グループD

ドイツが機能していた1トップから2トップに変えたのは、引いて人数を掛けて守るラトビア対策として分からないでもない。でもここでボビッチなんていう得点の匂いを微塵も感じさせないFWを使うのはフェラーだけでしょう。

得点力不足は相変わらず深刻すぎる。それは個々の実力不足もあるし、チームとしての攻めにも工夫がなさすぎるから。ミドルシュートと放り込み主体で攻め手が極端に少ない。あれだけ人数をかけて引いて守る相手を崩すのは容易でないんだけど、それを崩したチェコと比較すると雲泥の差。得点の予感を一番感じるのが中盤のバラックだという時点で多くは期待できない。

正確なクロス・FKやドリブル突破で唯一攻撃に変化をつけられるシュナイダーを、途中で交代させてしまうのも疑問。その役割を19歳のシュバインシュタイガーに託す時点で、選手層の限界を自ら露呈している。彼も局面では好プレーを見せるけど、周囲と連動する姿勢に欠けていて、明らかにチームの中で機能していない。左SBのラームだけが唯一輝いていた。

ラトビアのカウンターは鋭利な刃物のように鋭い。特にFWのヴェルパコフスキスのスピードは驚異的で、大会後にはオファーが殺到するんじゃなかろうか。PK奪取してもおかしくない場面もあって、スピードのないドイツのDFを一人で蹂躙していた。最後で決めきれないのが、チームとしての攻め手と経験の不足による限界かな。

ドイツは相手なりに善戦すると思うんで、チェコ相手に勝つチャンスは十分ある。ラトビアはオランダの攻撃を体を張って凌いで、一発のカウンターの賭けたい。