アルゼンチン代表

そういえばアルゼンチン代表のメンバー発表ついての雑感を書き忘れていた。

GK:[1]アボンダンシエリ、[12]レオ・フランコ、[23]ウスタリ
DF:[2]アジャラ、[3]ソリン、[4]コロッチーニ、[6]エインセ、[13]スカローニ、[15]ガブリエル・ミリート、[17]クフレ、[21]ブルディッソ
MF:[5]カンビアッソ、[8]マスチェラーノ、[10]リケルメ、[16]アイマール、[18]マキシ・ロドリゲス、[22]ルイス・ゴンサレス
FW:[7]サビオラ、[9]クレスポ、[11]テベス、[14]パラシオ、[19]メッシ、[20]クルス

注目の10番はリケルメ
かなり思い切った選手選考。サムエル、サネッティデミチェリスと、各ポジション世界屈指の選手が外されている。特にサネッティ落選は今大会で最大の驚きなのでは。日本では松井だけど世界的にはサネッティ
これで主要国メンバー発表についての雑感は網羅したかな。

  • 選手選考について

まさかのサネッティ落選。とりあえずペッケルマンがどういうシステムで臨むのか未知数なので何ともいえない。3バックならまだ納得行くけど、4バックで行くつもりなら不可解。
3バックなら、右SH起用でルイス・ゴンサレスとマキシに劣ると判断されたんでしょう。中盤ならどこでも出来るルーチョは絶対不可欠だし、マキシも攻撃力ではサネッティを上回る。でもどちらも右SBをやれるタイプではなく、WCメンバーに右SBはスカローニしかいない。逆に左SB候補はソリン、エインセ、クフレと3人もいるので、どう考えてもバランスがおかしい。左右のバランスを考えればクフレを削って右SBを入れると思うんだが。個人的には、精神的支柱としてサネッティは必要だと思うけどね。

CBではサムエルが落選。守備組織なきマドリーでは散々だったけど、インテルでは復調してローマ時代のような「壁」になっていただけに意外。片やインテルで控えのブルディッソが入ってる。こうなると堅守と定評のあるアルゼンチンの守備陣は微妙に思えてきた。コロッチーニブルディッソは2-3で負けたクロアチア戦でかなりやられていた。

レギュラーCB候補のコロッチーニは敏捷さに欠けすぎていて不安が大きい*1。個人的にはビジャレアルゴンサロ・ロドリゲスが適任と思うけど、ペケルマンはあまり重用してなかったし、怪我で長期離脱中。コロが普段通り右CB起用されるとして、オランダ戦の対面はロッベン。ヤバイよ。

ブンデスリーガ最高の守備的MFであるデミチェリスも落選。ただカンビアッソマスチェラーノと、同じポジションに世界トップクラスの選手が2人もいるから仕方ないといえば仕方ない。デミは2人にはない高さがあるし、CBも兼任出来るから選ばれると思ったけどね。贅沢な話です。

激戦区となったFWは6人と多め。フィゲロアの長期離脱で空いたクレスポの控えCFに、D・ミリートではなく好調クルスが滑り込み選出。これは良いですね。あと個人的にはサビオラかパラシオをどちらか一方にして、好調の神童セルヒオ・アグエロの高速ドリブルをWCで見てみたかった。まあこれは仕方ないか。4年後も22歳だからまだまだこれからですな。

  • インプレッション

ペッケルマンは毎回のようにシステムや選手配置を変えるので、現段階では本番で基本システムをどうするのか未知数。3バックなのか4バックのなのかも分からない。直前の強化マッチで陣容が見えてきたらまた分析します。とりあえずリケルメ中心で、FWはクレスポ、DFはアジャラが軸と思う。カンビアッソ、ルーチョ、ソリンもレギュラー確定かな。


南米予選でブラジルと一勝一敗、優勝候補筆頭と比べても実力的には遜色ない。攻撃力では若干劣るも、チーム全体の運動量と守備意識では上回る。神出鬼没のソリンを代表とする流動的な攻撃はどの相手にとっても対応しづらいはずだし、激しいプレッシングは相手に自由を許さない。

ただ司令塔リケルメを中心に試合を組み立てるため、彼が不調だったりハードマークで消されると、途端にチームが機能不全に陥ってしまう。コンフェデのブラジル戦がその典型。ペッケルマンは、守備が苦手でパスセンスに長けた司令塔の起用をリケルメ1人に拘るため、アイマールとの共存はないと思う。

そしてオランダ、コートジボアールプラーヴィと同居する死のグループでの消耗度も気になる。


予選からの上積み要素として、バルサでレギュラー格までのし上がったメッシの存在が挙げられる。これは本当に大きいと思う。彼がアクセントになることで、リケルメへの依存体質からは脱却できるはず。怪我明けでどの程度コンディションを戻せるかが鍵。ブラジルで好調のテベスも怖い。

ブラジル以外のポゼッション型チームに対しては、それを上回る圧倒的なポゼッションと、中盤での強烈なプレッシングで相性が良いと思う。まず力負けしない。ただし守備力の高い相手に引いて守られて、高速カウンターを狙われたりするのは苦手。引いた相手をこじ開ける高速コンビネーションはあるけど、前線が空中戦に強くないのでパワープレーは使えない。堅守のイングランドやイタリアに引き篭もられると厳しいかも。ドイツ辺りではこじ開けられるだろうけど。

優勝候補の一角とは思う。でもリケルメ頼りでは限界がある。大会中に如何にそこから脱却するかですね。やっぱりメッシに期待したい。ビエルサ・アルゼンチンが見たかったなあ、ということにならないようにお願います。

*1:先のクロアチア戦でもプルショに翻弄されていたし、リーガでもスピードのある選手やドリブラーにはいつも苦戦している。