アルゼンチン代表戦

GK:1 楢崎正剛
DF:3 田中誠→18 松田直樹(後半0分)、5 宮本恒靖(Cap)、22 中澤佑二→16 藤田俊哉(後半0分)
MF:21 加地亮、15 福西崇史→4 遠藤保仁(後半12分)、6 中田浩二、14 三都主アレサンドロ、8 小笠原満男→19 本山雅志(後半13分)
FW:11 鈴木隆行、20 玉田圭司→26 山田卓也(後半35分)

アルゼンチンはメンバーのほとんどがA代表の常連ではなく、チームとしての共通理解・組織成熟度は低いはず。監督のビエルサも五輪のため不在、しかも選手はろくな準備期間もないまま直前合流。所属リーグが開幕前のためコンディションは万全ではなく、移動の疲れや時差の影響まである。そういった状況の中で、ピッチの中に入ればこれだけ高レベルのサッカーをやってしまう。これが世界との差なんですかね。終盤は流石に足が止まっていたけど。
日本の選手もそうなんだけど、アルゼンチンの選手は体に切れがなくて、いつもリーグで見せているようなプレーは出来ない。それでも判断力の高さ、球際の強さ、蹴る止めるといった基本技術の高さは秀逸。パススピードの速さ、トラップの正確さ、そしてスペースへのフリーランニング、スペースへの正確なパスから成るパスワークは、たとえ寄せ集め的メンバーでも健在。日本の足元パス回しとは対照的。
リケルメのパスの出し所やテクニックは相変わらず高品質で、そんな彼でもメンバー入りが厳しいアルゼンチンのトップ下の層は凄まじい。でもチームの連動性を考えたらレギュラー奪取は厳しいか。良くも悪くも自分メインでプレーしたがるからね。決定機も外していたし。他のアルゼンチンの選手も日本とは基本技術の差が段違い。
アジアでは鉄壁を誇った中澤も、競り合いで圧倒できなかったり、一対一でかわされる場面も。鈴木のキープ力、玉田の突破力もアドバンテージにはならず。ミスの数の差も顕著。通用する所もあったけど、個人ではまだまだ差がある印象。そのためには組織力の向上が最優先課題。相変わらず脆い両サイドの人選は再考が必要なのかも。
そういった個人能力だけではなく、寄せ集め的なメンバーでのぶっつけ本番であっても、ピッチに入ればきっちり連携を取れる対応力、すぐに組織立ったプレーをやってしまう戦術への適応力。そしてチームの根幹にある良く組織されたシステム・戦術。ここが日本との大きな差。
オリンピックでも日本と世界のサッカーは顕著に表れたけど、フル代表レベルでも差は大きいと再認識。立ち上がりの混乱を突かれて、ミスから失点というのは日本共通の課題なんですかね。個人能力で優るアジア相手には何とか通用したジーコのサッカーも、対世界ではまだまだ課題も多いですな。個を最大限生かせるような確固たる組織力なしではこの先世界を相手にするには厳しいのでは。とにかくインド戦に向けて頑張って欲しい。
MVPは名波の解説で。