日本vs中国


U-21日本代表 2-0 U-21中国代表

U-21日本代表:3-4-2-1
西川周作一柳夢吾伊野波雅彦青山直晃中村北斗本田圭佑青山敏弘(92分上田康太)、梶山陽平(90分谷口博之)、増田誓志(75分枝村匠馬)、苔口卓也(88分前田俊介)、平山相太

完勝。良かったところもあり、不満なところもあり。勝ったから万事OK的な空気もあるようだけど、相手が酷かったし、試合のレベルのそれほど高くなかった*1。ただ先に繋がる内容ではあった。

  • 選手の配置

       平山

    苔口  増田

本田          北斗

    梶山 青山敏

   一柳 伊野波 青山

       西川

怪我の水本以外は現段階でのベストメンバーですかね。


まず基本的には選手が適材適所で起用されている点は安心した。伊野波がリベロにコンバートされていたくらいで、基本的にはクラブで経験している適性のあるポジション。伊野波にしても適正外のポジションというわけではない。自分の中で、選手が適正外のポジションで起用されてチームがグダグダになるのは一番ストレスが溜まるので、そういう意味では悪くなかった。


まず1トップに平山が入ったことで、チームの狙いに一本芯が入った。平山の出来はイマイチだったけれど、前回の苔口1トップより遥かに機能性は上だし、チームとして平山に当てて、そこをサポートするという意思統一が図られたのは悪くない。狙いがはっきりした事は、攻撃面で好影響を及ぼしていた。ただ中国相手だから形になっていただけで、平山のコンディションがもう少し上がってこないと、同格以上の相手には厳しいと思う。


守備では、基本的にフル代表と同じマンマークがベース。2トップにストッパーがついて、伊野波が一枚余る。WBの本田と北斗が、相手のSHにつく。日本は3-4-2-1、中国は4-4-2フラットだったので、マッチアップの影響上、こちらは5バック気味になる事が多かった。ただし、オールコートマンツーマンというより、柔軟に受け渡していた印象。この辺はなかなか整理されていて、チーム全体の守備意識もあって、危なげなかった。ただバックラインからのビルドアップは課題。


注目していた最激戦区ダブルボランチの組み合わせは、梶山と青山敏。これは悪くない組み合わせだと思う。梶山・枝村・上田・増田から組み合わせると守備面が不安だし、青山敏・谷口・伊野波から組み合わせると構築力に欠ける。そういう意味では、キープ力と攻撃センスのある梶山と、守備にハードワークできて水を運べる青山敏の組み合わせは、相互補完性に優れている。ここをバランスの良い組み合わせにしたのは評価したい。

それにしてもボランチで谷口、枝村、上田が控えというのは贅沢だ。まあ、スタメンの選択は良いと思うけど、親善試合なんだからもう少し出番を与えるべき。予選が始まったらテストは出来ないので、今年の内に色々な選手の組み合わせを試して、最適なバランスを見つけて欲しい。


アウトサイドは前回と同じ本田と中村。ここは良かったけど、局面打開力に欠ける嫌いもある。ここには、前回はA3の関係で呼べなかった水野と家長といった突破力のある攻撃タレントがいるのだけれど、スタメンでないのは別に良いとして、親善試合なんだから2人とも試合途中に投入して欲しかった。優勝争い中のガンバでレギュラーの家長が年代別代表でベンチ外というのは不可解。コンディション不良化と思ったら、今日の清水戦の出来はかなり良かったし。川崎の谷口も使わなかったから、もしかしたら優勝争いに気を使ったのかもしれないけどね。


2シャドーは苔口と増田で、平山をフォローする為の機動力に長けた2人が選択されたという印象。先制点の場面では見事な連係・展開を見せた。ただし、まだまだ連係面や距離感は拙かったし、平山のフォローに捉われすぎた面もあって、攻撃的ポジションとして個人で違いを見せる場面は少なかった。攻撃構築に貢献した増田は及第点だけれど、苔口は持ち前のスピードを活かした突破を見せたかったところ。


