第30節

優勝争いはレッズ、ジェフが勝点50でほぼ脱落、ガンバ(57)、鹿島(54)、セレッソ(53)の3チームに絞られたか。
残留争いは新潟(36)、名古屋(35)、大宮(34)、清水(32)、柏(31)、ヴェルディ(26)、神戸(21)。
まさか名古屋がここに絡んでくるとは。ACL出場予定のヴェルディはかなり厳しい。神戸は降格がほぼ決定。
残りは4試合。

◇G大阪 2−1 浦 和
[得点]29分:フェルナンジーニョ、83分:アラウージョ、85分:三都主(浦)

  • ガンバ

優勝に向けて大きな勝ち点3。過酷な過密日程の中、こういう重要な試合を落とさなかったのは大きい。鹿島が取りこぼしたので勝ち点差は3に広がった。初優勝に向けて大きな前進。
ガンバで目立った選手はやはりアラウージョフェルナンジーニョ。二川と遠藤もこれによく絡んでいた。大黒は少し不調気味。
フェルナンジーニョは機敏なドリブルテクでレッズの選手を翻弄し、中盤でのプレスを何度か無効化してしまった。坪井をドリブルで手玉にとっての先制ゴールは見事。カバー役のトゥーリオまで裏をかかれた見事な個人技だった。
アラウージョはカウンターから浦和のDF陣をドリブル突破でぶち抜いて決勝ゴール。カップ戦120分×2の過密日程を苦にもせず、足が止まるはずの終盤に、快速DFの坪井にファウルすら許さない局面打開力は特筆に価する。

  • レッズ

ボランチの鈴木が欠場のレッズは、いつもの3バックに、山田・酒井・長谷部の3ボランチ、両翼が永井とサントス、トップ下がポンテ、1トップがマリッチという新システム。無理やり4分割で表記すると3-3-3-1かな。世界を見渡しても今やあまり見ない形。ガンバの強力な攻撃陣を3ボランチで押さえようとしたんだろうけど、これが攻守に中途半端で機能せず。
ポストプレーヤーマリッチの1トップなら、後方からの攻撃参加が重要なのだけど、トップ下のポンテは当然として、あとはCBトゥーリオ*1位しか、1トップを追い越してエリア内に進入してくるような選手がいなかった。3ボランチの誰かがもっと積極的に攻撃に絡む必要があったと思う。前線で孤立したマリッチとポンテはガンバの守備陣に封じ込まれてしまった。
トゥーリオは機能しない攻撃に痺れを切らしてひたすら上がり続ける。終盤はDFの仕事を放棄して前線に張り付いていた。確かに彼の攻撃参加は魅力的なんだけど、それによって生じる穴をチームとしてカバー出来ていない。案の定、トゥーリオ不在で手薄になった守備陣がカウンターの餌食に合い突き離されてしまった*2
ブラジル人助っ人2人の機動力とテクに翻弄された今日の坪井の出来は散々だった。この2人以上のアタッカーがごろごろいるWCでは、この調子だと心許ない。一度、坪井の代わりにトゥーリオを呼んで欲しいんだが。短気な精神面や攻撃過多のプレースタイルからリスクは大きいけど、あのフィジカルと攻撃力は魅力的なので、ぜひ経験を積ませてみたい。シジクレイに競り勝つヘッドは他にはない武器。
これでレッズは首位ガンバと勝ち点差7で優勝戦線から脱落。のこり4試合での逆転はかなり厳しい。

東京V 0−1 C大阪
[得点]88分:古橋達弥

ヴェルディの調子が意外にも良くて驚いた。4-4-2へのシステム変更が功を奏したか。

西澤、ゼ・カルロスファビーニョといった中心選手を欠いたセレッソ相手に、ヴェルディが小気味良いパスサッカーで試合の大半の主導権を握る。しかもセレッソの先に退場者が出て数的有利の状況。しかし再三のチャンスを決定力不足で逃し続け、試合終了間際に古橋のFKを決められて痛恨の敗北。

ヴェルディの得点源であるワシントンにはマークが集中してしまうので、他の選手がもっと頑張らないといけない。攻撃が機能して決定的なシーンはけっこうあったけど、尽くシュートをはずしてしまった。ジウや平本は一度くらい決めないと。中盤もパスで崩す意識が強すぎて、得点を取る意欲が少ない。

