千葉vs磐田

[得点]25分:阿部勇樹、34分:佐藤勇人、61分:前田遼一(磐)、72分:太田吉彰(磐)


流石に今日は勝てると思っていたが甘かったようだ。1週間で120分の激闘を2試合も余分に戦っているチーム*1に勝てないなら、一体どういう状況でなら勝てるんだろう。
前半に2-0にされたのが現在の実力でしょう。押し気味の内容で追いつけたのは、後半に過密日程のジェフの足が疲れで完全に止まったのが大きい。お互い似たような状態ならまず追いつけなかった。
今のジュビロが対等に戦ってジェフに勝てる絵が思い浮かばない。相手から主力選手を2人も引き抜いたにも関らず、両チームの間に横たわるこの差は何なんだろう。監督の力量差は当然として。
気持ちを込めて戦ってくれた選手が多かったのは救いか。茶野と村井にはジェフ以上にタイトルを取らせて上げたいと切に思う。それにはこのままでは難しいとも思うが。
試合レビューは省略で。

山本昌邦監督
少しずつ、今シーズンだけではなくて来シーズンに向けて若手の手応えも日に日に高まっているので、このムードを大事にしていきたいと思います
http://www.jsgoal.jp/club/2005-11/00026050.html

去年からうわ言の様に繰り返す「来シーズンに向けて」とか、いい加減もう聞き飽きたんですが。契約期間の3年間もそれを言い続けられたとしたらたまらない。

チーム自体は置いておいて、良かった選手について。

エース前田の復帰はめでたい。よく走ってボールを引き出したり、身体を張ってくさびのプレーをこなし、相手のDFラインを下げる事に貢献大。復帰早々に反撃の狼煙を上げるゴールは頼もしい限り。前線で基点になれる前田が入ったことにより、後半は攻撃がスムーズに行くようになった。まだ万全ではないらしいので、優勝も降格もなくなったリーグ戦では慎重に使っていきたい。

村井も古巣相手に得意の高精度クロスで見事2アシスト。それ以外はそこそこだったけど、ここ最近になってようやくチームにフィットしてきたと感じる。
開幕前に高額な移籍金と引き換えに鳴り物入りで加入した村井。ジュビロに来て始めて代表に召集されたので、順調にステップアップしたような印象を持たれがちだけど、序盤はジェフとジュビロのカラーの違いに明らかな戸惑いが見え、昨シーズン以前のプレーと比べると大分精彩を欠いていたと思う。

例えば村井がサイドでボールを持ったときに、ジェフではフォローのため外を追い越す選手がいる。中央から綺麗に崩す意識が強いジュビロでは、ライン際でのフォローがあまりないので、クロスを上げるためにはドリブルで独力打開をしなくてはならない。そのためサイドで孤立する事が多く、チームの歯車としては機能していなかった。

それに村井がサイドから得意のクロスを上げたくても、ジェフではクロスを予期してペナ内に飛び込む選手が複数いるのに対し、ジュビロの選手の大半はペナ内に飛び込むというより、ショートパスをもらえる位置に近寄って、そこから派生するワンツーなどで綺麗に崩す事を好む。村井の得意とするスタイルに、ジュビロの戦術と選手の特長が噛み合っていなかった*2

最近になってようやく村井もジュビロ特有のスタイルに慣れてプレーの幅を広げてきたし*3、他の選手も徐々に村井の特徴を理解してプレーするようになってきた。村井のクロスに反応してニアに飛び込んだことにより生まれた前田のゴールはその賜物。ああいう村井の良さを引き出すプレーが、これまでのジュビロには欠けていた。
欲を言えばもっと積極的にゴールを狙っても良いと思う。ペナ付近でも味方に預けるプレーを選択肢がちで、シュートが少ない。サイドから利き足でのクロスだけでなく、内に切れ込んで右足でシュートを打つ必要もある。やればできると思うので、代表ライバルのサントスをリーグ戦の活躍度で圧倒するくらいのプレーを見せて欲しい所。
あと西は相変わらず凄い。気迫も十分。あの奇想天外なオーバヘッドパスは西にしか出来ない。

*1:しかも選手層の薄いジェフにとって代わりがいないDFリーダーの斎藤も累積警告で欠場

*2:そもそも監督の構築するチーム戦術はどうなっていたんだろう。今も選手個々が好き勝手にプレーしている印象が強く、いつまでたっても組織力の向上が見えてこない。もうシーズン終盤ですよ。

*3:攻撃の組み立てに絡んだり、中に切れ込んでのプレーもこなす様になってきた。