戦犯探し

クロアチア戦のレビューを書こうと思ったけど、ちょっと気になったので。

もし、今回日本が予選リーグで敗退したら、その一番の原因は暑さ、そして、その時間に試合を押し込んだとされるのが本当なら、戦犯は
電通
である。
W杯 クロアチア対日本 0-0 日本苦戦の戦犯は電通か?

なんかこの種の記事が随分取り上げられているけれど、酷暑の日中に試合をさせたらしい電通が、日本がワールドカップで勝てない理由にされてるの? こんなくだらない理由を肴に、負け惜しみを言ってる人が多すぎ。メディア・スポンサーによる弊害は今に始まったことではない。

中田英寿選手(ボルトン
「気温が高い試合で疲労はどうか? 疲労というか、それ以前に気候は両チームにとって同じ条件。気温が高い、低い、暑い、寒い、雨が降っているというのは言えないこと。日本にだけ疲れがくるということでもない。
http://www.jsgoal.jp/japan/news/a/article/00034348.html

中田も言ってるように、気温という条件は相手も同じ。けして日本だけが不利な条件ではない。そもそも暑さを苦手としているのは、どちらかというとクロアチアの方だったのでは。それにクロアチアの方が試合間隔が1日少ない。

日本の試合が2試合続けて日中に行われた事が不利という側面もあれば、今大会始めて日中にプレーしたクロアチアが暑さになれていなかったという側面もあるわけだ。現にクロアチアもバテバテだった。どちらが有利不利という話ではない。

それに炎天下の暑さに日本が助けられた側面があるのも否めないだろう。これまでの代表マッチを見ていれば明白なように、日本は組織的で激しいプレッシングを苦手としている。プレスの前に日本のやりたいパスサッカーが封じられてしまうから。

欧州予選でのクロアチアは、強烈なプレッシングからのショートカウンターを得意なとしたカウンター主体のリアクション型チーム。その激しいプレッシングには強国も苦戦し、欧州予選は無敗、親善試合ではアルゼンチンやブラジルにも負けていない。

そのクロアチアは、昨日の試合では暑さのため高い位置からプレスを掛けられなかったし、ペース配分を考えて始めからプレスを放棄してリトリート主体の守備だった。カウンターは相手のミス待ちで、得意の高い位置で奪ってのショートカウンターを披露できず。そのため日本が落ち着いてパスを回せる時間帯もそこそこあった。これが格上相手にある程度渡り合え、何とかドローに持ち込めた要因の一つだろう。


勿論日本のサッカーをするために暑さは邪魔したかもしれないし、2試合連続の日中の試合で疲れがたまった事は事実だろうが、それが戦犯にされるほどの理由には思えない。それ以前に選手の決定力不足、杜撰だらけのチームマネジメントの方が、ここまで勝ち点1しか取れていない大きな理由だろう。

こんな些細な事を勝てない理由にしている国が、ワールドカップで勝てるはずもない。もっとピッチ上で起こっているサッカーの内容、チーム強化の課程を注視すべき。試合を良く見た方が良いよ。

まあ仮に電通が日本不振の戦犯wだとしても、国の総力を掛けて挑むワールドカップ、そこで日本の企業が日本代表の邪魔をしたというなら、単に日本という国が弱かったに過ぎない。ただし、それよりも重要な事があると思うけどね。