グループD

オランダ、チェコ、ドイツの3カ国の争いですかね。プレーオフでトルコを破ったラトビアはけして侮れないけど、流石に予選突破は厳しいと思う。ラトビアに取りこぼしたチームが予選落ちしそう。

オランダ

http://jp.euro2004.com/tournament/teams/team=95/index.html
そういえばまだオランダについては書いてなかった。
不透明だったシステムはどうやら4-3-3で決まりそう。贅沢なFW陣を生かすためにな2トップで行こうとしたみたいだけど、ファン・ニステルローイクライファートの2トップが親善試合でほとんで機能せず。ゴールを奪う事にかけては彼らに勝るとも劣らないマカーイも、点取り屋がパートナーの2トップというシステムでは生きそうもない。1トップで両ウイングを生かすサッカーへの帰結は懸命な選択でしょう。
そのウイングは右がファン・デルメイデ、左がロッベン。ただしロッベンが怪我明けなんでオーフェルマウスが代役を務めそう。皆スピードがあって独力でドリブル突破できる優れたウインガー。オランダの攻撃の生命線。
トップ下は新鋭ファン・デル・ファールト。高い戦術眼でボランチやサイドもこなせるけど、本質はセカンドストライカータイプかと。FWの空けたスペースには必ず侵入してきて、抜け目なく得点を決めてしまう。相手を背負ってのプレーもうまく、素早い反転からのシュートも正確。特にファーストタッチが絶品で、高い判断力と相まってDFに寄せる隙を与えない。正確なパスからのチャンスメイクもできる。オランダの攻撃は若干21歳の彼が中心でしょう。
ボランチは多種多彩。レギュラーはダービッツスナイデルダービッツはご存知の通り驚異的な運動量で中盤のスペースを埋め、相手をハードマークで自由にさせない。20歳スナイデルは展開力に優れた司令塔タイプ。両足で同じような高精度のパスが出せて、特に一発で相手を切り裂くロングフィードは絶品。ミドルシュートとFKも強烈で、彼がキッカーのセットプレーはチームの大きな武器。ただし守備面やハイプレッシャーの中でのプレーに多少の不安も。ここに万能セードルフもいるんだけど、ダブルボランチでの起用は難しそう。トップ下で起用されないことに不満を漏らしている。
CBはコクーとスタムのコンビ。両者とも高い守備能力を誇るけど、守備組織として成熟しているとは言い難い。本職の少ないSBに不安もある。左はボウマ、右SBは若手のヘイティンガかな。GKはフェン・デル・サールで問題なし。波はあるけど、シュートへの反応の速さは素晴らしく、足元の技術は天下一品。攻撃の起点になれる数少ないGK。足元に自信がありすぎて、相手を交わそうとしてボールを取られるような大ポカを偶にしますけど。
ポッゼション志向で、サイドからワイドに攻める攻撃的サッカー。長所としてユーティリティー性を備えたタレントが多く、レギュラー選手の不測の事態に対処しやすい。選手個人の能力は強力だけど、チームとして個の能力を十分生かしているとは言い難く、EURO2000のオランダのようなサッカーは出来そうもない。とはいえ一旦噛み合えば恐ろしい攻撃力を発揮しそうなポテンシャルはある。今大会を盛り上げるためにも爆発的な攻撃力を復活させて旋風を起こして欲しい。散るならかつてのように美しく、けして無様には散って欲しくない。アドフォカート抜擢された若手がどれだけ成長を見せるか楽しみにしたい。
個人的にはサブのマカーイに頑張って欲しい。いまいち知名度は低いけど、これほど怖さのあるFWはそういない。デポルでも散々見せてもらった。ボールを受ける前に勝負をつけてしまうゴール前での動きの質はハイレベルだし、味方からのサポートがなくてもどうにかして得点を決めてしまう。無駄なことはせずプレーの大部分がゴールに直結している。バレロン離脱中のデポル、今季のバイエルンの様な組み立てに難のあるチームで得点を量産してしまう能力はホント凄いと思う。スピードも高さもあって、両足でもヘッドでもゴールを決められる。特にダイレクトボレーの精度は世界一だと思ってます。ちなみに周りを生かすプレーには期待できません。カウンターで最強なタイプだけど、オランダがカウンターを使うはずがないのは歯痒い所。ポゼッション志向で美しく勝ちたいお国柄ですからね。

ドイツ

http://d.hatena.ne.jp/souno418/20040605#1086365532
デンマークスウェーデンといったところよりもチーム力は劣ると思うけど、何かやらかしそうな気もする。理由は“ドイツだから”という陳腐なモノなんですが。

チェコ

http://jp.euro2004.com/tournament/teams/team=58837/index.html
日本戦の前後で散々語られていたから省略。ちなみに日本戦のように3-5-2でくることはないと思います。4-1-4-1ですね。運動量豊富な中盤の組織的なプレスでボールを奪ったら、早いタイミングで1トップも長身コラーに展開して、足元にも優れた彼のポストプレーからネドベドを始めとした強力な中盤の選手が飛び込んでくるカウンターサッカー。組織的成熟度は今大会№1。本当のチェコが見られるでしょう。

ラトビア

http://jp.euro2004.com/tournament/teams/team=56558/index.html
えーと、よく知りません。雑誌やネットで蓄えた情報はあるんだけど、選手のプレーやチームとしての戦い方を自分の目であまり観ていないので何とも言えない。予選でもあまり注目してなかったんで記憶にない。すんません。
唯一“ラトビアオーウェン”と一時期騒がれていたパパスのプレーは好印象がある。でも大怪我する前のプレーなんで今はどうなのか知らない。今季途中加入したディナモ・キエフで大活躍のべルパコフスキーが凄いらしいけど、ウクライナリーグは観れないんで詳しくは知りません。試合をフルタイムで見てから評価したい。評判を聞くとカウンターは鋭そうで侮れないとは思う。