今日はパスも良く繋がって攻撃はわりと機能していたけど、最後の決め手はワシントン頼みの印象が否めなかった。これではワシントンがゴールしない=勝てないになってしまう。

セレッソは主力不在でも、悪いになりに勝ちきる所に成長の後を感じる。昨シーズンに残留争いしていたチームとは全く別。古橋のワンチャンスを逃さない集中力は見事。ウエディング・ゴールおめ。アマチュアから2年でここまで上り詰めたのは正直凄い。

◇鹿 島 1−1 F東京
[得点]17分:岩政大樹、42分:今野泰幸(F)

鹿島は手痛いドロー。ダイジェストでは鹿島がシュートを乱発していたけど、土肥がまたしても神がかっていた。今は川口も楢埼も好調ではないし、代表GK争いは土肥にもチャンスが出てきそう。
今野は値千金の同点ゴール。密集地で慌てずよく押さえた見事なシュートだった。茂庭が負傷した後は、CBに入って無難にプレーしたようだ。MFとしての運動量や守備力は申し分ないし、このユーティリティ性も魅力的。代表にぜひまた呼んでほしい選手の一人。今シーズン怪我人が続出した東京は今野にかなり助けられていると思う。

◇千 葉 2−2 磐 田
[得点]25分:阿部勇樹、34分:佐藤勇人、61分:前田遼一(磐)、72分:太田吉彰(磐)

ジェフは手痛いドローで優勝戦線から離脱。ただしジェフの薄い選手層で、あの過密日程を考えれば仕方がない気もする。終盤は完全に足が止まっていた。

◇新 潟 2−2  柏
[得点]41分:エジミウソン、45分:大谷秀和(柏)、54分:ファビーニョ、62分:小林祐三(柏)

新潟は貴重な勝ち点1を手にして残留に大きく近づいた。次のジュビロの相手だから後で放送があるならチェックしておこう。

◇大 宮 3−2 名古屋
[得点]07分:秋田豊(名)、44分:藤本主税、52分:レアンドロ、60分:トニーニョ、82分:鴨川奨(名)

大宮は貴重な勝ち点3で残留に一歩前進。
まさか名古屋が残留争いに絡んでくるとはねえ。神戸の次に状態は悪いんじゃないだろうか。

◇川 崎 3−1 神 戸
[得点]10分:ジュニーニョ、38分:アウグスト、63分:播戸竜二(神)、88分:ジュニーニョ

川崎強いね。神戸は降格ほぼ決定か。レオンを不用意に辞めさせた時点である程度は予想ついてたけど。播戸や三浦アツはどうするんだろう。

◇清 水 0−1 横浜M
[得点]62分:グラウ

グラウが久々のゴール。そこそこ活躍しているみたいだけど、マリノスは来シーズンに大物FWを補強しそうだし、来年はどうなるのかな。久保も復調傾向みたいで代表復帰に向けて期待が持てる。

◇広 島 0−4 大 分
[得点]21分:マグノ・アウベス、44分:梅田高志、59分:トゥーリオ、67分:マグノ・アウベス

大分強い。ジュビロを3-1で圧倒した広島を、4ゴール差で下してしまうとは。これで残留はほぼ決定。
ブラジル代表も使っている最新鋭のコンピューターと独自の戦術論を駆使する分析家のシャムスカは、相手の短所を突いて長所を消すサッカーが凄く巧い。シャムスカ以降の大分のサッカーを見ると、相手チ−ムの特徴まで見えてしまうのがおもしろい。後で放送があるならチェックしてみよう。ダイジェストで見ただけだけど、3ゴール目の一連の流れは素晴らしかった。シャムスカ以前の大分では信じられないような連動した崩し。攻撃パターン構築にも相当なものを持っているんだろう。クラブレベルだけでなく、短期間で結果を出す能力は代表監督にも向いていそう。日本代表にお願いしたいものだ。

*1:なぜCBが(笑)

*2:あれなら別のDFを置いて、ボランチとかで起用した方が効果的なように思う。あの攻撃性能はDFにしておくには勿体無い。そしてリスクが大きすぎ。CBでの経験からアンカーの仕事も出来るだろうし、フィードもけっこう巧いので、ボランチ起用しても案外おもしろいかもしれない。あれだけ攻撃参加できるならスタミナもあるでしょ。中盤で四方八方からプレッシャーを受けてパスが捌けるかは微妙だが。