第1日目

  • グループA

開幕戦を振り返る(FIFAworldcup.com)
クローゼとワンチョペ、ゴールデンシュー賞候補に (FIFAworldcup.com)

初日から前半で寝てしまったんですが*1。録画放送で見たけれど、この先の過密日程を乗り切れるのかな。

ドイツ 4-2 コスタリカ
ドイツ<6分ラーム 17,61分クローゼ 87分フリングス
コスタリカ<12分,73分ワンチョペ

GER-CRC:試合レポート(FIFAworldcup.com)
誕生日に2得点 独を快勝に導いたクローゼ(FIFAworldcup.com)
新皇帝バラック、ピッチサイドにたたずむ開幕戦(WSS)
ドイツ4−2コスタリカ―終始攻撃を重視したドイツ(NIKKEI NET)
開放された夜宇都宮徹壱(スポーツナビ)

4-4-2
     ポドルスキ  クローゼ

 シュバイン   ボロウスキ    シュナイダー

          フリンクス

ラーム                 フリードリヒ
    メッツェルダー メルテザッカー

          レーマン

72分 ボロウスキ→ケール、79分クローゼ→ノイヴィル、90分 シュナイダー→オドンコール


開幕を勝利で飾ったドイツ。4ゴールの攻撃は合格点。サイドに基点を作ってからの攻撃は機能*2、プレッシングも効いて効果的なショートカウンターを繰り出せた。ラームとフリンクスミドルシュートは素晴らしかったし、2ゴールのクローゼもエースの決定力を見せた。ただ相変わらず守備は裏に弱い。

基本的にラインを高く維持してプレスを掛けていくサッカーなんだけど、ボールホルダーにプレッシャーが掛かっていないのに、DFラインを上げてしまう悪癖は相変わらず。それにDFライン4人の統制がまるで取れておらず、自作自演でギャップを作ってしまう。失点場面はもろに右SBのフリードリヒが余ってしまった*3

中盤のプレスが交わされた時、CB2人が対応が不用意すぎる。ボールウォッチャーになってしまったり、中央2人が同時にボールホルダへチェックにいって、なのにSBは絞る動きをせず、中央の選手がドフリーになるシーンは致命的。CB1人がチャレンジしたら、もう1人はカバーするとか、プレスの掛かり具合によってラインを上下動させるとか、約束事がまるでなっていない印象。守備時のチャレンジ&カバーは鉄則だと思うけど。

まあでも、クリンスマンを非難する気にはなれないかな。2年前のEUROで、出場国最弱のレッテルを貼られてグループリーグ敗退したチームに比べれば遥かに魅力的。ラインを上げて攻撃的なサッカーを目指す限り、失点のリスクが増えるのはある程度仕方がない。世界クラスのDFはドイツにはいないわけだし、守備的にいったら得点出来ないかもしれない。安易に引いて守ってカウンター狙いの「弱者のサッカー」を志向せず、ドン底のドイツに攻撃的なサッカーを植え付けたのは好感が持てる。ベスト8に行けば上出来でしょう。


コスタリカ:5-3-2→3-4-1-2
ポッラス;マリン、ウマーニャ、L・ゴンサレス、マルティネス(67分J・ドラモンド)、フォンセカ■、M・ソリス(78分ボラーニョス)、センテノ、セケイラ、R・ゴメス(91分アソフェイファ)、ワンチョペ

コスタリカは元々の実力を考えると健闘した方でしょうね。通用した攻撃はワンチョペの裏狙いのみ。そのワンチョペがチャンスを確実に決めて2ゴールしたのは見事だったけれど、個々の攻撃構成力も低く、ボールを引き出す動きの質・量もないから、攻撃しようにもドイツのプレスに潰されてしまう。守備もザル過ぎ。グループリーグ突破は厳しいし、突破出来てもベスト16止まりでしょう。

エクアドル 2-0 ポーランド
24' C・テノリオ 80' A・デルガド

ポーランド
ボルツ;ヨプ、バシチンスキ、ボンク、ジェブワコフ、ソボレフスキ(67分イェレン)、クシヌヴェク(77分コソフスキ)、シムコヴィアク、スモラレク■、ラドムスキ、ジュラフスキ(84分ブロジェク)

エクアドル
モラ;デ・ラ・クルス、ウルタード■(69分グアグア)、エスピノサ、レアスコ、E・メンデス■、S・カスティージョバレンシア、E・テノリオ、A・デルガド(83分ウルティア)、C・テノリオ(65分カビエデス

POL-ECU:試合レポート(FIFAworldcup.com)
「エクアドルの鉄壁4バック」(FIFAworldcup.com)
エクアドルが実践した“引いたプレッシングサッカー”(スポーツナビ

両チームとも初戦で慎重になったのか*4、守りに比重を置いていた。攻撃は前線の4枚中心で、ボランチの攻撃参加はほとんどない。エクアドルは右SBデルガドの攻撃参加が目立ったけれど、ポーランドはSBの攻撃参加もあまりなかった。そしてどちらも守備を数的不利でも崩せるようなタレントはいないので、試合は膠着した時間帯が多くなった。

鍵になったのはエクアドルの先制点。こうなると典型的なリアクションサッカーポーランドは厳しい。守りを固めて、相手を引き出してカウンターを狙うゲームプランが崩れてしまった。受動的な堅守速攻には定評があっても、自分達から能動的に崩していく攻撃力はなかった。カウンターで2点差にされた後は、気持ちが切れてしまったように見えた。2度あったバーとポストの直撃など運も悪かった。

逆にエクアドルはカウンター狙いの相手に対し、そこまで攻撃的に行かず、リスタートから先制した後は守りを固めてカウンター狙い。リトリートしてライン設定は低めながらも、全体はコンパクトな布陣を保ち、バイタルエリアでは良くプレスを掛けていた。そのゲームプランが見事にはまった格好。


番狂わせと言われてるけど、元々チーム力は互角でしょう。エクアドルが高地でしか勝てないと言うのは早計過ぎる。確かにアウェーでは勝率が悪いけど、南米予選のアウェーで勝率を稼げるチームは極僅か。幾ら高地アドバンテージがあったとはいえ、真剣勝負のWC予選でブラジルとアルゼンチンに完封勝利した実力は侮れなかったはず。守備組織はかなりの物。これでベスト16に大きく近づいた。それより上は難しいと思うけどね。

*1:試合内容がつまらなくて寝たわけではなく、前日の朝が早くて疲れていたから。

*2:特にSHのシュバイニーが中に絞って、外をSBのラームがオーバーラップする左サイド攻撃は良かった。どちらも右利きの左サイド。

*3:ラインを上げるサッカーやるなら、ブンデスで一番そういうサッカーやっているブレーメン勢を呼んだら良かったのに。なあオヴォモエイラ。

*4:序盤は実質ホームのポーランドがアグレッシブな姿勢を打ち出して圧倒したけれど。