世界の若手有望株

最前線に立つ10代の才能
イングランド代表のスベン=ゴラン・エリクソン監督に「ティーンエージャーではペレ以来の逸材」と言わしめたウェイン・ルーニー。だが、マンチェスター・ユナイテッドFCでプレーするそのルーニーも、24日には20歳の誕生日を迎えた。ここで一つの疑問が浮上する。今、地球上で最強のティーンエージャーとは一体誰なのだろうか?
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=357661.html

リオネル・メッシライアン・バベルヌリ・サヒンジェレミー・メネスサミル・ナスリセスク・ファブレガスジェームズ・ボーンテオ・ウォルコットといった欧州で活躍する10代の逸材が紹介されている。

  • 傑出した存在のメッシ

上記の中では、アルゼンチンのリオネル・メッシの活躍が傑出しいている。衝撃的な世界デビューを果たしたWYが終わり早数ヶ月、念願のスペイン国籍を取得してからは、ターンオーバーを引く強豪バルセロナの主力クラスへと上り詰めてしまった。まだ87年生まれの18歳。
先日のリーガ先発デビュー戦となったオスサナ戦でも、得意のドリブルでチャンスを演出。特別スピードやフィジカルに恵まれているわけではないけど、緩急のつけ方と相手の逆をとるプレーが巧すぎで、テクニックと攻撃センスは年上と混ざっても突出している。小柄ながら体の使い方も巧く、判断の早さも伴なって容易に潰されない。ロナウジーニョとのコンビは圧巻。
アルゼンチン代表での先発デビュー戦でも同じように活躍しているし、このまま行くとワールドカップ本大会にも出場してしまいそう。代わりに外されるとしたら役割の被るサビオラテベスか。

  • フランス黄金世代

uefa.comで紹介されている以外の欧州のU-18有望選手では、フランス王者のリヨンで活躍しているベン・アルファが傑出した存在。過密日程のリヨンで、貴重な左右のウインガーとして有名選手と遜色ないプレーをしている。巧みなボールテクニックは秀逸。でもまだ持ちすぎなところもある。上記のメネズ、ナスリ、そしてベン・アルファや、同じくリヨンのベンゼマなどのいるフランスU-18は、昨年のU-17欧州選手権を圧倒的な強さで優勝するなど欧州最強と名高く、リーグ・アンでも多くの選手が若くしてトップチーム・デビューを果たしている。

アルゼンチンでは、メッシと並び賞される存在のインデペンディエント所属セルヒオ・アグエロが有名。先のWYオランダ大会ではチーム最年少として飛び級でのU-20アルゼンチン代表入りを果たし、鋭いドリブル突破で決勝でも2点目のPKを獲得した選手。年上のメッシが目立っていたからあまり騒がれなかったけど、ポテンシャルでは優るとも劣らない。
マラドーナのアルゼンチン・リーグ最年少出場記録を塗り替え、インデでも既にレギュラーとして大活躍。スカパーでも特集されていて、ドリブルの切れがヤバすぎだった。フィジカルならメッシ以上で、よりペナに近いエリアでプレイするタイプのセカンドストライカー*1
この2人がいれば代表は十年安泰。近い内に代表デビューも飾って、欧州のビッグクラブに引き抜かれるでしょう。チェルシーが2000万ユーロの値をつけたとか、ユーベのモッジが狙っているとか噂は沢山。もしかしたらサビオラを押し退けてWCに出てしまうかもしれない。
サビオラテベスと来て*2、メッシにアグエロと、マラドーナの再来と称される小柄なテクニシャンが次々現れるアルゼンチンは才能の宝庫だ。

  • タレント王国ブラジル

タレント王国ブラジルでは、グレミオで活躍しているアンデルソンが先のU-17世界選手権でMVPを獲得して一歩抜け出した。左利きのボールマジシャン。同じグレミオ出身ということからロナウジーニョ2世と期待されていて、類稀なドリブル突破など共通点も多い。フィジカルもこの年代では強くてキープしまくる。というか持ちすぎ。既にFCポルト行きが内定している。

大怪我するまではU-17ブラジル代表のエースで、南米予選MVPと得点王を獲得したヘッド・リフティリング・ドリブル*3を得意とするクルゼイロ所属のケルロンなど、ブラジルのアタッカーは他にも多士済々。ブラジルはU-17世界選手権で準優勝した現U-17が黄金世代らしい。ロナウジーニョもどきの超絶テクニシャンが沢山いた。未知の逸材はどの国よりも多く眠っているでしょう。

  • 欧州、南米以外の逸材

そのU-17世界選手権でブラジルを下して優勝したメキシコにも、準MVPに輝いたドリブルが得意なバルサユース所属のドス・サントスアーセナルに練習参加している得点王のベラなど逸材揃い。個というよりチームとして組織的に洗礼された優勝に値するチームだった。ブラジル戦での相手キーマンを削りまくったえげつないプレーは若年層とは思えない。
アフリカでは、ナイジェリア出身でキエーボ所属のオビンナが、最近のセリエAサンプドリア戦やカリアリ戦でゴールをするなど活躍している。身体能力が飛びぬけていて、マルティンス、マキンワに続くセリエAのアフリカ超新星
WY準優勝したナイジェリアでは、飛び級出場し準MVPに輝いたジョン・オビ・ミケルがプレミアのビッグクラブの熾烈な争奪戦の的。長身で懐の深さをい欠いたキープと、判断の良い散しのセンスはユースレベルを飛び超えていた。噂のチェルシーマンUのどちらに行くんだろう。
他にもU-17世界選手権でブラジルを破ったガンビアのモモドゥ・シーセイが評価を上げた。195㎝の長身アタッカー。U-17世界選手権は他にも逸材だらけ。残念ながら日本は出場できず。

今大会に出場した選手のなかから、彼ら目利きが注目した四天王を挙げるとすれば、アンデルソン(ブラジル)、ジョバンニ・ドス・サントス(メキシコ)、ヌリ・サリン(トルコ)、そして、モモドウ・シーセイ(ガンビア)であろう。彼らは、スカウトや代理人ばかりでなく、FIFAのテクニカル・スタディ・グループも高い評価を与えた選手たちである。
http://sports.nifty.com/sportiva/clm_jfoot/15.jsp

U-18という日本でいえば高校年代にさえ、世界を見渡せば既に欧州トップリーグで活躍している選手が多い。日本の俊英たちも負けずに頑張ってもらいたいところです。

*1:WYでもメッシが後方からドリブルで崩したりパスでチャンスメイクするのに対して、アグエロはもう少し前方でゴールを狙っていた

*2:この2人はどうにも伸び悩んでしまっている。サビオラはプレーエリアが狭いのでシステムによっては起用されず、テベスはブラジルでも問題児ぶりを発揮中。テベスのフィジカルの強さはこの中では抜けているし、欧州でも即通用する実力があるのに勿体無い

*3:ボールを頭に乗せたまま複数人を抜き去るアザラシの曲芸のような技。そのアザラシに似ている事からフォカと呼ばれている。その内に有名になりそう。