  • チャレンジ精神の欠如

家長、水野といったドリブラーを起用しなかったのもあるかもしれないけれど、日本代表で毎度御馴染みになった、一対一で仕掛けない姿勢というのは相変わらずだった。中国相手にはドリブルでの仕掛けがなくても、崩す事が出来ていたけれど、同格以上の相手になったらそうもいかない。親善試合なんだし、選手にはもっとガンガン仕掛けていって欲しかった。同年代の海外の試合を見ると、とにかく仕掛けまくって局面を打開している。そういう成功体験がもたらすものは大きいはず。このくらいの年齢で小さくまとまってほしくない。

フル代表でもそうだけど、選手個々の問題の他に、人選的にフリーランニングでの崩しを主眼として選考されていて、一対一の打開力に優れた選手をあまり重用していない印象がある。それはそれで方針として良いと思うけど、仕掛けなければ崩せない状況というのは必ず出てくるし*2スーパーサブとしてドリブラーは必ず役に立つと思う。幸い北京世代はタレント的に恵まれているわけだから*3、家長や水野などを試合途中からでも良いから有効活用して欲しい。


ドリブルのほかにも、ミドルシュートの意識も低かった。梶山、本田、青山敏は強烈ミドルを有しているわけだし、個人としての意識だけでなく、チームとしてミドルシュートに帰結するような組み立てをしても良いと思う。相手を背負ってボール受けられる平山を有効活用して、楔を当ててバイタルに落として即ミドルとか。ミドルシュートの有効性というのは、あらゆる国際舞台で既に照明されているわけだしね。


  • 弱すぎる中国代表

がっかりしたのは中国代表が弱すぎる事。日本が強豪国とやった時に感じる、個人戦術やグループ戦術のなさが、逆に中国に際立って劣って見えた。過密日程のアウェー戦でコンディションも悪く、数日前に新監督が就任しての急造4-4-2フラット+ゾーンは機能せず。旧ユーゴ系の監督としては、欧州ではオシム以上の実績を誇り*4、WCでガーナをベスト16に導いた名将ドゥイコビッチの就任で変わっていくのかねえ。ハイラインプレスサッカー。いくら良い戦術があっても、それを完全に消化できるとは思えないけど。

中国の北京世代は俗に言う黄金世代らしいけれど、アンダー世代から見ていて、殆ど強い印象は受けない。WYはグループリーグ突破したけど、内容的にはかなり悪かったし、トーナメントで若年層の弱いドイツに完敗。A代表の人数は多いといっても、単に北京で五輪があるから積極的に飛び級させているだけのようで、A代表自体が弱いから驚異でも何でもない。政治的な理由があるのか、この先も中国と交流戦を行っていくようだけれど、それほど良い強化になるとは思えないし、このレベルの相手ではこの先も客は入らないでしょう。南米や欧州の中堅以上とのテストマッチを再考して欲しい所。例えば、平山の高さが通じない相手とやるのが、チームの幅を広げる為に有効だと思う。



選手個々の雑感など。

平山

かなりバッシングされているけど、そこまで悪いとは思わない。期待度がでかすぎると思う。確かにボールは収まらなかったし、プレー全体が鈍いのは相変わらずだけれど、ハイボールに競り勝てて、相手を引き付けられるいうのは魅力的。形は悪くても結果は出した。現状、北京世代には他に1トップをこなせる長身CFがいないから、先発起用は仕方ない。

ただし、この先平山のコンディションが上がらず、FC東京でもレギュラーをとれず、そして他のFWが台頭してくるとなると、パワーバランスは変わってくる。昨今の世界的トレンドとして、1トップに長身ポストプレーヤーを置くという既成概念は崩れ去っている。むしろ全体の流動性を促せるモビリティーに優れたFWが重宝されているし*5、ボールが収まる傑出した技巧派MFをトップに起用して、前線のスペースを有効活用するトップレスシステムも散見される*6。現状で平山に拘るのは否定しないけれど、その辺は反町監督に柔軟に対応して欲しい。必要以上に電柱CFに拘ると、大熊監督の二の舞になる恐れもある。

チームの狙いとしても、どうしても平山の高さに安易に頼ってしまう悪癖がU-18の頃からこのチームにはあるので、その辺の意識は監督・選手共々改善していって欲しい。放り込みサッカーになるのは反対だけれど、ハイボールというのは確実なオプションになるのも事実だし、チーム・グループ・個人として、状況に応じた戦術的な柔軟性を身につけて欲しいね。


