欧州各国リーグ
3強は揃って勝利。今週の注目はタレント軍団インテルvsプランデッリ効果で好調のヴィオラ。
インテルは新戦力がチームに噛み合っている。フィーゴ*1とサムエルは早くも重要戦力になっている。カンビアッソの守備やバランス感覚も良い*2。3人とも元レアル・マドリー。カンビッソをフリーで出した理由がわからん。
ヴィオラはインテルの個の強さに圧倒されたしまった。フレイがいなかったら何失点喰らった事か。最近の好調で異常に評価が高まっているトニも*3、マテラッツィの厳しいマークに自由を与えられず。
フレイの存在で1得点のインテル、そのマルティンスの決勝点はオフサイドのような。まあ判定に恵まれるかどうかもセリエAを制す上では重要なんですが。今シーズンのインテルは強そうだけど、個に依存しすぎているので好不調の波がまだまだ激しそう。
その点ユーベは磐石だからなあ。ターンオーバーしてもきっちり勝つし。インテルはアドリアーノ酷使して大丈夫なの？ 昨シーズンの反省を活かした方が良いと思うけど。
バーミンガム 2-2 リバプール
ウェストハム 0-0 アーセナル
チェルシー 2-1 アストン・ビラ
マンチェスター・U 1-2 ブラックバーン
4強はチェルシーだけが勝利。早くも独走態勢を築きつつある。いよいよ一強リーグの様相を呈してきたのかも。
アーセナルはハマーズ相手に痛いドロー。こういう気持ちでガチガチ来るクラブをアーセナルは苦手としている印象。相変わらずパスサッカー一辺倒で、引いた相手を引き出すミドルシュートやパワープレーが有効に使えない。あとジュビロの元監督である桑原さんが解説してたけど、もう少しプレミアを勉強した方が良いと思う。Jリーグ解説に専念した方が良いのでは。
昇格してきたハマーズはなかなか良い*4。ここは若手王国でけっこう好きだったクラブ。下部組織が超優秀。リオ、ランパード、ジョー・コール、デフォー、キャリックですよ。そしてディ・カーニオ。金があればプレミア強豪クラブになれたのに。
アーセナルはジウベルト・シウバが怪我。重症なら本職CHは若いセスクとフラミニの2人。ただでさえヴィエラ放出で中盤のダイナミズムがなくなっているのに*5、ヴィエラの穴埋めをしなかったツケが出てきそう。WYで大活躍したクインシーが使えそうなのは朗報。ただし、スピード系ドリブラーには困っていない。
それにしても、プレミアは打ち合いサッカーが少なくなってねえ。得点数も減少傾向らしい。それで退屈になったとマスコミや現地ファンに批判されている訳だが。一時期は中盤フラットの4-4-2ばかりだったのに、今はアンカーを置いて中盤守備を厚くした4-5-1が主流になりつつある。中盤守備での潰し合いスペースの消し合いも増えていて、リスクを減らしたロングボールによる中盤省略も多い。異国から新文化を持ち込み成功したモウリーニョとベニテス効果か。いよいよリーグ独自の特色というものが薄まりつつある。
その傾向に対してベンゲルは必死に警報を鳴らしているけど*6、リアリズムなサッカーを前にして理想だけでどこまで突き進めるのかな。アーセナルみたいなスペクタクル志向サッカーもないと面白くないので頑張っては欲しい。様々なサッカースタイルがせめぎあってこそ面白い。ボルトンのような放り込みサッカーばかりになったらつまらない。それはないだろうけど。
ボルトンといえば中田は頑張ってたね。久しぶりに得意のパスも冴えていた。あとは安定して活躍できれば*7。慣れない放り込みサッカーの中でも、あれだけ走って身体を張って適応してしまう能力は流石。例えばボルトンのサッカーは、小野には明らかに向いていないサッカーだと思う。
小野はフェイエでもあまり走らない。それでも通用してしまう技術は流石だけど、レベルの低いオランダリーグからステップアップするにはもっと攻守に走ることが必要。プレッシャーの緩いオランダでは、ボールを貰うためにオフザボールの動きを工夫する必要性があまりない。
どこか一昔前のピルロやデラ・ペーニャみたいで、中盤守備が厳しいリーグだと壁にぶつかる可能性もある。彼らもイタリアやスペインといった厳しい環境で揉まれて壁を突き破ったわけだから*8、小野もそろそろ強豪リーグにステップアップして欲しいところ。技術的には十分通用するでしょ。
プレースタイル的にイングランドやイタリアより、スペインかフランスが良いと思う。ま、リーグの特色よりも、同ポジションのライバル力量と、どういうチームスタイルの方が重要なんですが。
ベティス 1-4 バルセロナ
アラベス 0-3 レアル・マドリード
アトレティコ・マドリード 1-2 ヘタフェ
