U-21合宿メンバー発表

GK 佐藤昭大(広島)、松井謙弥(磐田)
DF 柳楽智和(福岡)、細貝萌(浦和)、河本裕之(神戸)、一柳夢吾東京V)、家長昭博(G大阪)、田中輝和(大宮)、森下俊(磐田)、丹羽竜平(神戸)
MF 寺田紳一(G大阪)、谷口博之(川崎)、高萩洋次郎愛媛FC)、高橋義希鳥栖)、渡邉圭二(福岡)、上田康太(磐田)、古部健太立命館大)、関口訓充(仙台)
FW 平山相太(FC東京)、石井謙伍(札幌)、田中佑昌(福岡)、前田俊介(広島)

オシムの求める選手がはっきり見えるフル代表と違い、反町監督の選考基準はよく分からない。とりあえず中国遠征に呼べなかった選手と、ナビスコ組みを除いた中から、気になる選手を呼んで見極めたいという所かな。


J1勢では、この世代のJ1のFWでは一番ゴールを決めている名古屋の津田、偶に試合に出ている名古屋の須藤、清水の杉山、マリノスの狩野、他のもJ2でレギュラークラスの選手が数人選ばれていなくて、Jリーグに少しどころか全く出場していない選手が選ばれているけど、それはそれだけの価値がると反町監督が踏んだんだろうか。その辺を聞いてみたい。今回召集された大学生は一度も見たことない選手なので何ともいえない。まあJリーグで試合に出ている選手より将来性のある選手なんだろう。


とりあえず、Jリーグで1ゴールも決めていなくて、1トップ適性のある選手でもなく、セレッソではサイド起用が主な苔口を、初戦でいきなりスタメン1トップにするような選手適性を無視した起用法は辞めて欲しい所。練習試合では、しっかり適材適所で選手を使って、取捨選択の見極めをしてもらいたい。


この中で最近のJリーグで出場機会を得ているのは、ここ2戦スタメンCBの柳楽、神戸のレギュラー格の河本と丹羽、鳥栖の主軸ボランチの高橋、川崎の主軸ボランチの谷口、愛媛の主軸ボランチの高荻、ジュビロの主軸ボランチの上田、この世代のJ2のFW得点王の石井あたりなのかな。名古屋の左サイドの渡辺、ガンバの右サイドの寺田、福岡のFWの田中、仙台のアタッカーの関口もそれなりに試合に出ている。


とりあえず実際のプレーを見て、個人的に気になっている選手、ベストメンバーでの登録候補にも入ってきそうな選手の印象。上田については下で書いている。

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川崎vs磐田

川崎フロンターレ 3 - 4 ジュビロ磐田 
'15 我那覇和樹(川崎F)、'37 福西崇史(磐田)、'51 ジュニーニョ(川崎F)、'57 カレンロバート(磐田)、'78 中山雅史(磐田)、'87 前田遼一(磐田)、'88 我那覇和樹(川崎F)

ジュビロの今シーズンのベストゲーム。というかここ2シーズンでもベストに推したい。強い相手に主体性を持って攻め勝てたのは久しぶり。ぶっちゃけバカゲームだったけど、優勝争い中の強豪チーム相手に打ち合いを制すのは気持ちが良いね。こういう試合を見ると、雨の中で濡れてもまた行きたくなる。わざわざ映像でも見返してしまったよ。

ジュビロ磐田
川口能活鈴木秀人田中誠金珍圭服部年宏太田吉彰菊地直哉(71分茶野隆行)、上田康太福西崇史(83分犬塚友輔)、カレンロバート(64分中山雅史)、前田遼一

ジュビロはチーム№1の直接フリーキッカーであるボランチファブリシオが累積警告、西と成岡が一ヶ月以上の怪我で離脱し、前節に途中出場でゴールを決めた船谷も体調不良で欠場。非常にやり繰りが苦しい状況。そんな中、試合ごとにチーム構成を変えるアジウソン監督が、前節の爆発の大きな要因だった前田、カレンの2トップと、太田、秀人の共存を維持してくれたのは大きい。

川崎フロンターレ
相澤貴志箕輪義信寺田周平(63分米山篤志)、伊藤宏樹森勇介谷口博之原田拓(70分マギヌン)、マルコン、今野章(46分中村憲剛)、我那覇和樹ジュニーニョ

前節の神奈川ダービーの雑感で書いたように、川崎のキーマンは中盤の底から試合を組み立てるの中村憲剛。なんと関塚監督は、ミッドウィークのナビスコ準決勝千葉戦と、来週のガンバ戦を見越してか、その中村とトップ下のマギヌンを温存。今のジュビロならこの布陣でも勝てると踏んだんだろうか。舐められたものだ。もう山本監督はいないのだよ。



神奈川ダービー雑感で注目すると書いたお互いのボランチ比較。中村の代役の原田は、利き足での正確なキック精度こそ中村に匹敵する物があるけれど、それ以外の能力は数段身劣る印象。特にゲームをコントロールする構成力は雲泥の差。

相方の谷口との連係やバランス感も悪く、中村&谷口のJ屈指のダブルボランチの機能性とは比べ物にならなかった。そしてこれがチーム全体の大きな影響を及ぼす。中村不在時は、ポゼッションからの主体性ある攻撃が殆ど機能しなかった。