苔口
前回のアウェー中国戦の1トップより、適性に合ったシャドーの位置で起用は正解。先制点の場面での展開は素晴らしかった。ただ全体的に前線でボールを落ちかせられず、持ち前のスピードを活かした突破も影を潜めた。Jリーグで1ゴールもしていない控えFWがスタメン固定というのは、代表チームの位置付けとして疑問も残る。
クラブレギュラーで北京世代のFWでトップスコアラーのカレンを親善試合に連れてったんだから、少しくらいは使って欲しい。シャドーの位置なら違和感なく使えると思うけど。ベンチが定位置なら呼ばないで。


増田
鹿島ではボランチ起用で精彩を欠いていて、U-21代表では2シャドーの一角。どちらかというとシャドーの方が適正があると思う。守備力はそれほどでもないし、3列目でパスを捌くより、前線に飛び出していった方が持ち味を発揮できる。元々、鵬翔高校時代は、国見の兵藤と並んで85生年世代の高体連を代表するOMFだった*7。鹿島は本山、野沢、深井と、2列目の競争が激しいからボランチコンバートは仕方ないかもしれないけど、このチームでの方が光っている。


梶山
わりと良い時の梶山だった。元々オンザボールには定評があって、このくらい出来て当然の感はある。弱点の守備意識や運動量が改善されていた点は評価できる。この辺は反町監督に意識付けをされたのかな。展開型ボランチとしてやってはいけない安易なミスパスが多いのは要改善。持ち味の強烈ミドルも積極的に打って欲しい。
才能はこのチームでも一・二を争うと思うけれど、オシムが好きなタイプのボランチとは思えないので、フル代表昇格の可能性は微妙なところだ。試合毎の波も激しすぎる。ただ偶に見せる絶好調時のプレーは、日本人最高のポテンシャルを感じる。


青山敏
献身的な運動量、守備でのハードワークでチームに貢献。繋ぎもがもう少し正確になるともっと良い。地味だけれど、むらっ気のある梶山がボランチをやるなら相方として必須の存在になるかもしれない。高校時代から得意なミドルはもっと打って欲しい。


本田
左WBとして、相手SHのケアから攻撃参加と貢献度大。守備やキープでフィジカルの強さが効力を発揮していた。左足のキック精度を生かして展開や、ループシュートのアイディアも秀逸。得意ではない運動量や守備面でも頑張っていた。最近の名古屋の試合では調子を落としているように見えたけど、国際試合で気合が違ったのかな。

気になるのはポジション。名古屋でもU-21でも左サイドで起用されているけど、本質的にサイドプレーヤーとは思えない。この試合ではかなり頑張っていたけれど、サイドの上下動と守備は苦にするタイプで、強豪相手に押し込まれる展開では守備に忙殺されて、持ち前の攻撃的センスを生かせない。サイドアタッカーとしてのスピードやドリブル突破力もない。フィジカルとテクがあって囲まれてもキープできるし、視野が広くて展開力もあって、右サイドからカットインしての左足ミドルも強烈だから、左アウトサイド人材難の日本でなかったら、センタープレーヤーとして育てられている人材だと思う。サイドアタッカーなら突破力のある家長の方がより適正があると思う。

実力的にはA代表クラスだと思うけど、梶山と同じ典型的な使うタイプなので、彼もまたオシムの好きなタイプではないと思う。左アウトサイドならオシムはジェフの山岸の方が好みでしょう。サントスの所でも使えそうだけど、左SB起用ならフル代表クラスとは思えない。個性が強い分、使いところも難しそうだ。


北斗
献身的な運動量をベースに、攻守にアグレッシブにプレー。SBでは絞った時の守備力に問題あるし、SHとしては攻撃性能全般に欠けるので、3バック時のアウトサイドが一番相性が良いと思う。ただサイドプレーヤーとして、一対一で勝負を仕掛けて突破できない点が課題。
右サイドなら局面打開力とクロス精度の秀逸な水野も見たいね。でも水野は4バック時のSHタイプ。北斗と水野の二者択一は贅沢な悩みだ。反町監督には、早期からレギュラー固定するのではなく、幅広く試して欲しい。U-19には内田もいるし。


