U-21代表

トゥーロン国際に出場=サッカーU21代表
日本サッカー協会は27日、21歳以下(U21)によるトゥーロン国際大会(6月1−10日、フランス)に、20歳以下(U20)の世界ユース選手権(6月10日開幕、オランダ)出場選手を除くU21日本代表が参加すると発表した。大会は8カ国・地域が2組に分かれて予選リーグを行い、各組上位2チームが準決勝に進む。日本はメキシコ、フランス、南アフリカと同じA組に入った。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20050427-00020770-jij-spo.html

21歳以下というと、高卒プロ3年目(早生まれは4年目)の84年生まれ以降の選手たちで構成される。これはおもしろそう。
84年生まれはシドニー世代の中では最年少世代なので、五輪代表の選考ではどうしても不利を被る。この時期の4歳違いというのはことのほか差が大きい。23歳の選手と20歳の選手を同じ土俵で競争させると、20歳の選手が不利なのは否めない。五輪代表に常時選出され続ける事は難しいため国際経験は不足しがち。
シドニー世代での80年組みも同様で、本大会には確か西しか選ばれなかったと思う(補欠で遠藤)。でも現代表には玉田、大黒と実力者そろい。ただ当時は玉田も大黒もJリーグで活躍していなかった。その他の選手も全体的に国際経験の不足は否めない。 
そういう世代に国際経験を積ませるためにいい試みだと思う。いずれ日本を背負って立たなくてはならない世代の一つでもあるし、長期的に見て代表チームの強化にも繋がる。
ということで仮想U-21代表。誰が何年生まれか全て把握しているわけではないので、当然選考漏れはあります。J2と大学生は知識不足のため基本的に除外。

仮想U-21代表(84年組み中心)

GK
徳重 健太   1984.03.09  浦和レッズ
菅野 孝憲   1984.05.03  横浜FC

DF
大井 健太郎  1984.05.14  ジュビロ磐田
千葉 貴仁   1984.11.07  セレッソ大阪
菊地 直哉   1984.11.24  ジュビロ磐田
谷口 博之   1985.06.27  川崎フロンターレ
河本 裕之   1985.09.04  ヴィッセル神戸

MF
長谷部 誠   1984.01.18  浦和レッズ
馬場 憂太   1984.01.22  FC東京
鈴木 規郎   1984.02.14  FC東京
成岡 翔    1984.05.31  ジュビロ磐田
玉乃 淳    1984.06.19  東京V
工藤 浩平   1984.08.28  ジェフユナイテッド千葉
酒本 憲幸   1984.09.08  セレッソ大阪
谷澤 達也   1984.10.03  柏レイソル
大谷 秀和   1984.11.06  柏レイソル

FW
茂木 弘人   1984.03.02  サンフレッチェ広島
矢野 貴章   1984.04.05  柏レイソル
中島 祐希   1984.06.16  鹿島アントラーズ 
近藤 祐介   1984.12.05  FC東京

選考基準にJリーグ出場試合数を尊重して20名を選出。実際問題、クラブとの兼ね合いでベストメンバーは不可能と思うけど。

U-20代表の西川、増島、水本、中村、家長、本田、苔口、梶山、杉山、カレン、前俊、森本、平山あたりは、ワールドユース選出がほぼ確実視されているので除外。選出が微妙なメンバーは入れといた。84年組み代表考えてみると、改めて現ワールドユース世代は逸材揃いだと思う。プロ3年目にも負けない選手だらけ。

GKはよく分からない。このくらいの年代でJリーグに出場できるGKというのは希少種。菅野はその点を評価した(J2だしあんま見たことないけど)。83年組みには名古屋の川島、Fマリの榎本哲と有望な人材がいる。

DFも微妙。経験からジュビロ勢が中心か。菊地はCBとしては酷評されている選手だけど、同年代と比べると優秀な部類。ボランチと兼任できるのも強み。千葉もJ1出場数では抜けた存在。ほぼ無名に近いけどかなり有望。谷口と河本は85年組みだけど、大熊に選ばれそうにないので選出。

攻撃的な中盤の選手は人材豊富。かなりのメンツが揃った。中心は長谷部。ワールドユースにも五輪にも出ていないのが不思議なくらいの活躍度。トップ下には馬場、工藤、成岡と若くしてJ1に多く出場している選手がおり、攻撃的MFにタレントが揃うのはもはや日本の伝統か。
逆に守備的な中盤の選手というのは少ない。これはこの世代だけではなく、現ワールドユース世代もそう。今野がいないのだよ。ただ守備的MFというのはわりと遅咲きが多いポジションでもある。今後飛躍してくる選手に期待したい。現段階では菊地が他をリードか。
サイドも人材難。これは若年層だけでなく、日本全体の課題ですが。左の鈴木はキックが強烈無比。酒本と谷澤はドリブルが得意。ただ全員守備に不安がある。85年組みだけど、左は名古屋の渡辺がけっこう良い選手。家長と苔口がいるのでオランダ行きは難しい。
FWはエース格が不在。この年代で高校時代に1番期待されていたのはマリノス阿部祐大朗。超高校級といわれ選手権でも大活躍し、ユース代表でも常連だったけど、その後マリノスで伸び悩み、現在はレンタル修行中。自身が目標とするクラファートにちなんで「和製クライファート」とか呼ばれてたっけ。目標が悪かったのでは。
ただ阿部に限らず、このくらいの年齢のFWがプロの壁にぶつかって伸び悩むのはよくある事。大黒も玉田もプロ3年目はまだ全然活躍していない、それどころか出場時間も極僅か。大黒は確か札幌にレンタルされていた。彼らのように今後飛躍してくる選手を予想するのもおもしろそう。意外な選手が台頭してくるのかも。近藤はフィジカル、矢野は高さと一芸に秀でていて、伸びてくればおもしろそう。

