ミラノダービー

ミランジーダ;スタム、ネスタマルディーニセルジーニョガットゥーゾピルロセードルフ(86分:カラーゼ);カカ;インザーギ(69分:ヴィエリ)、ジラルディーノ(80分:カフー

ユヴェントス:キメンティ;ザンブロッタテュラムカンナヴァーロ、ペッソット(41分:キエッリーニ);カモラネーシ(58分:ムトゥ)、ヴィエラ、エメルソン、ネドヴェド(71分;デルピエーロ);トレゼゲイブラヒモヴィッチ

開幕9連勝中で首位のユーヴェをホームに迎えた2位のミラン。優勝のためには早くも負けられない一戦。

まずミランが前半から積極的な攻撃を見せる。ガットゥーゾを先導に、凄まじい速さのチェイスでユーベにスペースと時間を与えず、主導権を握った。開幕からチームの中心となる活躍をしてきたヴィエラも、かつてない圧力に戸惑いゲームをコントロールできない。プレミアでは味わった事のない激しさに面を喰らっていた。

  • 試合の流れを決めたゴール

14分にセードルフが切れ込んで強烈なミドルを決めて先制。セードルフのフシュートはブロックに入ったヴェイラの足に当たって急激な落ち方でゴールマウスに仕込まれていった。運を味方につけたゴール。
これで幸先のよいスタートを切ると、間髪いれず26分、FKの跳ね返りから最後はカカがボレーシュートを叩き込む。素晴らしい弾道のファインゴール。これで相手を引き出して戦えるミランが圧倒的優位に。

  • 素晴らしいFKとGKの差

さらに45分、ピルロが25メートルの位置から直接FK。球種の豊富なピルロが選択したのは*1、GKの手前で変化し易い無回転の弾丸シュート。これをユヴェントスGKキメンティが目測を誤り、ゴールが決まって3-0。

ブッフォン離脱の影響を感じさせず戦ってきたユーベだけど、バイエルン戦でダイスラーのシュートに不用意な対応でゴールを許したアッビアーティ、そして今日のキメンティと、真のトップレベルでは守護神不在が大きく響いた格好。対するミランのGKはジーダと磐石。

  • 途切れぬ集中力

これで3-0とほぼ勝負あり。その後はトレゼゲのらしいワンタッチゴールでユーベに1点を返されるも、ミランは落ち着いて相手の攻撃に対処し2点リードを守り切った。大逆転を許したCLのリバプールやデポル戦のように、集中力が途切れる事はなかった。

  • 気迫の勝利

この試合はガットゥーゾに象徴されるように、勝利への執念を前面に出して戦ったミランの気迫勝ちという印象。ミランの球際での厳しさやボールに対する執着心は凄まじかった。状況的に負けられないことが好影響を及ぼしたか。対するユーベは序盤からハイペースのミランに面を喰らってしまった格好。

ユーベは前線でのズラタンの鬼キープを封じられると攻撃に変化がつけられない。今日はネスタマルディーニ、スタムらの対応が一歩上をいった。スタムを右SBに置く布陣も大成功。ユーベの左サイドからの攻撃はほぼ完封されてしまった。ユーベは強豪相手に先制されると崩せない昨シーズンからの課題を、バイエルン戦に続きまたも露呈してしまった。攻撃面でもう一味変化が欲しいところ。

サンプドリア 2-2 インテル
フィオレンティーナ 2-1 カリアリ

インテルは手痛いドロー。短気なモラッティの事、このまま首位に肉薄できずミラノダービーに敗れたら、マンチーニ解任もありえるかもしれない。
ヴィオラは相変わらず好調。トーニは通算12ゴールと得点王レース独走中。
ランク2位が復活のキエーザというのは嬉しい。キエーザは度重なる大怪我さえなかったら、アズーリでも普通に活躍していたと思う。全盛期は切れ味抜群の鋭利な刃物のようなストライカーだった。01-02シーズンにヴィオラで大怪我せずアドリアーノとのコンビが組めていれば、マンチーニも辞めなかっただろうし、ヴィオラも降格しなかっただろう。あの馬鹿オーナーの下ではいずれ倒産しただろうけど。セリエA開幕5戦5ゴールで、日韓大会の有力なメンバー候補だったのに。あれだけ選手生命の危機たる大怪我をして、35歳で未だに現役バリバリで活躍しているのは凄い。

*1:カーブで隅を狙う事も出来れば、無回転のドロップボールも蹴れる。日本でいうと、三浦アツと俊輔の良い所取りのフリーキッカー。素晴らしい。