イタリアvsデンマーク

前半終了。予想以上にいい試合。やっぱEUROに外れはないなあ。デンマークは相変わらずいいサッカーをする。
前半はデンマークが主導権を握って攻めている。デンマークのプレスが早くてイタリアは自由に攻撃が出来ない。デンマークのボールを奪ってからのカウンターのパスワークが見事すぎ。選手が空いたスペースに走って自らパスコースを作り、出し手もそのスペースに正確なパスを送って、そこからパスを出した選手がボールを持った選手を追い越していく。人もボールも早いタイミングで動かしていく組織的なパスサッカーを、お家芸のサイド攻撃に上手く生かしている。
サイドに展開した時には左のヨルゲンセンが抜群のキープ力で起点となって周りを生かし、右のロメダールは驚異的なスピードを生かしたドリブル突破。これにSBのオーバーラップも加わってピッチををワイドに使うサイド攻撃が効果的になされている。攻撃の起点ヨルゲンセン好調が大きい。シュートは枠にいってるし、ドリブルやパスでチャンスを演出している。サイドアタッカーの質はイタリアとは比べ物にならない。グラベセン不在のボランチも豊富な運動量でイタリアの攻撃陣をよく潰している。
イタリアにも惜しい得点機はあったけど、ソーレンセンがスーパーセーブ。これは波に乗っちゃったっぽい。トッティはハードマークに苦しんでいる。イタリアのボランチはハイプレッシャーの中での展開力がそれほどないから、トッティが抑えられるとサイドにもトップにも上手く展開できない。この膠着した展開を打破するため、リスク覚悟のピルロ投入はあるのかな。イタリアは相変わらずの守備的なサッカー。でもこういう展開でワンチャンスをモノにして勝ってしまうのもイタリア。まだまだわからない。
後半はイタリアが少し盛り返してきた。デンマークは前半ほど激しいプレスやサイドの上がりが見られない。この暑さの中で前半あれだけ飛ばせばしょうがないか。一方のイタリアも中々思い通りに試合を運べない。それでもトッティのスルーパスと、ビエリにヘッドの強さは流石。
今日のイタリアではパスを効果的につないで崩せないし、サイドからの突破も出来ないんだから、もっと簡単にビエリの頭を狙っても良かった。まあ、デンマークのDFも高さはあるから上手くいくとは限らないけど。こういった膠着した時に頼りになるのが展開力があってゲームを創れるピルロなんだけど、トラップに初戦で中盤の守備力を下げるリスクを犯すような真似は出来ないんでしょう。
4-2-3-1より、2トップのトップ下にトッティを置いた4-3-1-2にした後の方が攻撃が作れていた。どうせサイドから厚みのある攻撃をするつもりがないんだから、このシステムでカウンター狙いの方がしっくりくる。この辺はまた後日詳しく考えてみる。ロメダールのスピードを生かした突破は速すぎ。両GKは素晴らしかった。
トラップの「攻撃的に行く」だなんて発言通りに物事が進むわけなく、結局は前線の個の力に頼ったカウンターサッカー。チームとしてサイドからの押し上げが一切ないから中央しか攻め手がない。ただしポゼションで崩していくようなテクニカルなチームと違って、堅い守りと強力なアタッカーがいるイタリアはこのサッカーでも問題ないんでしょう。守りはやはり鉄壁。予選で苦戦するのはデフォだし、ここから手堅く巻き返してきそう。まだまだどこが勝ち抜くか分からない。
多くの人が予想したように、このグループCが一番高いレベルで実力伯仲していて混戦模様になりそう。デンマークは決勝トーナメントでも見たいチームに一つですな。スウェーデンブルガリアの結果も気になるけどもう限界なので寝ます。