     近藤  茂木

       馬場
  鈴木         成岡
     大谷  長谷部

   大井  河本  菊地

       菅野

人材難のWBタイプを意図的に排除した攻撃的な3-5-2で。成岡は馬場と長谷部との共存のため、無理があるのは承知でサイドへコンバート。85年組みが使えるならまた違ったシステムになると思う。こう見ると84年組みの筆頭株は長谷部かな。彼がフル代表に入ってこないようだと日本の未来は暗い。

  • 世界編

じゃあ次は世界的にU-21(84年組み)にはどういった選手がいるのかを検証。パッと思い浮かぶだけで恐ろしいメンツになりそう。

84年生まれ世界選抜


         テベス    トーレス


    ロッベン           シュバイニー


       マスチェラーノ  スナイデル


   キエッリーニ             ジョンソン

        ロドリゲス  メルテザッカー


             カメニ

予想以上に凄まじいメンツになってしまった。ほぼ全員が強豪国のフル代表、トップリーグのクラブでレギュラークラス。若手選抜にありがちな攻撃的な選手ばかりに偏ることなく、攻守のバランスもわりと良好。このままCLを戦えそうなくらい強力なメンバー構成。特に攻撃陣は凄まじい破壊力。ロッベンシュバインシュタイガー以外は常にビッグクラブの標的に上がっている。

84年選抜は年齢に似合わず守備陣が強力。GKはとんでもない反応速度でスーパーセーブを連発するカメニ(エスパニョール/カメルーン代表)。
CBは空中戦に無類の強さを見せるメルテザッカー(ハノーファ/ドイツ代表)と、リーガ新人王候補のゴンサロ・ロドリゲスビジャレアル/アルゼンチン)。
左SBはパワフルな攻撃参加が持ち味のキエッリーニヴィオラ/イタリア代表)。右SBはグレン・ジョンソンチェルシー/イングランド)。CLの試合を見ていると穴に感じるけど、他の同年代のSBと比べたら優秀。ただこの中だと少し見劣る。
中盤は世界屈指。ダブルボランチは、確実なつなぎと抜群の守備能力を誇るマスチェラーノリーベル/アルゼンチン代表)と、正確な両足からのキック精度を誇る展開力抜群のスナイデルアヤックス/オランダ代表)。
そしてこのチームの肝は両サイドのロッベンシュバインシュタイガー。どちらもこの若さでチェルシーバイエルンといったビッグクラブ、そしてオランダ、ドイツといった強豪国のレギュラークラス。特に怪我前にチェルシーの攻撃の中心を華麗に担ったロッベンは、間違いなくこの年代を代表する選手でしょう。必要以上に怪我に泣かされなけれ歴史に残る名選手になると思う。
逸材そろいのアタッカーは誰を選ぶか迷ったけど、実績を考慮してこの2人。アルゼンチンの五輪金メダルに大貢献したコリンチャンステベスは少し伸び悩み気味。ペッケルマン新監督になってから代表招集されず、クラブでも調子を落としているようだ。ただポテンシャルは間違いなくトップクラスでしょう。アトレチコフェルナンド・トーレス(スペイン代表)はこの若さにして恐ろしい得点数。ただ試合を見る限りだと、決定力にはまだまだ改善の余地はある。身長があってヘッドもうまく、プジョルを一瞬で振り切るような加速力もあって、ドリブルやテクニック面でも優れているオールラウンダー。何かもう一つ飛びぬければ凄いFWになりそう。

それ以外に84年生まれというと、FWはマルティンスインテル/ナイジェリア)、ロビーニョ(サントス/ブラジル)、ゲレーロバイエルン/ペルー)、カルロス・アルベルト(コリンチャンス/ブラジル)、ヴァグネル・ラブ(コリンチャンス/ブラジル)、アデバヨールモナコ/トーゴ)、ファルファンPSV/ペルー)、ニウマール(リヨン/ブラジル)、マキシ・ロペスバルセロナ/アルゼンチン)、パッツィーニヴィオラ/イタリア)など。
MFはダウニング(ミドラスブラ/イングランド)、オボド(ヴィオラ/ナイジェリア)、ムンタリウディネーゼ/ガーナ)、マヴバ(ボルドー/海上)、フラミニアーセナル/フランス)、メグニ(ボローニャ/フランス)、クラニツァール(ハイデュク/クロアチア)など。
DFはデ・ヨング、フェリペ、ベルトッド、ホイト、ダニエル・アウベス、GKはレンジング。
Bチームでも十分強そうだ。何気にチェルシー・ブラジル支部コリンチャンスが若手宝庫。そしてブラジルはやはり凄すぎ。この世界選抜を前にすると、日本人の入る隙間はどこにもない。84年生まれは世界的に凄まじい逸材そろいの年代。


うーん、この生年別代表選考は新たな発見があって意外とおもしろい。続くかも。