夏のマーケット閉幕

ルーニーやらズラタンやらカンナバーロが締め切り直前で移籍した昨年のような激震はなく、今年の移籍市場は静かに閉幕。
モッジがまたやらかすのに期待してたのに残念。まあ戦力的には既に充実していたので妥当なところか。ヴィエラで十分衝撃はあった。カッサーノ騒動は来シーズンに持越しですかね。トレード要員として見なされていたムトゥは奇跡のユーベ残留だ。

レアル・マドリーCFが、セルヒオ・ラモスをおよそ2500万ユーロ(約33億8000万円)の移籍金で獲得することで、セビージャFCと合意に達した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=332939.html

即戦力という意味ではけして的確ではないけど、将来性を考えればなかなか効果的な補強。他のビッグクラブに奪われる前に機先を制したという事でしょう。オーウェンを買った値段の倍で転売して、ラモス獲得資金を作り出すとはなかなか。リバプールは安売りしすぎでしたな。

33億はちょっと高すぎるけど、いずれは世界一のRSBになるポテンシャルを秘めた逸材。SBとしての基本能力に加え、10代とは思えないほどの身体能力があって人に強い。サルガドの後継者兼バックアップとしてはこれ以上ない人材。これでサルガドが怪我しても、ブラボを使って右サイドが機能不全に陥る事もなくなる。CBもこなせるユーティリティ性もあるので、即戦力としてもそれなりに重宝するはず。

ただまだまだマドリーはバランスが悪いと思う。中盤での守備が得意でゲームコントロールも巧みな選手が必要。あとはCBも層が薄い。ウッディは怪我が多すぎる選手だし、パボンは能力不足。攻撃陣は凄いんだけどね。

セビージャはバティスタとラモスをマドリーに獲られて、今シーズンはかなりきついでしょうな。サビオラの爆発次第か。スペインの中堅クラブは金がないねえ。

イングランドプレミアシップトッテナム・ホットスパーFCジャーメイン・ジェナス(22)とイ・ヨンピョ(28)を獲得した。ニューカッスル・ユナイテッドFCから移るジェナスの移籍金は1150万ユーロ(約15億円)、イ・ヨンピョは200万ユーロ(約2億7000万円)でPSVアイントホーフェンから移籍する。
http://jp.uefa.com/footballeurope/news/Kind=2/newsId=332517.html

スパーズはいつもながら金はある。毎シーズンかなりの補強をしているのに、欧州カップ戦圏内に進めないのは不思議。アーセナルより金を使ってるのに。宝の持ち腐れ。

ジーナスはテクニックと運動量を兼ね備えた優秀な若手CH。でもスパーズは昨シーズンあれだけ優秀なCHを補強したのに、それをイマイチ使いこなせていない。今シーズンはダービッツとタイニオを補強したし、他にもメンデス、キャリック、ブラウンとCHは過剰供給気味。それに比べてサイドは手薄のような。
イ・ヨンピョも恩師ヒディングの元を離れてこれまでどおりの活躍が出来るかは未知数。ただ、スパーズの選手層はかなり強力。欧州カップ戦圏外の中堅クラブとは思えない。ジェナスダービッツなんてなかなか強力なコンビ。噛み合えば面白いかもしれない。

ニューカッスルからするとジェナスを放出したのは勿体無いと思う。同じCHのパーカーやエムレ加入*1の憂き目にあったんだろうけど、彼らとはタイプが違うし、まだ若いので更なる成長も見込めるはず。本人が移籍を希望したらしいけど、これもスーネス効果の一つか。

PSVはこれで昨シーズンの主力の約半数が離脱した事に。いくらヒディングとはいえこの状況は厳しいような。

リバプールFCが、オーストリア人ウィンガーのベジアン・イドリツァイ(17歳)、U-21ウェールズ代表ストライカーのラモン・カリステ(19歳)を新たに獲得し、チームのさらなる強化を図った。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=332310.html

よく知らん。将来への投資かな。
リバプールはCBの層がちと薄いような。キャラガーかヒーピアが怪我すると緊急事態。ヒーピアも年齢的にそろそろ厳しい時期だし。あと得点力も不安。前線のモリエンテス、シセ、クラウチって、みんな決定力に課題がある選手。その分ジェラードが凄いんですが。
まあ、ジェラードの残留を最大の補強と考えれば、リバプールの今オフの補強は及第点をつけられますね。

SLベンフィカユベントスFCのFWファブリツィオ・ミッコリ(26)を1年間の期限付き移籍で獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=332762.html

ミコッリたんの移籍先が決まったのね。良かった良かった。ユーベに買い殺しにされるよりかは、ポルトガルリーグで活躍した方が本人のためにもなるでしょう。組織の一員としては使いづらいタイプだけど、独力での打開力は一流。イタリアであれくらいできたんだから、ポルトガルでは最強レベルでしょ。CLでも心強い存在。精神性が好きな選手なので頑張ってもらいたい。



今夏のマーケットで思うことは、プレミア勢は金ありすぎ。トップのチェルシーは言わずもがな、中堅クラブまで他リーグのビッグクラブ並の補強費を使っている。欧州カップ戦圏内に入っている他リーグ上位クラブのPSV、セビージャ、ウディネーゼでさえ主力の流出が続いているのに、プレミア勢はずいぶん景気が良い事で。
でも金があるはずのアーセナルはなぜか弱点を補強せず。GK獲得したと思ったら、33歳のプーマって誰? まあ、あまり金を使わないでここまでのクラブにした首脳陣は素直に凄いと思う。
さて、そろそろ主要クラブの戦力分析をやらんとな。

*1:この3人で3センター組んだらかなり強烈だと思うよ。ルケは4-4-2のSHタイプではないし。