ポルトガルvsギリシャ展望
試合展開はポルトガルが圧倒的ポゼションで攻めて、ギリシャがそれを凌ぎながらカウンター狙いという大方の予想通りの展開になると思う。
両チームのスタメンは基本的に準決勝と変わらないでしょう。
ギリシャは中心選手のカラグニスが欠場だけど、致命的ではないと思う。ギリシャは個に頼るようなチームではないし、序盤はスタメンだったジャナコプーロスが怪我から復帰してきたので穴は埋められる。切り札のツァルタスはこれまで通りスーパーサブで取っておいた方が良い。
ポルトガルは変えるとしたら1トップの人選*1。今大会のパウレタでは得点を期待できないけど、ポストプレーという点ではヌノ・ゴメスを上回る。ただしパウレタは初戦のギリシャ戦で完封されてしまった。フェリペがどちらを選択してくるか注目したい。
ギリシャは4-5-1とも4-4-2とも5-4-1とも見える形。相手選手にマークを張り付けていくだろうから、相手の出方によってシステムはその都度変わっていく*2と思う。FWは登録上は2トップだけど、FWの内の一人(カステリアス?)は右サイドに張り出してくる*3。中盤4人の内、左に一人*4置いて、後の3人は3ボランチを形成。右のスペースはサイドに開いたFWの一人が担当。4バックはマンマークリベロシステム。
ポルトガルの1トップにはCBカプシス、サイドのC・ロナウドとフィーゴにはSBのフィサスとセイタリディスがきっちりマンマーク*5してくるでしょう。CBで余っているデラスがカバーを担当。この4バックは堅固。中盤の底は恐らく3ボランチ気味で、カツラニス、サゴラキス、バシナスの3人でマニシェとデコをきっちり押さえ*6、マンマークで崩れたバックラインのカバー、マンマークしている相手前線のケアも担当。ポルトガルの両SBの上がりも、中盤左のジャナコプーロスと、サイドの張り出したFWカステリアスできっちりケアー。トップのウリザスが前線でのチェイスを惜しまない。
全選手が守備的役割を精力的にこなし、守備時には常に数的有利を保ってくるので隙は中々生まれない。初戦のポルトガルもスペインもフランスも、ギリシャのマンマークを基調とした鉄壁の守備に苦しめられた。
ポルトガルはこれをどう崩していくのか、この点が凄く興味深い。フランスみたいにチンタラ戦っていたら勝ち目はない。マンマークには、選手が流動的にポジションチェンジを繰り返して崩していく攻めが有効。幸いポルトガルは、両サイドと中央のデコ*7を中心に積極的にポジションチェンジを繰り返して崩す攻撃を得意としている。ただし一対一になったら個人技頼みになるので、サイド攻撃はフィーゴとロナウドのドリブルの出来にかなり左右されると思う。
マークが付いていない後方からの飛び出しも有効。両SBのオーバーラップや、DFラインの前で守備を第一としているコスチーニャのフォローも欲しい。ヘッドに強いコスチーニャが後ろからクロスに飛び込んでいくような攻めが有効だと思う。初戦で見られなかったクロスに対してのファーへの飛込みにも期待したい。とにかく分厚い攻めが欲しい。
名将同士による采配合戦にも期待したい。今大会は交代・システム変更が勝負の分かれ目になることが多い。状況によって監督がどう動くのか、それが試合展開にどう反映されるのか。要注目。
そこで鍵を握るのがスーパーサブの存在。両チームとも駒は複数いるけど、ここでは二人の選手に絞って書いていきたい。