全体が間延びし中盤にスペースが空いたため、お互いゴール前を行き来し合う打ち合いに様相を呈す。でもキューウェルやヴィドゥカが決定機を尽く外すなど、この試合のオーストラリアには決定力がなかった。

ヒディンクはDFのムーアを外して、日本戦でゴールを奪ったアロイージを投入。得失点差を考えるよりも、引き分けによる勝ち点1を狙ってゴールを奪いにいった。結果的にこれが裏目に出たのか、ロビーニョのドリブルシュートがポストに弾かれ、途中出場していたフレッジが押し込んで追加点。勝負あり。


ブラジルは内容が悪かったのに、結果的には2−0で勝ち点3を獲得。逆にオーストラリアは、個人能力でははるかに上回る相手に、自分達の狙い通りのサッカーで渡り合うも、結果的には勝ち点0。勝負を分けたのは決定力。やはり優勝候補は自力が違う。

負けたとはいえ、相手の長所を消し、短所を突いて、自分達の良さを出そうとするオーストラリアのサッカーは見事なものだった。戦力的に上回る相手と互角に戦うためには、相手を研究してこのように戦うのが常套策の一つだろう。

  • ブラジル

ブラジルは、クロアチア戦と同様に、ロナウドアドリアーノ2トップがゴール前にいるだけなので、前線でボールを引き出してからのコンビネーションがなく、攻撃が機能不全になっている。特にロナウドは太ってコンディションが悪いのか、相変わらず動かない。ロビーニョフレッジの2トップの方が機能性は上と思うけれど、パレイラはどう判断するのか。

でも何だかんだいって、結局貴重な先制点を奪ったのは試合中機能していなかったアドリアーノ。あの動きでは素直に評価できないけど、日本の決定力不足を目の当たりにした直後だけに、やはりFWは点を決める選手が一番だとも思ってしまう。

前評判では優勝候補筆頭のブラジル、現状では強豪相手では不安が残るけれど、トーナメントに照準を合わせて徐々にコンディションを上げてくればおもしろそう。

日本戦では主力温存して控え組み主体のメンバーが濃厚。それでも濠太剌利、クロアチアより戦力的には上だと思う。

4-3-2-1
      アドリアーノ
   ガウショ    カカー


   ゼロベルト ジュニーニョ
       エメルソン
ロベカル           カフー
      ルッシオ ファン
        ジーダ

動けないロナウドを下げて、中盤にジュニーニョを入れる。この方が強そう。ロナウジーニョを高い位置に上げて攻撃に専念、サイドに開けばスペースを得てもっと活きる。ボランチは3枚にして、SBの攻撃参加のカバーも万全。セットプレーもジュニーニョが加わって破壊力倍増。