シュルトさん

前評判通りの圧倒的な実力でK-1GPを制したセーム・シュルト。3年前に立ち技ルールで王者ホーストを完封した時点*1で、既にK-1最強説が根強かったので、今さら驚く事でもないですな。3年前に謎のGP直前負傷欠場をしなければ、1回戦でサップを軽くKOして優勝争いをしていたと思う。準決勝以降のKO劇の続出するK-1GPは、久しぶりにおもしろいモノだった。シュルト万歳。

まさに圧倒的な強さだった。スタンド状態での何気ない膝が、同じヘビー級戦士の顔面に届く恐ろしさ。膝や蹴りが武器のボンヤスキーグラウベでは勝ち目がなし。今後もこの序列は変わりそうもない。シュルトの牙城を崩すとしたら、体格的ハンディが最小限で、シュルトの不得意とするボクシングテクで上回れる選手。

体格的ハンディが少ないだけのホンマンといった色物系では歯が立たないだろうし、パンチがシュルトより巧くても、セフォーのように背が低いとリーチ差からパンチが届かないし、膝の餌食になってしまう。そうなると以前完全KO勝ちしたイグナショフが最右翼か。バンナにもチャンスはあると思ってたけど、GPでのアーツ戦を見るとパンチ力が衰えてしまっていて厳しいと思う。

今ミルコとやったらどうなるんだろう。身長差からミルコが得意のハイキックをクリーンヒットさせるのは至難の業。ファイトスタイルからしても、立ち技ルールではシュルト有利、総合ルールでもテイクダウンを自ら狙わないミルコはかなり苦労しそう。実力がずば抜けているヒョードルを除いたら、ミルコにとってスタンドで打ち勝てないシュルトは一番の天敵。ただシュルトは長身で腰が軽いので、テイクダウンとグラウンドを得意とする総合格闘家には勝てないと思う。ハリトーノフやジュシュには勝てない。

http://www.so-net.ne.jp/feg/k-1/fighters/semmy_schilt.htm
ところでK-1オフィシャルサイトのシュルトのプロフィールを見てみると、最近30試合の戦績としてPRIDEで勝った試合は載せているくせに、ヒョードルノゲイラハリトーノフに敗れた成績がなかった事にされている。立ち技ルールでイグナショフにKO負けした記録も載っていない。これは意図的でしょう。ネットで検索すればすぐわかる時代に、今さらこんな手の込んだ事をする意味はないと思うが。シュルトもプロテクトされるようになったという事か。

PRIDE
これでPRIDEは、ハリトーノフノゲイラを持上げる紹介VTRが作り易くなったと思う。「最強K-1王者から関節一本をとった柔術マジシャン」、「最強K-1王者を血みどろに撲殺したロシア軍人」みたいにね。これを機に、K-1で冷遇されているイグナショフも引き抜いたらどうかな。

司会者からシュルトに対してのコメントを求められたホーストは、予告なしでいきなりの宣戦布告。会場がざわめく中、これに対しシュルトも「私が新しい王者になったからと言うわけではなく、アーネストとは試合をしたいと思っていた。もちろん、やりましょう」と、新王者として堂々と受けて立つことを宣言した。このやり取りに、イベント会場に足を運んだファン全員も一斉に拍手で支持。司会者が「大みそかシュルトホースト、決まりでいいですか?」と谷川プロデューサーに同意を求めると、「いやあ、その辺はまだこれから調整していかないと……」と苦笑いで即決を避けたが、これだけ新旧王者双方ともが希望しているだけに、この対決はグッと現実味を帯びてきたと言ってもいいだろう。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/column/200511/at00006710.html

ホーストが衰える前に試合をして完封してるんだから、今さらやっても当時より遥かに成長しているシュルトの圧勝でしょう。それでも判定までいく地味な試合になりそうなので、大晦日知名度のあるホンマンと巨人対決をやって、派手なKO劇を見せた方がシュルトのプロモーションになって良いかも。

*1:なぜか判定ではドローだった