結果感想

リーガ・エスパニョーラ勢は全滅してしまったけど、まだまだリーガプールが残ってましたな。

延長ゴールはまたサラジェタかよ。ズラタンの驚異的なフィジカルとテクニックを生かしたキープ力は相変わらず凄い。これで決定力がつけば世界最高のCFなんだが、相変わらず決定機を外してしまう。裏MVPは自らを犠牲にロナウドを消し去ったタッキナルディで(笑) ユーベはネドベド抜きで勝ちきったのは大きい。今後に期待が持てる。
マドリーは相変わらずボール奪取力がない。攻めて勝つ事しかできないチームが、弱気になって守りに入ったら勝ち目がないのも道理。マイボールの時はまだいいけど、攻められるとほぼシュートまで持ち込まれてしまうのは問題。あれだけシュートを打たれれば失点も致し方ない。救世主グラベセンからの良い展開も、終盤は消されてしまったね。ジダンも今日は人間でした。リーガの試合を見る限り、ここまで来れたのが上出来といったところか。自分たちの流れだった一戦目にリードを広げておかなかった事が、ここに来て響いた格好。
これでリーガ勢は全滅。デポル、バレンシアが弱体化の憂き目に遭った上、ビッグ2もベスト16で姿を消しましたか。多種多様なチームスタイルのぶつかり合いがCLの魅力なだけに、リーガのサッカーが早期全滅とは残念ですな。バルサはもうちょっと上でも見たかった。

アーセナル敗退。あの守備力で無失点に押さえての勝利は上出来だけど、一戦目の大量失点が悔やまれる。センデロスレーマンと、戦前不安視されていた守備陣が奮起しただけに、攻撃陣は結果を出さなくてはならなかった。アーセナルには激しいプレッシングを掻い潜って、スペースを消された状況を覆すことを苦手としているので、一戦目のアドバンテージのあるバイエルンからしたら戦いやすかったと思う。
アーセナルは欧州カップ戦でアウェー仕様の戦い方ができないようだと、この先もプレミア内弁慶の汚名返上は難しそう。CL制覇が叶わないとなったら、またアンリやヴィエラの移籍話も再燃してくるだろうし、アーセナルの受難は続きそうです。とりあえずGK(今日のレーマンは良かったけど)とCB(センデロスにレギュラー任せるのはまだ早い)を補強しないと欧州での上は望めない。戦術的な柔軟性やパワープレイ不足の課題も改善したい。
バイエルンは勝負強いですな。ハイベリー仕様のアーセナルの猛攻を一矢点で押さえきるのはさすが。ようやく復帰してきたダイスラーバラックの共演も夢が膨らむ。そこまでの強さは感じないけど、マカーイが復帰してくれば得点力は倍増するはず。持ち前の勝負強さを生かせればさらに上も望めそう。

レバークーゼンはレギュラーCB陣の崩壊によりまともに戦える状況ではなかった。難攻不落のホームでは2点ビハインドを覆す可能性も残っていたけど、今日は覇気を感じなかった。敗れるべくして敗れた格好。ベルバトフはそろそろもう一ランク上のチームで見てみたい。
リバプールは相手に恵まれた感もあるけど、久しぶりのベスト8進出。ルイス・ガルシアが良いアクセントになっている。ベニテスは就任一年目で、ウリエの消極性に染まったチームをここまで導いてくるのはさすが。主力の怪我さえ少なければリーグ戦もうまくいってたんだろうけど、その辺は少し運がなかったか。
これでシャビ・アロンソモリエンテスが使えればこの先もかなり期待出来るんだけど、現状戦力で優勝を狙うのは少し厳しい。アロンソとジェラードの中盤コンビは無限の可能性を秘めているんだが。なんとかホームの絶対的な強さを生かしたいところ。今年が駄目でも今後に期待が持てるチームではある。CL圏内は入れるか微妙だけど。逃したらジェラードが・・・。

  • ASモナコ 0−2 PSVアイントフォーヘン(トータル0-3)

まだ見てないよー。PSVは主力放出にもかかわらずCLベスト8に残ったのは立派。ただ優勝は厳しいか。モナコは去年の主力軒並み離脱が痛かったね。それでも決勝トーナメント進出という結果はノルマクリアーのはず。次はリーグ戦でCL圏内を目指したい所。サビオラモリエンテスにはなれなかった。来シーズンはどこにいるんだろう?

