準々決勝2日目
◇リヨン 0−0 ACミラン
オリンピック・リヨン
クーペ;クレルク、クリス、カサッパ、アビダル、ティアゴ、M・ディアッラ、ペドレッティ(68分クレマン)、マルーダ、ヴィルトール、カリュー(63分フレッジ)
ミラン
ジーダ;コスタクルタ(62分マルディーニ)、ネスタ、カラーゼ、セルジーニョ、ガットゥーゾ、ピルロ(85分フォーゲル)、セードルフ、カカ、ジラルディーノ(62分F・インザーギ)、シェフチェンコ
序盤はミランペース。久々に相手が強豪ビッグクラブ、そして攻撃の軸であるジュニーニョ・ペルナンブカーノの不在で浮き足立ってしまったのか、カカやシェフチェンコのスピードに振り回される。シュートチャンスを多く作られるも、何とかクーペの好セーブで難を逃れる。ミランとしてはこの時間帯で先制点が欲しかった。
時間が経つに連れてリヨンも落ち着いてきて、後半に入ると完全にペースを握る。ミランは中盤を制圧されながらも、決定的なシュートシーンは許さず、何とか水際で凌ぎきった。ジュニーニョを欠きながらアウェーゴール0に押さえたリヨン、押し込まれながらアウェーをドローで凌ぎきったミラン、両者にとってはけして悪くないスコアレスドローだろう。
- リヨン
この試合はリヨンの軸であるジュニーニョ*1不在という事が大きなファクターだったわけだけど、序盤以外は不在の穴をそれほど感じさせなかった。リヨンというのはけして特定の個に頼るワンマンチームというわけではなく、選手個々の能力を最大限発揮するための組織力を有するチーム。チームの主力一人がかけても大崩れしないところは流石だった。
とはいえジュニーニョが戻ってくればチーム力が高まる事は事実。第2戦に向けて期待は高まる、と思いきや今度はチアゴが終了間際の警告により出場停止。今シーズンのリヨンはジュニーニョとチアゴの中盤でのコンビがチームの中心。エッシェンをチェルシーに引き抜かれながらもチームが大崩れしなかったのは、代役としてチェルシーからチアゴを適正価格で引き抜けたことが大きい*2。この試合でジュニーニョの代役を務めたペドレッティがまた起用されるんだろうけど、プレーを見るとレギュラーメンバーとの差は感じられる*3。ペドレッティの奮起が期待される。
最近は復調しつつあるミランだけど、やはり全盛期の強さが戻ってきていない。長くなるので省略するけど、やはりカフー不在の影響が大きく*4、ジラルディーノもまだ完全にフィットしていない*5。
ただしミランとしては得意ではないCLアウェーをドローで終えた事はけして悪くない。ホーム・サンシーロでの強さは結果が証明している。1-1では敗退決定、勝つために前半から勝負をかけたい。ディアッラの封じ込まれたカカーがどう局面を打開するのか、ピルロのゲームコントロールの出来、そして絶好調男ピッポの神通力に期待がかかる。
両チームとも得点を狙いに行くと思うので、第2戦はかなりの好ゲームが期待出来る。予想は一番しづらいカード。先制点を奪った方が優位に試合を進められるのかな。
インテル
トルド;サネッティ、イバン・コルドバ、サムエル、ウォメ、スタンコヴィッチ(82分キリ・ゴンサレス)、ベロン、カンビアッソ、セザル(69分マテラッツィ)、レコバ(28分マルティンス)、アドリアーノ
ビジャレアル
ビエラ;ハビ・ベンタ、G・ロドリゲス、J・ペーニャ、ソリン、アルソ(60分キケ・アルバレス)、カジェハ(87分カソルラ)、マルコス・セナ、リケルメ、ホセ・マリ(76分フランコ)、フォルラン
*1:無回転フリーキックばかりが取り上げられるけど、長短とも正確なパス精度、絶妙なチェンジ・オブ・ペースによるゲームコントロール、基本に忠実なパス&ゴーなど、セットプレー以外での貢献度も高い世界屈指のプレーメーカー。
*2:むしろエッシェンの移籍金との差額を考えると、この金銭トレードは大正解だったと思う。守備面や運動量ではエッシェンの方が上手だけど、シュートやゲームコントロールの妙では上回る。
*3:展開力という点では良くても、パス&ゴーやシュートの意識が足りない。
*4:ポゼッションに貢献していたサイドからのビルドアップが少なくなり、SBの攻撃参加がなくなったため右サイド攻撃も少なくなっている。代わりにセルジーニョを左に配しているけど、守備面やビルドアップの面でカフーに劣る。クロスは一試合に一回凄いのを放り込むけど。去年は不安定だった守備面は、ジーダの復調とカラーゼ&ネスタのCBコンビで安定してきた。