週末の試合


久しぶりに各国海外リーグも書いておくか。最近ここでは書かなくなったけど、普通に継続して見てはいます。ただ各リーグとも首位が早くに独走してしまって*1、優勝争いが盛り上がらず、例年のおもしろさがないのが現状。CL圏内争いの方がまだおもしろい。

イタリアのビッグ3に次ぐ立場の2クラブであり、CL出場権をかけた4位と5位の直接対決。そしてプランデッリスパレッティという、次期イタリア代表監督候補、あるいはビッグ3の監督候補でもある、優秀な指揮官同士の一戦。両チームとも4-2-3-1というシステムであってもチーム戦術は随分違っていて、どちらも選手個々の特徴を踏まえたもの。

ローマは今シーズンのセリエAで一番おもしろいサッカーをしているチーム。シーズン序盤は噛み合わなかったものの、知将スパレッティが見事に立て直した。トッティ・1トップの4-2-3-1の機能美は圧巻だった。本来トップ下のトッティは、異常なキープ力と周囲を活かすダイレクトパスを活かして1トップで素晴らしいプレーを披露していただけに、怪我による長期離脱が惜しまれる。WCに間に合うか気がかりだ。

トッティが骨折で離脱した後は勢いが落ちるも、選手個々の特徴を活かした高質なサッカーを展開している。個々が連動したパスワーク、ポジションチェンジを連鎖させた流動的な攻め、スペースへの献身的なフリーランが織り成す連動性。長身ポストプレーヤーがいなく、クロスに合わせるのが巧くない1トップで4-2-3-1やるなら、ぜひとも今のローマのサッカーを見習って欲しい。4-2-3-1だからといって、前線に1トップのFW一人だけなんていう孤立状況は少ないし、サイドから安易に可能性の低いクロスになんて拘らない。

ヴィオラはエースであるトーニという「前線の個」を最大限生かすというプランデッリらしいチーム。まず最前線のトーニに当てて、そこから展開していき、最後はトーニに点を獲らせる。トーニへのサポートの意識が秀逸。ローマに比べて流動性や連動性はないけど、今のヴィオラの戦力でこの順位が保てるのは*2、トーニというチーム№1のタレントを最大限に活かすサッカーに徹しているから。これはこれで一つの完成系。

試合は開始1分にヴィオラがトーニのゴールで先制するも、全体的にローマペースだったけど、ヴィオラも要所要所でトーニを中心にして攻める。ヴィオラホームで0-0は両チームのパフォーマンスを考えると妥当なもの。今後も激しい4位以内争いが展開されるでしょう。どっちが出ても放出がなくさらなる補強が出来ればかなりおもしろいと思う。

イングランドの4強に次ぐ立場の2クラブであるけど、CL圏内を狙える位置にいる好調スパーズと、スーネス効果を引きずり今シーズン不調のニューカッスルの対戦。
これはスピーディーでおもしろかった。久しぶりに良いニューカッスルを見せてもらった。中盤の大黒柱パーカー不在でボウヤーが奮闘、エムレも持ち前のキープとパスセンスを見せ、左の新星エンゾグビアもボールを受けて積極的に走り躍動していた。エンゾグビアいるなら、大金出してルケを獲る必要なかったのに。
そしてシアラーのポストプレーと存在感。引退するのが勿体無いどころか、ファーストトップ不在のイングランド代表に復帰してもらいたいくらい。シアラーとルーニのコンビは、かつてのオーウェンとのコンビ以上のポテンシャルがあると思う。今のイングランド代表はスピード型セカンドトップばかりで、最前線でタメを作れてクロスに合わせるのが巧いタイプがいない。エリクソンはマスコミの演じたアラブ富豪と密談する暇あったらシアラー口説けよ。

新城は選手の質を考えればこれくらい出来て当然。下位に低迷しているのが信じられない。なぜ早くにスーネスを切れなかったのか、その点が悔やまれる。スーネスがシーズン前に費やした莫大な補強費をまともな監督に使わせていれば、CL圏内争いも夢ではなかったと思う。せっかくのシアラー最終章なのに。

スパーズは後半持ち直したけど、結果的には完敗に近かった。ただここ最近の筋が通った補強策のおかげで、以前の負の連鎖からは見事脱却しつつある。運動量のダービッツ、展開力のキャリックという中盤のバランスも良い。
ただアーセナルが絶好調なので、CL圏内入りは厳しくなってきたし、現状ではCLに出ても苦戦は必至。資金力はかなりあるし、何気に若手王国なので今後に期待かな。ゴールを決めたレノンは活きが良いね。メッシ、セスクと87年生まれは逸材が多いよ。

近年稀に見る凡戦。早い時間帯でマドリーに退場者が出た事と、怪我人続出のバルサがCLを前後する日程で気合がなかった事が大きく影響した。第三者的立場としてクラシコはおもしろくあって欲しいので、両チームとも強い状態で試合が見たい。マドリーは早く復活しないかしら。

*1:セリエAはユーベ、リーガはバルサ、プレミアはチェルシーリーグ・アンはリヨン、ブンデスバイエルン。熾烈な優勝争いが何もない。

*2:昨シーズンは最終節まで残留争い。そしてオフにチームは選手の入れ替わりが激しく全くの別チーム。それをCL圏内争いをするまで押し上げるプランデッリの手腕は並ではない。