ノースロンドンダービー
プレミアシップのCL出場権を懸けた熾烈な4位争いは、4位スパーズと5位アーセナルの直接対決。両チームの勝ち点差は4。ただし消化試合はアーセナルの方が一試合少ない。地力での出場権獲得のために勝利は必須。
若手の急成長と守備の安定で現在CL4強と大躍進を遂げたアーセナルだけど、今シーズンの成功は次回のCL出場権*1を取れるかに懸かっている。もし逃したら、アンリやアシュリーなどの主力の離脱が予想され、せっかく過渡期を抜け出したチームをまた新たに作り直さすハメになる。アーセナルにとってこの試合はCL準決勝より重要かもしれない。
アーセナル：
レーマン；ジュールー、センデロス（54分エブエ）、コロ･トゥーレ、フラミニ、ピレス、ジウベルト・シウヴァ、ディアビ（62分セスク）、レジェス、アデバヨール、ファン・ペルシー（62分アンリ）
トッテナム：
･ロビンソン；スタルテリ、ドーソン、ガードナー、李栄杓、A･レノン（77分D･マーフィー）、キャリック、ダーヴィッツ（85分退場）、タイニオ、デフォー、ロビー・キーン
結果はドロー。アーセナルにとっては最重要視される試合で痛恨のドロー。一方のスパーズにとっては御の字か。ただ試合のペースを握っていただけに勝っておきたかった所ではある。
アーセナルが勝てなかった最大の要因は選手層の薄さ。これはプレミアとCLを同時進行する過密日程に置いて致命的だし、怪我による主力離脱にも弱く、これまでのリーグ戦での低迷の理由でもある。ベンゲルはベテラン放出して若手ばっかり取るから、経験豊富な選手がチームに少ない。
選手層が薄いから、この試合のようにアンリ、セスク、リュンベリ、フレブ、エブエら主力を温存すると途端にチーム力が下がってしまう。ここがチェルシーやバルサとの差。アデバヨール、ファン・ペルシーというほとんど実績のない2トップ*2、他にも中盤や右SBにプレミア経験の浅い若手のディアビとジュルーを使わざるを得ない。
急造2トップはあまり見せ場を作れず、フレブのドリブルとエブエのオーバーラップを失った右サイド攻撃も機能しなかった。中盤でのセスクの状況に応じたプレーに比べると、ディアビは強引に仕掛けるなど中盤に落ち着きを与えられない。好調時のアーセナルからは程遠い出来で、スパーズに試合のペースを握られてしまった。
全体的にスパーズが試合を有利に進めて、選手の交錯で試合の流れが止まりかかった隙をついて先制点を奪取*3。スパーズでは十代のレノンが相変わらず切れていた。メッシ、セスクと同じ脅威の87年生まれ。まだこの二人に比べると無名だけど、近いうちにブレイクするでしょう。
その後もスコアは変わらず、このまま勝負あったと思いきや、CLを見越して温存されていたアンリが、84分に左サイドから持ち込んだアデバヨールのパスから右足アウトでゴール右隅に決めた。数少ない出場時間で仕事をしたアンリの決定力は凄い。その後にオランダ代表に復帰したダービッツが退場*4し、アーセナルは猛攻を仕掛けるも、そのまま痛恨のドロー。
結果論で言うと、主力を温存したベンゲルの決断は失敗だったといえる。でもここでアンリやセスクら主力を酷使して、三日後のCLに影響が出るのを恐れたベンゲルの気持ちも分かる。やはり重要だったのは、自分達のペースだったビジャ・レアルとの第1戦で、1-0で満足せず2点差以上のスコアで勝負を決しておくべきだったという事でしょう。あの試合で数ある決定機を逃さず決めておけば、この試合で主力を温存しないことも可能だったはず。それが悔やまれる。
2チームとも好チームだけど、どちらかというとアーセナルの方をCLで見たいし、アンリに他チームに移籍して欲しくない*5ので、何とかアーセナルに頑張ってほしいところ。ただスパーズがCL出場権を獲得しても異論はない。一番可哀想なのは、スパーズがプレミア4位以内に入ったのに、アーセナルがCL優勝してしまうパターン。これはスパーズからすると悲劇。
あと、粕谷は基本的にアーセナルの試合は解説しない方が良いね。元々毒舌が売りだけど、アンチ・アーセナルのマンUファンだから、アーセナルには必要以上に手厳しい。チェルシーやリバプールにはそうでもないに。同じマンUファンでも高木さんなんかは割と中立的だったんだけど。個人的には好きでも嫌いでもないけど、プレミア以外の事だとかなり頓珍漢な事を言うので*6、CLでもプレミア対決以外はあまり解説して欲しくない。
