ポルトガル代表メンバー雑感

GK
 リカルド・ペレイラベティス)★*1
 キム・シウヴァ(ベンフィカ
 ルイ・パトリシオスポルティング

守護神のリカルドは、波に乗るとビッグセーブを連発するも、思わぬミスもする面もある。ただし、PK戦を得意とするのはトーナメントにおいて大きな強み。経験も○。

DF
 ミゲウ・モンテイロバレンシア
 ジョゼ・ボシングワポルト)★
 パウロ・フェレイラチェルシー)★
 リカルド・カルヴァーリョチェルシー)★
 フェルナンド・メイラシュトゥットガルト
 ブルーノ・アウヴェスポルト
 ペペ(レアル・マドリー)★
 ジョルジ・リベイロ(ボアヴィスタ

大会最高のCBカルバーリョは不動。アンドラーデの穴は、B・アウベス、ブラジルから帰化したペペの成長で一応の目処は立っている。右はミゲウの他に、チェルシー移籍が内定したボシングワの成長で、懸念の左SBに経験豊富なフェレイラを回す余裕が出来た*2。組織的にも洗礼されており、大会屈指の守備陣といえる。ポゼッションサッカーを志向する上で、ビルドアップに優れている点も見逃せない。

MF
 ラウール・メイレレスポルト
 ジョアン・モウチーニョスポルティング
 デコ(バルセロナ)★
 アルマンド・ペティ(ベンフィカ)★
 ミゲウ・ヴェローゾスポルティング)★

ポルトガルの3センター、前回大会やWCでのデコ、マニシェコスチーニャと比べてスケールダウンしている感は否めない。新鋭ヴェローゾの成長は大きいが、実績のあるマニシェ、チアゴが所属クラブでの不振で落選したのは痛手*3。プレーエリアの広いマニシェがいない分、ダブルボランチに、トップ下のデコという明確に役割を分ける傾向がより強くなるだろう。デコの負担が大きい為、モウチーニョあたりがブレイクすればおもしろいんだが。

FW
 クリスチアーノ・ロナウドマンチェスター・ユナイテッド)★
 シモン・サブロサアトレティコ・マドリー)★
 リカルド・クアレスマポルト
 ヌーノ・ゴメスベンフィカ)★
 ウーゴ・アウメイダブレーメン
 ナニ(マンチェスター・ユナイテッド
 エウデル・ポスティガパナシナイコス

  • サイド

チームの強みは、世界最高峰の充実を誇るサイドアタッカー陣だろう。絶対的な存在としてロナウド、脇を固めクアレスマ、シモン、ナニも強力。それぞれが自サイドを持ち場とするだけでなく、中にカットインしたり、両サイドのポジションチェンジなど、流動性があるのもポルトガルの特長である。

  • CF

ポルトガル最大の問題は、基準点となりうる絶対的なCFの不在だ。ポゼッションで主導権を握ったり、サイドを突破してクロスを上げたりても、最後にゴールにねじ込む選手が役者不足。ビルドアップがうまくいかない時、引いてスペースを消した相手にパワープレーを仕掛けたいときなど、前線にロングボールを放り込むというオプションがないのは苦しい。

FWにEURO2000のヌノゴメス、前回大会イングランド戦のポスティガのようなラッキーボーイが出てこないと、優勝への道程は厳しい。直前でマククラを落選させてまで、不振のポスティガを復帰させたのも、ラッキーボーイ的な部分に期待してだろう。CFに期待が持てないなら、中央にロナウドを据えて、優秀なウインガーを3人同時起用するゼロトップ気味のシステムもオプションとして考えられる。下手なFWよりロナウドの方が空中戦に強いし。




振り返ると、ベテラン、中堅、若手の揃った前回大会のEURO、WCドイツ大会までが黄金時代だったと思う。そこで栄冠を手に出来なかった国が、今大会でそれ以上の成績を手に出来るかどうか。守備や攻撃のビルドアップ、そして監督の采配面は計算できるだけに、決定力が勝敗の鍵となる。困った時のルイ・コスタフィーゴはもういない。

優勝となると、やはりロナウドの爆発次第でしょうな。チームの最大の武器であるロナウドをどう活かすか、これがポルトガル躍進の鍵を握っている。所属のマンUでは、ルーニーテベスが献身的なチェイシングやフリーランで、ロナウドの負担を減らし、自由にプレーさせている。そんなプレーをポルトガルのFW、WG陣に出来るかどうか。もしくはそんなお膳立て役では終わらず、クアレスマあたりが覚醒するのか。期待したい。

*1:スタメン候補

*2:これによりバレンシアでぱっとしなかったカネイラは落選

*3:彼らは所属クラブの採用していた2センターでは活きないが、ポルトガル代表の3センターでは見違えるタイプの選手だけに、メンバー入りの余地はあると思えたが。特にマニシェのダイナミズムを失ったのは大きな痛手だ