リアルタイム雑感+追記

Score:(M)マルディーニ1、クレスポ39,43 (L)ジェラード54、スミチェル56、X・アロンソ60

(色々と追記したよ)

ミランヂダカフーマルディーニネスタ、シュタム、ガットゥーゾルイ・コスタ112)、ピルロセードルフセルジーニョ86)、カカ、シェフチェンコクレスポトマソン85)

リヴァプールデュデク、フィナン(ハマン46)、キャラガー、ヒーピア、トラオレ、シャビ・アロンソ、ジェラード、リーセ、L・ガルシア、キューウェル(スミチェル23)、バロシュ(D・シセ85)

  • 前半終了

開始早々の失点でリバプールのゲームプランが瓦解してしまった。試合に入り方に失敗して、経験の浅いリバプールの選手は浮き足立つ。
リードしてカウンター主軸になったらミランは強い。引き気味に構えて前のスペースにカウンター。そこに速攻の申し子カカーの存在。パスとテクと判断と前への推進力を備えた最新鋭のトップ下。プレーに全く無駄がない。スペースを得たカカーはまるで水を得た魚のように泳ぎまわり、バイタルエリアを好き勝手に侵略。2トップとの呼吸も絶妙。
意気消沈のリバプール。リードされている状況では、堅守を軸に引き気味にゲームを進めることが効果的ではなくなる。プレスのかからない位置でピルロに攻撃を組み立てられ、反撃しようにもカウンターのスペースも消されている。逆に前から行くとカウンターの餌食に。要のジェラードとアロンソの2センターは守備に追われて攻撃に絡めない。苦し紛れに放り込んでもネスタムに跳ね返えされる。
キューウェル先発FWの奇策も失敗。多分、右SBカフーの上がった隙を突くために入れたんだろうけど、2センターにした分バイタルエリアの守備が薄くなってカカーを自由にさせてしまった。ジェラードとアロンソも守備に忙殺されて持ち味が半減。ベニテスは昔からこういう奇策をけっこうやる。うまくいくこともあるのだけど(ユーベ戦のルタレク起用)、今日は裏目に出た。
ミランはヒールっぷりを如何なく発揮。磐石。いじめっこ。リバプールサポーターはお通夜状態。流石に3点ビハインドは厳しい。

  • 後半開始。

もはや勝負は決まったかと思いきや、リバプールは立て続けに2点返してしまった。リーセのクロスからジェラードのヘッド。客席を煽るジェラード。キャプテンがチームを鼓舞する。そしてスミチェルのスーパーミドル。寝ないで良かった。ミランファン以外はリバポ応援して人が多いんだろうな。
ジェラードPK奪取きたー。アロンソのシュートは弾かれるも、こぼれ球をきっちり押し込む。一度止めたジーダは凄いけど、跳ね返った場所に運がなかった。リバプールは3点差を追いついた。6分で3点。なんてことだ。凄いゲーム。鳥肌たった。 CLのデポルvsパリSG思い出した。

  • 後半終了

多くの面で上回るミランが、後半だけで3点リードを追いつかれる。ちょっと信じられない展開。ミランは安全パイになると途端に気を抜く所がある。世界一経験豊富で、何度も痛い目に合っているのにも関わらず。いつもはアンチェロッティのチキン采配が引き金になるんだけど、今日はそれもなかったのに。
リバプールはSBを一枚削って3バックにし、バイタルでやられまくっていた中盤センターにハマンを投入。4-4-1-1から3-5-2にシステムを変更。そのベニテスの采配がズバリと当たった。さすが勝負師。サイド攻撃が右のカフーに限られているミラン相手では、スミチェルの攻撃的な右WBも、3バックによるサイドの数的不利もあまり気にならない。それよりはトップ下のカカーのケアの方が重要。
ハマン投入で中盤で攻撃を潰せるようになり、アロンソとジェラードの守備も軽減されて展開力や攻撃力が活きるようになった。それでもセルジーニョが左に投入された終盤は、5バック状態にされて押し込まれたけど。左サイドからチャンスを演出したセルジーニョを、もう少し早く投入したかったところか。

  • 延長戦

両者疲労困憊の死闘。リバプール足つりまくり。こういう時に途中投入されたセルジーニョのドリブル突破は怖すぎる。3バックのサイドのスペースを突くため左に張らせる。リバプールの右WBは攻撃的なスミチェル。理に叶っている。でもそこはジェラードが右SBに下がってしっかり対応。これもベニテスの指示かな。ジェラードは凄いスタミナ。普通フル出場していたらあそこまで止められない。ただ守備に追われたせいでジェラードも攻めれない。相殺。
満身創痍のリバプール。でも魂で守ってる。キャラガーが水際で食い止める。本当に成長したなあ。デュデクはスーパーセーブ。左からのクロスにドンピシャのヘッド、そのこぼれ球を押し込んだシェヴァのシュート、あれは普通やられるだろ。今日はシェフチェンコの日ではない。デュデクは移籍濃厚らしいけどどうするんだろう。
延長も終了。PK戦突入。攻めていたチームの方が不利という定説。でもジーダはPK強いからなあ。反射神経男。疲労度も歴然。

  • ハマン落ち着いている。
  • シセ外しそうな気がしたけど決めた。
  • リーセ外した。リーセはコースを狙わず思いっきり打ち抜いた方が良かったな。
  • カカー逆を取ったさすが。
  • スミチェルうまい。ジーダの真ん中狙いを阻止。

リバプール優勝。おめでとう。最近では1番おもしろかった決勝。両監督の采配の妙、そして試合展開が凄かった。アウトサイダーの優勝傾向は今年も継続。
引き気味の相手にもポゼッションを軸に主体的に崩せて、リードしたらきっちり守ってカウンターを仕掛けられるミラン。逆にリバプールは引いた相手を崩すことはそう得意でない。リスクを軽減した低い位置でのプレッシングも、中盤の底から組み立ててくるピルロには効果なし。
前半終わった時は、その差が歴然に感じられ、そういう戦術的柔軟性の勝利で締めようかと思ってたけど、リバプールはまさか3点差を追いついてしまった。それも鉄壁のミランから。
最後に勝負を別つのは、いつの時代も「気持ち」ということですかね。戦術など超越してしまう強烈な勝利への渇望。満身創痍の肉体を凌駕する精神力。安全パイになって集中力を切らしてしまったミラン。最後まで諦めなかったリバプールの気迫勝ち。
おやすみ。