スペインvsギリシャ

前半終了。スペイン先制。ラウールがDF2人を引き付けての見事なヒールパスから、モリエンテスがDFをワンステップで交わしてゴール隅にシュート。ラウールとモリエンテスの阿吽の呼吸は素晴らしい。2年前までは頻繁に観られた光景の再来。マドリスタだけでなく他チームのファンもこのコンビの良さ・怖さを分かっているはず。この2人にタイプの違うバレロントーレスが控えているのは脅威。ラウルを外してのバレロン待望論もあるけど、モリエンテスバレロンは実戦でほとんど試していない。少し非現実的すぎるかな。
アルベルダとバラハのコンビは、ギリシャの激しい当りにもポルトガルのように負けないから、ギリシャの早くて強いチェックにも動じないで繋げるし、相手のカウンターも潰しやすい。肉弾戦は凄い迫力。この2人のバランス感は絶妙で、シャビ・アロンソの展開力も捨てがたいけど、先発としてはこの2人かな。膠着した展開でアロンソ投入という策を残せるのもメリット。
スペインのピッチをワイドに使うサイド攻撃は見てて気持ちがいい。独力で突破するような個人技もあるんだけど、それだけに頼ることなく自分達から動いてバスコースを創って行く。しかもワイドに展開していくから、ギリシャのDF陣も中央だけを固めているわけにもいかず徐々に隙間が出来てしまう。でもFWも組立てに参加するからチャンスにゴール前が薄くなってしまうことも。
カウンターチームから先制点を奪えたのはスペインにとって大きい。リスクを犯して攻める必要がないから、ギリシャのカウンターを凌ぎやすい。激しい肉弾戦も互角に渡り合っている。逆にギリシャは厳しいな。
後半終了。後半、スペインのホアキン投入。波の激しすぎる彼の起用はギャンブル近いんだけど、攻撃面では大当たりだった。彼を中心にチャンスを創ったけど、決定機に決めとかないと追いつかれてしまうわけだ。ここがスペインの勝負弱さ。ギリシャのカウンターからのシュートは凄すぎ。肉弾戦も熱い。開幕前にギリシャが2戦消化して勝ち点4を獲得すると予想していた人は少ないと思う。組織されたチームは簡単には崩れないということか。カウンターチームが先制されて追いつくのは並大抵のことではない。初戦はフロックでも何でもなかった。
追いつかれた後、最後の交代枠でサエスはFWのラウールを下げてFWのトーレスを入れた。システムを崩してFWの人数を増やすことはせず、新しい血を入れるに留めたわけだ。初戦は勝ってるし、この試合も負けてるわけじゃないから逆転されるリスクを犯したくなかった気持ちは分かる。でも追いついたギリシャにそこまで攻める気はなかった。この引き分けという結果が吉と出るか凶と出るか。リスクを犯しても良かったような気もする。
終戦までに勝負を決められなかったことが痛手なのは間違いない。警告を受けていたり疲労のあったりする選手を休ませることも出来ないし、相手はホームアドバンテージのあるポルトガルで勝てるとも限らない。スペインには厳しい戦いが待っている。