グループリーグ第1節総括

試合レビューもろくに書いてないし、もう半数の国が2試合目に突入してしまったけど、とりあえずグループリーグ一節目を簡単にまとめておきます。


ベストチーム チェコ

単純な強さではなく、選手個々のポテンシャルを最大限に引き出しているチームを選出。難敵アメリカに3-0勝利という結果、そして内容的にも攻守に素晴らしい連動性を見せてくれた。優勝は厳しいだろうけど、初戦ならどの優勝候補も食ってしまいそうな強さがあった。絶対的存在であるCFコラーの負傷で苦しいだろうけど、個を最大限活かす組織的に優れたこういうチームに良い所まで勝ち上がってきて欲しい。
他にはイタリア、アルゼンチン、スペインが初戦から強さを発揮した。


ワーストチーム 日本
これまで継続していた主体的なパスサッカーではなく、リアクション色の強い守備的なカウンターサッカーを選択して惨敗。これでは世界を驚かす事は出来ない。次戦はまず勝利、そして日本らしいサッカーをやって欲しい。相手に合わせた守備的なリアクションサッカーをやって負けたら何も残らない。


ベストマッチ
アルゼンチンvsコートジボアールチェコvsアメリカ、イタリアvsガーナ


ベストゴール F・トーレス
スペインvsウクライナでのスペインの4点目。シュートそのものより、ゴールまでの過程が素晴らしかった。プジョルがボールカット、詰めてきた相手をルーレットで交わしてからトーレスにパス、トーレスがダイレクトでセスクにパス、セスクがダイレクトでプジョルに浮き球パス、それをプジョルがダイレクト頭で落として、走り込んでいたトーレスがダイレクトで豪快なボレーシュートを決めた。ダイレクトパスとフリーランニングの連鎖が見事だった。


ベストイレブン
個人的印象重視。

GK
ヒズロップトリニダード・トバゴ

スウェーデンの猛攻を防ぎきった。試合直前に正GK負傷の為、急遽スタメンに抜擢も、豊富な経験で動揺しなかった。名の表す通りトバゴにとっておシャカ様だった。

DF
プジョル(スペイン)
カンナバーロ(イタリア)
マルケス(メキシコ)
ラーム(ドイツ)

プジョルは見事なラインコントロールシェフチェンコを完封し、ボール奪取後の速攻で得点にも絡んだ。マルケスは守備だけでなく機を見た攻撃参加が光っていた。ラームは素晴らしいミドルで開幕ゴール、正確なクロスでアシストも決めた。右SB*1は傑出した選手がいなかったので選外。
他にもネスタ、テリー、リオの実力者達は安定していた。

MF
フリングス(ドイツ)
ピルロ(イタリア)
ロシツキーチェコ
フィーゴポルトガル

フリングスは本職ではない1ボランチでよく守備をこなし、素晴らしいロングシュートを決めた。ピルロは司令塔としてイタリアの攻撃を演出し、無回転ミドルで貴重な先制点を決めた。ロシツキーは豊富な運動量で攻守に貢献し、強烈なミドルと鋭い飛び出しで2ゴール。フィーゴはドリブル突破からアシスト、匠の技でポルトガルの攻撃を牽引した。
他にはリケルメ、カカー、ベッカム、スペインとチェコの中盤が良かった。

FW
ロッベン(オランダ)
クローゼ(ドイツ)

ロッベンは一人でプラーヴィの守備を切り裂き、貴重な先制点を上げた。クローゼは開幕戦で2ゴールと開催国エースとしての責務を果たした。
他にもゴールを決めたFWは評価できる。チーム戦術にバッチシ嵌ったのはコラー。でも怪我しちゃった。

ジョーカー
ケーヒル(オーストラリア)

途中出場で2ゴール。持ち前のゴール嗅覚と反応の速さを発揮し同点、がら空きのバイタルエリアに進出し強烈なミドルシュートで決勝点を決めた。

         クローゼ
 ロッベン           フィーゴ
         ロシツキー
      ピルロ  フリングス

ラーム プジョル カンナバーロ マルケス
         ヒズロップ

マルケスは3バックの右だけど、他に傑出した右SB候補がいないのでコンバート。
他にも活躍した選手はいたし、選び直せば違う人選になると思う。でもまあ切りがないのでこんな感じで。


ベスト采配 ベーンハッカー

格上相手に退場による数的不利で圧倒される中、なんとFWを投入し、カウンターの脅威を残した。これによりスウェーデンはDFの攻撃参加が思い切って出来なくなり、DFを減らしてFWを投入する積極策にも出れなかった。見事に実力的には番狂わせのドローに持ち込む事に成功。グレンのポストに弾かれたシュートが決まっていれば神采配だったんだが。
DFに代えてFWを次々と投入し、その途中投入した選手が3ゴールを決め逆転したヒディングの采配も流石だった。でも実力的に驚きの結果を出したわけではないし、奇策に出たスタメンは失敗気味。相手に助けられた。


ワースト采配 ジーコ 

柳沢→小野。今さら説明するまでもなく。


トレンド
 
ミドルシュート
ゴールシーンを見ての通りですね。新しいボールの影響か。ミドルシュートが得意の選手を擁するチーム、そしてミドルのセーブに優れたGKのいるチームが優位になりそう。

  • 攻撃的サッカー

イタリア、ドイツという、これまでアンチ・スペクタクル志向のチームが攻撃的サッカーを志向している為か、全体的に攻撃サッカーが目立つ。強豪国で驚嘆に慎重だったのはイングランドくらい。消極的な守りに入ったチームは大体負けている。リアクション色の強いカウンター型チームも今大会は分が悪い。


大会1巡目を振り返る(FIFAworldcup.com)

  • 順当な結果

スウェーデンが引き分けた以外は、全体的に順当な結果になっている。FIFAによってリーグ終了から開幕までの休養期間が多く設けられ、選手の疲労度が少ないのが影響してるのか。

*1:あえて選ぶならグリゲラチェコ)かセルヒオ・ラモス(スペイン)かな