2強がきっちり。どちらも内容は芳しくないのに、それでも勝つのは純戦力がずば抜けているからなのか。まあこれからでしょうね。バルサはCLを見越してガウショやデコを温存、代わりのイニエスタ、エスケーロ、ファン・ボメルが活躍して勝利とターンオーバー成功。昨シーズンは選手層が薄くてこれが出来なかった。
ターンオーバーできないクラブはリーグとCLの過密日程を戦えないと思う。それでソシエダやセルタは大苦戦した*9。昨シーズン3位と4位のビジャレアルとベティスは今後もかなり苦しむと思う。それを思えばデポルは良く頑張ったよ。
注目は首位のヘタフェ。今節も古豪アトレチコにアウェーで勝っている。マジョルカ戦などを見ても試合内容は非常に良く、首位に相応しいサッカーを展開している。いつぞやのソシエダのように優勝争いできればおもしろけど、選手の質的にそこまでは厳しいでしょうね*10。
アタッキング・フットボールを標榜するシュスター監督は、昨シーズンもレバンテを率いて前半戦は好調だった*11。最近は名選手出身の有望な若手監督は多いけど、彼にも注目しておく必要がありそう。
- ブンデス・リーガ
HSVがバイエルンに初黒星。ファン・デル・ファールトのゴールが苦手の右足で先制点と活躍。バイエルンはバラックとマカーイが怪我明けでまだコンディション不良。
ラフィはHSVに来て見事に復活しつつある。期待された選手が伸び悩むよくあるパターン*12から、良くぞ持ち直してきた。移籍時にこういう文を書いたものとしても嬉しい。彼の持ち味は天才的な得点感覚にあると思うので、この調子でどんどんゴールを重ねてもらいたい。この調子でシーズンを終えられたら、ワールドカップでの活躍が楽しみですね。
好調なチームの中、高原の状況は厳しい。トップ下にラフィが君臨しているので、前任者のバルバレス*13はFWに移動。そうなると2トップのもう1枠はムペンザ、ラウト、高原。これでは流石に厳しい。UEFAカップを勝ち進めば過密日程で出番もあるだろうけど、もしかしたら冬の移籍もあるかもね。
ルマン 0-0 パリSG
松井は強豪PSG相手に無難な出来。流石に強豪相手では見せ場を作れず。ただし、守備ではサボらずサイドをカバーするし、マイボール時には積極的に上がって攻撃に絡もうとしていた。プレッシャーの和らいだ後半はサイドで起点にもなれていた。もう少しボールを引き出せれば良いと思う。派手なプレーやドリブル突破は少なくなったけど、球離れの良さ、フリーランニングの量・質など、海外で揉まれて着実に成長している。
PSGはプレーメーカーが不在。ダブルボランチは2人ともゲームコントロールや展開力に不安がある。1.5列目で攻撃の中心を担うカルーがドリブラーだし、エースのパウレタは点で合わせるBOX型ストライカーなので、優秀なパサーが一人いればチームが噛み合いそう。
この試合でおもしろかったのは、PSGの選手のミドルシュートが、ペナ内にいた味方のパウレタに当たってしまった場面。シュートは枠に飛んでいたように見えたし、パウレタが触らなかったらゴールに繋がっていたかも知れない。普通なら「パウレタ何やってんだよー」ってとこ。なのにパウレタは「なぜ俺にボールを寄越さなかったんだ」とばかりに逆切れ。猛アピール。
確かにもう少し早いタイミングでシュートせずにパスしてたらチャンスになったかもしれない。でもぶつかった場所は明らかなオフサイド・ポッジションよ。解説者は「これぞストライカー」と褒めていた。これは日本人ではまず見れないシーン。これだけゴールに対して貪欲だから、第一線でゴールし続けてこれたのかな。パウレタを見直した。代表ではどこか頼りなく見えるのに。
*1:彼のサイドアタッカーとしての資質は今だ一級品。前任者のメイデやゼ・マリアとは格が違う。
*2:司令塔ベロンとの役割分担の良好
*3:ビッグクラブ相手に結果を出してこそフォーリクラッセ。まだまだバティの後継者とは呼べない。
*5:ユーベでは積極的な上がりでかなり活躍している。
*6:3点差以上での勝利には勝ち点を上積みしろとか
*7:昨シーズンは良かった試合の後は必ず駄目と波がありすぎた
*8:2人ともユース年代では両国で一番期待されていた若手だったのに、強豪ビッグクラブで伸び悩んでレンタルを繰り返し、20台半ばでよくやく大成した
*9:セルタは降格
*10:あの頃のソシエダはニハト、シャビ・アロンソ、コバチェビッチ、カルピン、デ・ペドロと個も優秀だった。そして知将ドヌエ。マケレレ健在の強いマドリーと互角以上に渡り合った好チームでした
*11:後半は怪我人続出で失速して、会長と喧嘩して解任
*12:10代の若さでクラブレギュラー＆代表デビューと大ブレイクするも、度重なる怪我で思うような活躍が出来ず、スキャンダルや不摂生がたたり代表でもクラブでも控えに落ち、中堅クラブに安値で売られる