青山直
一対一と空中戦に無類の強さ。このレベルだとやはり抜けている。楔を受けた相手に前を向かせないだけでなく、身体能力と反応の速さで前でカットできる点が良い。ビルドアップの課題は要改善。大熊政権下では全く代表に呼ばれなかったけど、WYレギュラーの増島や柳楽より遥かに上だと思う。Jリーグでの活躍度も北京世代のCBでは一番。まだ高卒プロ2年目とは信じられない。
ポリバレント重視で今野や鈴木をCB起用するのも良いけど、CBとしてならフル代表でも青山を見てみたいね。高さ・強さ・速さを兼ね備えた日本人DFは貴重だから、多少ビルドアップやユーティリティ性がなくても育てて欲しい人材。そもそもストッパーはスペシャリストが求められるポジションだと思うし、いくら多様性があっても、単純なハイボールを跳ね返せないようだと世界では厳しいから。


一柳

及第点。クラブではマンマークベースの守備はやっていないと思うけれど、無難にこなしていた。ビルドアップまで求めるのは酷か。現状では水本と比べると数段劣る印象だけれど、戦力として目処は立った。

自分が見たヴェルディの試合では余り良い印象なかったし、きのう日テレでやっていたJ2中位の水戸戦でも出来は良くなかったけど、あれは単にヴェルディの守備組織が駄目すぎだっただけなのかもしれない*8


伊野波
本来はマンマークする方で真価を発揮するタイプだと思うけれど、慣れないリベロのポジションを無難にこなしていた。もっと状況に応じて前に出て、フォアリベロとしても機能するようだとおもしろい。

このチームのDFラインを、青山と水本という傑出したストッパーがレギュラー確定とするなら、もう一人は彼らに欠けるビルドアップ能力のある選手が理想。そういう意味でU-19の福本に掛かる期待は大きいわけだが。伊野波は割とロングフィードの質や狙いは悪くない印象があるので、守備だけでなくビルドアップ面でも進化を求めたい。個人的に、ユース年代からWYまで不動のDFリーダーだった同じFC東京所属の増島よりポテンシャルを感じる。でもまだA代表の器ではないね。


西川
余りピンチの場面がなかった。安定感があったし、持ち前のキック精度も魅力。特に言う事ないです。レギュラーのGKは西川一人だし、ライバルの松井と佐藤が、所属クラブで川口の下田の牙城を崩すのは考えづらいので、暫くはレギュラー安泰か。西川に不満はないけれど、できればここも競争が欲しいね。



枝村
不慣れなシャドーの位置で持ち味を発揮できなかった。使うとしたら、清水の伊東のような守備型ボランチをパートナーにしてのダブルボランチの一角が最適。攻撃力はあるけれど、後方から機を見て攻め上がるタイプで、始めから高い位置にいて活きるタイプではないので、現陣容でのシャドー起用は向いていない。


前俊・谷口・上田
親善試合なんだから、もう少し長い時間使ってあげるべき。でもジュビロ目線から見て、上田は少し厳しいかな。パスを的確に捌く点で見れば計算できるけれど、得点力は谷口や枝村の方があるし、ボールを落ち着かせるキープ力は梶山や本田の方が上で、守備力なら青山敏や谷口の方がある。全体的にスケールアップしないと、レギュラーは厳しいと思う。


反町監督

時間がない中でよくチームをまとめた。スタメンの人選配置にも違和感はなし。適材適所での選手起用は継続して欲しい。必要以上にフル代表の方針に捉われず、北京世代の特長・現有戦力の持ち味を生かした点は評価したい*9

ただし、親善試合なのに交代枠を有効に使わないのは問題。Jリーグで活躍している谷口、枝村、上田にはもう少し時間を与えるべきだし、家長、水野のような局面打開に優れたタレントをスーパーサブ的に試して欲しかった。幅広く選手を試すという点はオシムを見習って欲しい。


まあとにかく、U-18の立ち上げ時期からこのチームを見てきているけど、大熊監督よりは遥かに中身のあるサッカーを見せていると感じる。不満に思った時には、以前の年代別代表のサッカーを思い出せば優しくなれる。反町監督には色々注文すると思うけど、とにかく頑張って欲しいね。

ちなみにアテネ世代の立ち上げ時期はこんな陣容だった。中盤はJリーグでも活躍しているけれど、青木以外のDFとFWとGKはJリーグでレギュラー外。A代表は山瀬、田中、鈴木。ただし、この3人はアテネ五輪には行けなかった。先の事は誰もわからないですね。これから先、北京世代でもノーマークの選手が伸びてきて、伸び悩んでいく選手もまた出てくると思う。

