格闘技のファンタジスタ

格闘技でファンタジスタの定義を無理やり決めるとすると、まず強いのは大前提。少なくともプロレベルでなくてはいけない。いくら観るものを楽しめさせられる選手であっても、アマチュアレベルでは少し違うんじゃないかと。存在自体ファンタジーであっても、曙なんかは断じて違う。実力が世界トップクラスだとさらにポイントアップですな。
そして身体能力よりテクニック面が優れている事。身体能力が最大のセールスポイントであるサップなんかは問題外。テクニックといっても、相手の良さを封じるようなテクではなく、一本ないしはKOが奪えるテクだと申し分ない。いくらテクニックに優れていても、膠着を誘発する地味な実力者は入りません。メッツァーとか。極めが強いとポイントが高いです。
そして見る者の想像もつかない突飛な技、観るものを見惚れさせるような華麗な技を決められること。それが実効面を伴っていると尚良し。桜庭のPRIDE初期のソバット、ストンピング猪木アリ状態からのロー連発、ノゲイラのスピニングチョーク、ハリトーノフシュルト戦でのロシアンポジションなんかはポイントが高いですな。既に確立されているセオリー通りのタクティクスを持つ選手はポイントが低い。
付加価値として人気(興行的貢献度)が高い選手はポイントがアップ。重要な試合で魅せた選手とか。この辺ですか。時代によって移り変わっていく面もあると思います。
格闘家で無理やり喩えると誰なんだろう。やはり全盛期の桜庭とルミナですかね。あとはリングスルール限定のヴォルグ・ハンや田村(純粋な格闘技かどうかは置いておいて)。皆試合が単純に面白かった。桜庭は上記のような技のデパートだったし、ルミナの常に一本を取りにいく積極性や秒殺劇には観るものを驚かせる魅力があった。ハンのコマンドサンボの衝撃、田村の回転体なんかも魅力的。
現在トップクラスのミルコ、ヒョードル、ヴァンダレイなんかは少しイメージが違うかな。身体能力が先立つイメージ(勿論技術も素晴らしいですが)。ノゲイラは近いかも。サップ戦は素晴らしかった。トム・エリクソンと渡り合ったブス先生もファンタジスタグレイシーは存在自体がファンタジーUFC初期のホイスはファンタジスタを超越した存在。サッカーでいうところのマラドーナのような。カンポ路線でいうとヤマヨシや永田さんとか。まあ、ファンタジスタの解釈は人それぞれです。