次期代表監督候補はオシム

24日、ワールドカップ(W杯)ドイツ大会から帰国した日本サッカー協会川淵三郎キャプテンは、帰国直後に成田市内のホテルで記者会見を行い、ジーコ監督の後任となる日本代表監督として、現在Jリーグのジェフ千葉を指揮するイビチャ・オシム氏(65)と交渉を進めていることを明らかにした。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/headlines/20060624-00000010-spnavi-spo.html

そもそも決定するかも定かでないけど、とりあえず感想。

決め方には疑問があるし、発表の仕方は酷いけど、人選自体は悪くない。

協会は、この4年間を反省してオシムを候補にしたんでしょうな。「選手の判断を尊重する指導方法はジーコ監督の考えを受け継いでいく上でふさわしい」と、一部分だけを切り取ってジーコからの継続性、そして自らの4年前の判断を正当化しているけど、ジーコオシムは監督としてのタイプが違う。選手個々の判断を重視したとしても、組織・戦術・戦略・規律を軽視したりはしない。何より経験値が違いすぎる。流石にこの4年間で、監督経験を軽視する愚かさに気付いたんだろう。4年前の人事は異常すぎた。


オシムJリーグを見ない人はよく知らないだろうけど、きっちり内容・結果を出している。それに国際経験はクラブレベル*1でも代表レベルでも豊富。1990WCイタリア大会でユーゴスラビアをベスト8に導いたのは有名。そして日本に対する知識もある。日本代表にとってベストの人選かどうかは分からないけれど、4年前よりは遥かに理に適っていると思う。


今後の代表強化について色々と思うところがあったし、かなり悲観もしていたけれど*2、4年間の監督人事の失敗を次に活かそうとする考えは多少あるだ。やり方はどうかと思うけどね。他にも様々な課題があるしね*3。監督だけでサッカーをやるわけではないし、そこは勿論考えていかなければならないでしょう。まあそこまで書いてる時間はない。協会は4年間の失敗をしっかり分析して、監督人事以外にも生かしてください。


以前リクエストのあった代表後任監督考を書こうと思ってたけれど、もうオシムに絞られたようだからその必要はないですね。

田嶋委員長に言わせれば、史上最大の失言ということですが、思わず言ってしまった以上は“覆水盆に返らず”。実際にオシム監督とはW杯が始まる前から交渉しているが、現在はジェフ千葉の監督をしている(という問題もある)。選手に与える影響の配慮や、本人の意思の確認は、田嶋委員長が行っている。今ここで、私が史上最大の失言をしてしまった以上、変にごまかすのはよくないので、本来は正式に契約が決まってから発表すべきだが、(この場合)決まる前の段階を説明するのもいいかと思う。
今回はW杯の最中でもあり、いろいろな事情を考慮して情報を漏らさないようにと極秘で話を進めた。このこと(オシム監督への打診)を知っている人は、数少ない。田嶋委員長から(オシム)本人の意向を確認し、日本サッカー協会の理事会で全面的に承認していただけるのではないかという話を得て、交渉を進めている。(オシム監督が就任する場合に)いろいろと問題点があることは、田嶋委員長がよく分かっているが「これならOK」というところで、最終的な契約を結びたいと思う。今現在は、オシム監督に連絡が取れず、了解を得ずに話したことになるので、あとで申し訳ないとおわびして事の顛末(てんまつ)を伝えることになる。(オシム監督へのオファーの件は)契約が必ずできるという前提に立った話ではなく、7〜8割方、そういう方向で行くのではないかという途中経過の話ということでご理解いただきたいと思う。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/kaiken/200606/at00009649.html

まだ水面下での交渉段階で、意図的なのかどうかは定かでないが、川渕キャプテンが不用意に口を滑らせてしまったと。これが今後の交渉に影響しなければいいが。やっぱりこの人は信用できない。評価の高いオシムを選んだからといって、独断でジーコを監督に選んだ責任というのは消えるものではないだろう。これでオシムの交渉に失敗するような事があったら、即刻退任して欲しい。惨敗の原因と責任の所在もはっきりさせるべきだろう。

――オシムさん以外に交渉を進めている候補は
田嶋 まったくありません。

もしオシムに断られたらどうするんだ。有能なフリー監督はどんどん進路が決まってしまう。今からでは遅すぎるよ。ぐずぐずしている暇はない。

*1:シュトルム・グラーツ時代には、01-02シーズンの欧州CL、レンジャーズ、ガラタサライASモナコと同居した1次リーグを首位通過、バレンシアマンチェスター・ユナイテッドパナシナイコスと同居した2次リーグでは3位。マンUバレンシアには勝てなかったけれど、同格のパナシナイコスには2勝している。決勝ラウンド進出はできなかったけれど、オーストリアのクラブでこの成績は驚異。当時のCL一次リーグ突破の厳しさは並大抵ではない。こんな実績のある監督が日本によく来てくれたよ。。

*2:川渕キャプテンはジーコ路線で監督を選ぶとか言ってたから、また監督経験0の元名選手が選ばれるかと心配していた。

*3:監督人事だけで代表チームが強くなるわけはなくなく、効果的な強化マッチの整備、選手個々の成長、若年層の強化、Jリーグのレベル向上なども必要。