     中山 原竜
       山瀬
森崎浩         田中隼
    鈴木 森崎和
   池田 青木 三田
       黒河

*1:今年のU-21欧州選手権とか見た人なら、アジアと欧州の絶望的な差を感じたと思う。

*2:現にプレッシャーが強くてパスの繋げず、平山の高さも絶対ではなかったWYでは、水野と家長のドリブル突破とキープ力がチームを助けていた。

*3:シドニー世代は中田、俊輔、小野、小笠原と、周りをうまく使うタイプの選手が多くて、ドリブルで仕掛けられるのは本山くらいで、そのためスーパーサブとして非常に重宝された。アテネ世代は、大久保、達也、石川、松井と仕掛ける選手は豊富にいたけれど、周りを巧く使える選手は少なく、攻撃構築に非常に苦労して、平山頼みの放り込みサッカーになり、攻撃構築力を求めてテンパッタ監督が、これまで培った物全てを捨て去って、本番直前で小野に頼って自滅した。そういう点でいえば、北京世代は使う選手・仕掛ける選手のバランスが取れているし、他にも周囲にうまく使われるタイプの選手もいれば、守備にハードワークできる選手もいるなど、バランスがかなり良い。反町監督にはこれらのタレントを巧く生かして欲しいね。

*4:確かレッドスターでチャンピオンズ・カップ獲ってるよね。

*5:昨シーズン以前の1トップでいうなら、バレンシアと移籍してくる前のサラゴサでのビジャ、バルサエトービジャレアルフォルランベティスオリベイラ、セルタのバイアーノ、エスパニョールのタムードなど、パスサッカーを志向するリーガに多いね。他にも、4-1-4-1時のアーセナルのアンリ、リールのオデムウィンギー、ドルトムントスモラレクなど、例を挙げれば切りがない。ルーニーをシャドーと考えるなら、トップをニステルからサハに切り替えて好調のマンUもそう。まあ、カレンや苔口や前俊にこういう役目ができるといったら微妙だし、現状で平山1トップは仕方ないと思う。中盤でのタレント共存とモビリティーに拘りすぎて、WC本番でルーニーの1トップにして自滅したエリクソンイングランドという悪例もあるし。

*6:代表的なのはセリエAで最もスペクタクルなサッカーを魅せるローマのトッティ1トップですね。トッティが引いて受けて、2列目から選手が次々と飛び出してくる。U-17日本代表でも、ファンタジスタ柿谷をトップに置いて、似たような試みを見せた試合もあった。これとは違うけど、Jリーグにおいては、本来1トップのバレーを左サイドに位置させて、トップにダイナモタイプのMF茂原を流動的に位置どらせ、前線のスペースを有効活用させる甲府の試みが面白い。

*7:他には鹿児島城西→京都の中山、岐阜工→マリノスの後藤の評価が高かった。中山は最近レギュラーになってるけど、後藤は3年間で殆ど出番がない。選手層が厚く、先を見据えた若手抜擢の少ないマリノスでは厳しかった。テクとセンスのある将来有望なレフティーだったのに。マリノスは来季OMFに山本と乾が入るから、たぶん後藤は放出されそうだね。

*8:関係ないけど、ラモス続投ってヴェルディはJ1昇格するつもりはないらしいね。試合解説やインタビューとか、シーズン前に放映されてたドキュメンタリーを見て駄目だと思ってたけど、実際のサッカーを見ると予想以上に駄目すぎる。元フル代表や年代別代表を揃えた選手の質はJ2トップレベルで、マルクスといった助っ人外人の質はJ1クラスなのに、あの順位と内容は監督に問題ありすぎでしょ。昇格がなくなったのに、密集地にドリブルしてボール取られるだけのベテランの永井を使い続けてるのも謎だし。ユース出身の若手有望株多いんだから、来年を見据えて若手を育てるべきなのでは。宝の持ち腐れ。武田入閣の噂とか、かなりヤバイよ。ラモス続投で選手のメンタルが落ちたのか、昨日の水戸戦の酷さは凄まじかった。昨日は柏vs横浜FCもやっていたけど、同一リーグとは思えない差があった。

*9:フル代表のようにボランチをCBにコンバートせず、青山をきっちりCB起用したのは正解。