No.3

「俊平1/50」山本貴嗣+柳田理科雄
 新連載。これはおもしろくなりそう。
 山奥の研究所見学に訪れた中学生1クラスの生徒たちの目の前で突然の事故発生。彼らが目覚めたときには周りの様子がおかしくて・・・。といったあらすじ。学生のパニック物としては典型的な乗り物移動のシーンから始まり、パニックシーンでも様々な事件が巻き起こりテンポよく読ませる。結論から言えば題名のとおり体が1/50の大きさになってしまうわけだけど、監修に科学的考証に長けている人物を据えてあるだけに、水の表面張力の影響など空想科学にみちた描写が読ませる。これから起こるパニックも興味深いものになりそうだ。
サトラレ佐藤マコト
 サトラレを保護しようとする委員会が、どうもサトラレの利益を無視して、自分達の利益だけを考えてる自分勝手な連中に見える。悪役として描かれているはずの、サトラレ撲滅を目論む教授の方がまだ好感を持てる。まあ作者も半分意図的に描いてるんだろうとは思うけど。
 今回もサトラレ本人はボクサーになりたいんだけど、サトラレの健康上危険(頭部による打撃によって国家にとって有益な能力が消えてしまう恐れがある)という理由で、ボクサーの道を諦めるように様々な陰謀を張り巡らす。その辺の過程がどうも感情移入できない。ただ委員会ではなく、担任を絡ませた結果導きだした結末はよかった。