凄まじい試合でしたな。見所ありすぎ。4-2か。こんなスコアになるとは予想もつかなかった。チェルシーが勝ち抜くとしたら最少得点差で守りきると思っていたのに。
まずチェルシーの先発が驚きだった。グジョンセンとケジュマンの2トップに加えて、攻撃的なダフとジョー・コールを併用してくるとは。戦前ではCFはグジョンセン一人で左右にダフとコールの4-3-3、少なくとも3人の守備的な資質に優れたCHを並べる形は崩さないと思ったのに。守備一辺倒ではないモウリーニョの強気な采配。序盤から勝負を掛けて、前からの積極的なプレスも功を奏した。
バルサはまさか序盤立て続けに3失点。不用意なボールコントロールからカウンターで切って落とされたわけだけど、チェルシーのプレスに加え芝目の悪さも影響したか。芝が悪いんだし、チェルシーは序盤から強烈なプレスで勝負をかけてきたから、バルサは試合が落ち着くまで簡単にボールを前に蹴るような入り方でも良かったかも。
チェルシーバルサの穴をついたカウンター見事。トップに当ててすぐに2列目に落し、バルサがラインを上げたら、後ろから選手が飛び込んでくる選手にスルーパス。それを正確にダイレクトで実効。SBの上がった隙も逃さない。バルサの浅いラインの弱点をチェルシーは見事にに突いてきた。ダイレクトプレイが主軸だし、前線の選手のスピードもかなりので、序盤浮き足立ってしまったバルサは捕まえ切れなかった。
チェルシーの堅守を前に3点差では勝負ありかと思われたけど、ロナウジーニョの閃きがそれを許さない。PKで一矢報いると、敵・味方・観客の全てを欺くノーステップシュートで一点差。あの状況ではDFも飛び込めないし(また抜きを警戒してた)、シュートモーションさえなかったのからGKも反応できない。凄すぎ。アウェーゴールの関係上、この状況のままではバルサが勝ち抜け。
前半だけでお腹一杯だけど、後半も負けじと凄かった。ポゼッションを握って攻めるのはバルサだけど、チェルシーも鋭いカウンターで両者譲らず一進一退の攻防。チェルシーの守りは相変わらず堅い。バルサの猛攻をチェフがスーパーセーブの連発。他のプレミアのビッグクラブのGKとは1枚も2枚も違う。
バルサ最大のチャンスは、イニエスタの決定的なシュートはポストを叩き、こぼれ球がエトーの目の前に。これをふかしてしまったのが悔やまれる。イニエスタも素晴らしい攻撃的資質を発揮するんだけど、シュートがいつも決まらない。惜しいシュートが多い印象。この決定機をはずした直後に、セットプレーからテリーのヘッドが火を噴いた(カルバーリョがファウルすれすれでGKをブロックするアシスト)。チェルシーが2点差リード。
もう点を入れるしかないバルサが猛攻を仕掛けるけど、チェルシーの鉄壁の守備陣が水際で食い止める。逃げ切りモードのチェルシーに対して、バルサは高さでは崩せないし、スペースを消された状況ではどうにも苦しい。一戦目に救世主であるマキシ・ロペスも不発。
チェルシーは終了間際にマケレレの突破からカウンターのチャンスがあったけど、そこで憎らしいばかりの時間稼ぎ。この辺が打ち合い大好きのプレミアでは守備的と叩かれるところなのかな。終了間際にリードしている状況で、リスクを犯して攻め込む方がどうかと思うけど。北朝鮮で終了間際に意味なくこねて逆襲喰らっていた日本代表も見習ったほうが良い。
終了直前のロナウジーニョの鬼気迫るドリブル突破、そこから得たデコのフリーキック。最後まで目の離せない、どう転ぶわからない展開だった。バルサからしたら、2点連取後の自分達のペースの内に、とどめの3点目を決めたかったところ。決めれる時に決めないとやられますな。
バルサマルケス不在が痛すぎた。中盤の底のポジションを努めるのにジェラールでは荷が重すぎ。ライカールトは彼の高さを選択したのかな。本来彼は前への推進力が持ち味の選手で、アルベルティーニのような深い位置からの展開力も、本職のようなフォアリベロとしての守備力も望めない。SBがガンガン上がって2バック状態になった時、DFラインの位置に下がって3バックを形成するようなようなこのポジションの役割も、本来DFのマルケスほど上手くなかった。広いスペースを埋めるほどの走力があるわけでもない。普段とは比べ物にならないほど、バルサバイタルエリアはスカスカだった。
もっともモッタ、エジミウソンマルケスと、このポジションの選手が3人も出場できない状況は、バルサにとって運がなさ過ぎた。怪我人続出の上、ターンオーバー出来ない脆弱な選手層ゆえのチーム全体のコンディション低下もあったか。コクー、ダービッツルイス・ガルシアあたりがいればというところ。総合的な選手層の勝負でもチェルシーが上回った形。チェルシーは攻撃の中心であるロッベン不在で4得点も挙げてしまったのだから。
バルサがここで消えるのは残念すぎるけど、チェルシーも勝ち抜くに値する好チーム。少なくとも戦前言われた守備一辺倒の退屈なチームではない。普段はリスクを極力抑えた試合運びをするだけで、やる気になれば点を取りに行ける攻撃力は有している。相手の弱点を突く能力ではバルサを上回る。バルサは良くも悪くも自分たちのサッカーを貫くしかなく、戦術的柔軟性には欠ける。
チェルシーロッベンが怪我から戻ってきたら今後に向けて更に期待できる。ミランと並んで優勝候補筆頭かな。バルサはまさにグッドルーザー。ベスト16で消えるレベルのチームではなかった。守備の不安だけがネックだったか。事実上の決勝戦の名に相応しい名勝負でした。