日本人の海外移籍

イタリア・セリエAレッチェがF東京の日本代表候補MF今野泰幸(23)の今冬の獲得を断念したことが24日、分かった。レッチェのアンジェロッツィ強化部長が「今回の移籍はなくなった。今は違った展望を持っている。EU圏外の選手を獲得しないことを決めた」と語った。
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/soccer/jan/o20060124_70.htm

残念。中盤の選手層とジーコの序列を考えると、日本代表としてはWCメンバー23人に入るのは難しいと思われる。リスク承知で海外移籍して、セリエAで活躍すればメンバー入りにチャンスも上がると思ったんだが。怪我していなかったら正式オファーが来たかもね。評価されているのは間違いないだろうから、状況次第ではまたオファーが来るでしょう。
FC東京にとっては大助かり。彼の代わりになる存在はいない。今野の移籍を見越してなのか中盤には伊野波も補強したし、選手層は昨年よりましになった。昨年後半の梶山の充実は素晴らしかったし、今野との中盤のコンビはJリーグ屈指のポテンシャルを秘めている。なかなか手強い相手になりそうだ。

Jリーグ1部(J1)鹿島の日本代表FW鈴木隆行(29)が、セルビア・モンテネグロの名門レッドスターに2年契約で移籍することが25日までに決まった。鈴木はこの日、レッドスターの本拠地ベオグラードに出発した。身体検査を経て正式に契約を結ぶ予定。 レッドスターは1991年、欧州チャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)とトヨタカップを制覇。J1の名古屋で活躍した、クラブOBのストイコビッチ氏が会長を務めている。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jtoto/headlines/20060125-00000028-kyodo_sp-spo.html

当初はネタかと思われていた鈴木のレッドスター移籍が内定。
東欧事情に詳しいライターの記事を読むと、レッドスターはピクシーの会長就任より、トヨタなどの日本スポンサーを得たとの事だ。恐らくジャパンマネーが大きく関っているんだろう。
ただしジャパンマネーはマイナス要素だけではない。実力を証明すればいいだけ。レッドスターのフロントの鈴木評を見る限り、鈴木のプレースタイルを勘違いしているような気がしたけど*1、加入すれば何とかなるでしょう。セルビア・モンテネグロリーグのレベルは高くないだろうから、活躍する可能性も無きにしも非ず。ただしジキッチからレギュラー奪取するのは無理だ。
代表への影響はどうなるんだろうか。ジーコの信頼はゴールを決めても決めなくても厚い鈴木。できれば平山を優先して試して欲しいんだけど。

この移籍は鹿島にとってそれほど痛くないと思う。昨シーズンは、アレックス・ミネイロのコンビとして、鈴木より野沢や本山が出てきた方が遥かに怖かった。
特に野沢は急成長を見せた一人*2。鈴木の90分平均得点0.17に対し、野沢は90分平均得点0.64*3。得点力だけでなく、テクニカルで前線から中盤まで流動的に動ける彼の方が、昨年の鹿島のサッカーに合っている。前線に怪我人が出なければ影響はないだろう。
完全移籍で違約金ももらえたとしたら鹿島にとっては美味しい話だったのでは。

     前田
   寿人  野沢
相馬        太田
   鈴木 長谷部
  前田 岩政 深谷
     藤ヶ谷

予想外の強力メンバー。ほぼ全員がJリーグのレギュラー選手。五輪出場メンバーと比べてもあまり見劣りしない。左サイドとGKでは上回っている。ただし山本監督の目指す放り込みサッカーには全く適さないメンバー構成。

*1:なんかスピードのあるセカンドアタッカーとか評価されてたぞ。足下もしっかりしてるとか。視察したのか?

*2:彼はアテネ世代立ち上げ時には中心選手として期待されていた。立ち上げ当初のSBSカップでは1番目立つプレーをしていて、ジュビロの前田と共に評価が高かった選手。その後2人とも伸び悩んで、アテネメンバーにも外れてしまったけど、昨年のこの二人の成長は際立っていた。佐藤寿人もそうだけど、昨年はアテネ世代落選組みの充実が目立った。相馬と太田の両サイドにしても、アテネ五輪代表のサイドも見劣らない。下のほうで落選メンバーベスト11を作ってみよう。

*3:これはJリーグ全体でも上位の成績