ポルトガルとオランダ
これまで大舞台では相手を圧倒しながら敗れてきたオランダ。今日はそんな勇姿は見る影もなくなっていた。枠内シュートはたった一つ。ポルトガルの完勝。
攻撃の大部分が個人技頼みのサイド攻撃では苦しい。中盤からの前線を追い越すようなフォローや、後方からの素早い展開がもっと見たかった。オランダは好きなナショナルチームだけど、アドフォカートがファイナリストになるのは癪なので、準決勝敗退に不満はない。監督駄目すぎ。どん底の予選から見事に蘇ったプレーオフ、スナイデルとラフィを中心とした攻撃的サッカーを、少しでも本大会に還元して欲しかった。追い詰められたらパワープレーって*1。それで前も負けてなかったっけ。
ポルトガルは見事な勝利で決勝へ。初戦の敗北から苦しみながらも巻き返してきた。黄金世代を切り捨てたフェリペの英断がもたらした躍進と称されているけど、個人的には黄金世代と逸れ以外の選手たちが、チームにバランスよく融合した成果だと思う。
黄金世代のブレーキで惨敗した初戦*2しか民放放送されてないから信じ難いかもしれないけど、初戦不調だったフィーゴは尻上がりに調子を上げてきて、一人で複数のDFを引き付けれるようになってきたし、ルイ・コスタもスーパーサブとして大活躍している。
何も彼らが“功労者に対する温情”や“負けた時の国民に対する言い訳”なんかで使われているわけではない。プレッシャーのかかる大舞台で、彼らの修羅場を潜って来た経験は貴重。そこにFCポルト勢を初めとする中堅や、ロナウドに象徴される新星が融合して好チームが完成した。ファイナリストに相応しいチームだと思う。
ただし決定力不足は相変わらず。決定機を確実に決めないと、もう1ランク上の相手には勝てない。そこに至るまでの展開は美しくても、GKと一対一になったパウレタやデコが決めなければ意味がない。個人技頼みの攻撃も相変わらずで*3、主力選手が不調だと全体に影響する可能性もある。でも常に攻める姿勢は好感が持てるので頑張って欲しい。良い決勝戦を期待してます。
