ビエルサ辞任

サッカー、アルゼンチン代表のマルセロ・ビエルサ監督が14日、突如辞任した。疲労を理由に挙げ、同監督は「次の試合の準備に入ったとき、以前はあったエネルギーがなくなっていたことに気付いた」と話した。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20040915-00000008-kyodo_sp-spo.html

燃え尽きてしまったようだ。けっこう喜んでいるアルゼンチンファンは多いのね。「常識的にチーム作れていなく、ファンを魅了する術を知らない」みたいに書かれてたし。常識的云々は眩しすぎて何も言えなかった。
サビオラなどの人気タレントでも容赦なく干すから評判が悪いんでしょう。機能しているシステムを崩してでも、サビオラクレスポテベスアイマールダレッサンドロ、ベロンなどの有名タレントの共演を待望する意見も多かったようだし。CFタイプによる3トップや、トリプル司令塔なんて夢物語だと思うけどね。賢明な監督なら誰もそんなことはやらないと思う。ゲームじゃないんだから。
ビエルサじゃなきゃ、ルーチョ、マスチェラーノ、ロサレス、デルガドといった若手抜擢する事もなかっただろうに。テベスも他の監督ならこれほど早く大ブレイク事もなかったでしょう(ビアンチなら分からんが)。有名タレントを並べたサッカーが観たい人には朗報なんじゃないでしょうか。
コパの少し前あたりから、ビエルサのサッカーが完成の域に達してきただけに残念ですな。自分の理想の枠に選手を無理やり当てはめる事からようやく脱皮したというか。若い選手と共に、ビエルサ自身も成長していった。そしてオリンピックでようやく初タイトル。それまでは運に見放されすぎてた。コパの決勝敗退なんてビエルサだけの責任じゃないし。ロスタイムに2点入れられる選手の集中力の欠如と、一方的な状況で2点奪ってしまうアドリアーノが怪物すぎるだけだと思うんだが。人気タレントを重用しないことでいわれない批判も多かったし、そういう意味で少し気の毒な監督だった。
アルゼンチン人(サポ)ではない自分にとって、アルゼンチンに望むは楽しめるサッカー。そういう意味では、攻撃的で連動性もあって、最高に興味深いサッカーだったな。アテネ五輪で素晴らしいサッカーが観れて良かったです。このサッカーを2006年のワールドカップでも観たかった所なんだけど。しばらくは休養するのかな。欧州のビッグクラブの監督なんかに就任したらおもしろそう。ビッグでなくてもいいけど。そこでビエルサの申し子達を獲得して夢の続きを。でもビエルイズムが浸透するまで時間が掛かりそうだから、どこにいってもそれなりの苦労はするんだろうな。お疲れ様でした。
後任候補を見ても、ビエルサのような観ていて楽しい攻撃的サッカーはもう帰ってこないんだろう。ビアンチが大本命か。そうしたらボカっぽくなっちゃうのか。クーペルなら弱くはならないと思うけどね。こうなったらクーペルでも良いけどな。ビエルサの起用法で「タレントを干す」とか言ってる奴は、クーペル就任で絶望を味わうのも一興。まあ、ビエルサの遺産をうまく継続してくれる監督がいいですな。