対するジュビロは、マルコンをケアする為に右に位置する事の多かった菊地と、中盤の底でパスを散す上田のバランスが良かった。ボールスキルやキック精度のある上田がバランスをとって展開役となり、フィジカルに強い菊地がマーキングとサイドのカバー、アグレッシブに上下動を繰り返し攻守に絡む。コンビとして相互補完性に優れている。これが菊地+ファブリシオになるとイマイチなので、2年目の上田の台頭は大きい。

本職のボランチというより、上がり目に位置した福西は効果的な攻撃参加を見せた。それに谷口が引っ張られた為、中盤での主導権争いで優位に立てた。守備に多少の不安がある上田の所を、シャドープレーの巧いマギヌンに突かれたら嫌だったのだけれど、相手のトップ下は今野*1は攻守で機能性が薄く、ポゼッション・メーカーである上田がある程度楽にパスを散せたのも大きかった。

序盤はジュビロペース。


ただ良い流れが得点に結びつかない。それどころかボールを自陣で奪われるミスから、DFの寄せの甘さを突かれて、我那覇のミドルで先制点を決められてしまう。快速ジュニーニョを軸としたカウンターの得意な川崎相手に、先制されるのは致命的なだけに、展開としては最悪。

良い流れで試合を進めても、先制されるとがくっとリズムを落としてしまうことが多かった最近のジュビロなので、今後の展開が不安になったけれど、今日は怯まず主体性を持って相手を崩す事が出来ていたので、ある程度安心して見られた。ただ決定機を決められないのは相変わらず。前節の7ゴールが出来すぎ。

ようやく菊地のスルーパスから右サイドを抜け出した太田がクロス、GKのパンチングのこぼれを福西が決めて同点。その後もジュビロペースで前半終了。でもこの時点の同点は反省点の方が大きい。中村のいない川崎なら、はっきり言って前半で試合を決めなくてはならなかった。福西の機を見た攻撃参加はかなり効果的だったけれど、決定機にシュートを外しすぎ。案の定、中村が後半から出てきて、嫌な予感が漂う。

後半開始早々に、いきなり中村から決定的なパスが繰り出される。プレーメーカーの中村が入り、川崎は別チームに変貌しだす。図らずも彼の存在感が浮き彫りになった。中盤でボールを受けて、パスを散してリズムをつくり、決定的なスルーパスミドルシュートも狙ってくる。その中村を誰が見るのか*2曖昧で、対面の上田もケアしきれず、逆に守備に追われてしまった事で、前半見せていた的確な展開が影を潜めてしまった。

前半は攻撃参加する福西のケアに精一杯だった谷口も、川崎がリズムを取り戻した事で、中村を中心にポゼッションする間にどんどん前に出ることが多くなり、決定機に絡んでくる。前半は最小限に抑えていた楔が、トップにも入るようになり、そこからの展開でジュビロは後手後手にまわる事が多くなった。

何とか川口の神セーブで水際で食い止めていたけれど、ジュビロの弱点であるセットプレーの連発を耐え切れず、とうとう最注意人物であるジュニーニョに決められてしまう。

ただ時間が経つに連れてスタミナ倍増した太田が、空きだしたスペースを前にますます存在感を増し、縦横無尽かつ神出鬼没な動き出しで川崎の守備をかき乱して、そこにボールを入れることによって、こちらのペースになる時間帯も増えてくる。両者決定機が増え、打ち合いの様相を呈してくる。

ここから点取り合戦。服部の左からのクロスを、カレンがニアに飛び込んで同点。秀人と鈴木の黄金コンビで右サイドを崩し、太田のシュートのこぼれ球が詰めていた前田に当たり、バーに跳ね返ったこぼれ球を、中山が頭で詰めて魂のゴンゴール

その後の川崎の猛攻。ジュニーニョや我那覇に決定機を作られる。それを川口を中心に何とか凌ぎきり、待望の4点目が生まれた。縦の出し入れでギャプを作って、素晴らしいスペースへのパス、飛び出した太田とDF・GKのも連れから、前田が詰めて勝負ありの2点差。ところが直後に我那覇に決められて一点差されてしまう。今日の我那覇は見事だったよ。代表に相応しい。


安全圏に入って集中力を欠いてしまう。効果的に逃げ切りの為の時間を稼げない。この辺が今のジュビロの力であり、経験のなさでもある。ボールキープしてファウルを貰えばいいのに、その後もなぜか5点目を狙ってしまうようなシーンが目立ち、安易にボールを失って攻め込まれてしまった。今日の状況なら、ロスタイムはタッチライン際で時間稼ぎが鉄則。5点目はいらない。


最後も猛攻を浴びてセットプレーから箕輪に決められるも、オフサイドに救われ*3、何とか勝利。

*1:実はジュビロ出身。今日の川崎には箕輪も合わせて2人もジュビロでプロ生活を始めた選手がいた。

*2:マンマークするなら、中村こそ真っ先にマークしなければならなかったと思う。

*3:これは正当なオフサイドだったんだけど、このときのジュビロのセットプレーの対応は酷すぎ。中村のプレスキックに、押し上げてオフサイドをかけている選手と、マークに付いていっている選手が混在している。セットプレーも守備がお粗末すぎる。意思統一さえ出来ていない。試合通しての内容では優っていたけれど、スコアは同点でもおかしくなかった。

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