入れ替え戦

柏レイソル 2 - 6 ヴァンフォーレ甲府
得点者:'10 バレー(甲府)、'27 バレー(甲府)、'52 レイナウド(柏)、'53 バレー(甲府)、'68 バレー(甲府)、'69 バレー(甲府)、'86 宇野沢祐次(柏)、'87 バレー(甲府


柏は個人技頼みで、チームとして何も機能していなかった。ブラジル代表経験者がいて、欧州トップリーグで実績のある助っ人がいて、日本代表経験者がいて、年代別代表経験者もいる柏。そしてほとんどが華やかな経歴とは無縁の甲府。確かに個々の能力は甲府の方が劣るかもしれないけど、柏はブラジル代表でも何でもなく、そこまでの大差はないはず。

そんな柏が寄せ集めのチームのように振る舞えば勝てるわけがない。ボールを持ったらフォローなく孤立して奪われ、守備でも組織としての連動はない。逆に甲府は、選手がボールを持ったらパスルートを確保するために走るとか、柏がボール保持したら一人だけでなく数人で囲みにいくとか、サッカーチームとして極当たり前の事を忠実に遂行していた。入れ替え戦に向けてのに気持ちでも甲府が上で、その差が試合内容に現れた。

リードされたら柏はリスクがあっても攻めなければならず、数的不利もあってスペースを甲府に突かれまくり。甲府の効果的なカウンターに対して、数的不利をカバーするようなチーム力は柏にはなかった。土屋がいくら頑張ろうが、もう後半はどうしようもないでしょ。チーム状態に差がありすぎる。たとえバレーが柏にいてたとしても、ダブルハットトリックすることは絶対になかった。

なんか、傑出した個人技とか個人戦術もないのに、急造の代表チームのように個人だけでサッカーをしようとするチームの末路を見た感じ。ブラジルのように傑出した存在なら許されるけど、それ以外はサッカーチームとしての約束事を当たり前に遂行し、チームとして組織を熟成させなければ駄目。他人事ではないですな。

甲府は昇格に相応しいチームだった。守備には不安があるし、選手層や甲府という地理上の問題でJ1ではかなり苦労するだろうけど、入れ替え戦2試合のサッカーを出来れば十分通用すると思う。藤田健、倉貫、松下は古巣ジュビロとの対決ですね。お手柔らかに。甲府は苦手としている運動量豊富で速い攻めのサッカーをしてくるし、既に放出を後悔するような絵が浮かぶ…。ユース出身の藤田はオファー出すべきと思ってたけど、昇格したのでそれはないですな。

柏は日立をバックに豊富な資金があって、経験豊富なベテランや前途有望な逸材もいるのだから、新監督の元でしっかりチームを作り上げれば1年で戻ってくるでしょう。ただ主力の流出は避けられないか。日本代表経験者の玉田、明神、永田あたりはオファーが間違いなく来る。特に来年のWCを目指す玉田は移籍しなければ23人に残れないかもしれない。外国人選手も移籍濃厚か。

それにしてもあのフランサが極東の2部チームに負けて降格する憂き目に合うとは。日本を舐めきってたのか、怪我の影響が大きかったのか、Jリーグで通用するレベルになかった。来シーズンはどこにいくんだろう。柏はドゥドゥマネーを生かせなかったですな。