準々決勝1日目

アーセナル 2−0 ユヴェントス
 [得点]  40分:ファブレガス、69分:アンリ

アーセナル
レーマン;エブエ、コロ・トゥーレ、センデロスフラミニ、A・フレブ、ジウベルト・シウバ、セスク、ピレス、アンリ、レジェス(82分ファン・ペルシー)

ユヴェントス
ブッフォン;ゼビナ(89分)、テュラム、F・カンナヴァーロザンブロッタカモラネージ(87分)、ヴィエラ、エメルソン、ムトゥ(71分キエッリーニ)、イブラヒモヴィッチトレゼゲ(79分サラジェタ

  • 試合展開

序盤はどちらの守備も良く拮抗した展開。ユーベは持ち前の組織的守備でスペースを消し、素早いプレッシングでアーセナルはスピーディーなパスワークやドリブル突破を防ぐ。アーセナルも粘り強い守備で対応し、ネドベドを欠くユーベは攻撃の形が中々作れず。

そんな中、前半終了間際にアーセナルが先制。ヴィエラからボールをカットしたピレスがアンリへボールを繋ぎ、走りこんできたセスクのゴールで先制。ブッフォンにしてみればDFがブラインドとなり防ぎづらかった。これでビハインドを背負った状況での能動的な攻撃を得意としないユーベは苦しくなる。

迎えた後半、過密日程によるコンディション不良の影響なのか、途中からユーベのペースが突然落ちる。運動量の低下からプレスの掛かりが悪くなり、アーセナルのスペースを突かれ始める。拮抗した試合展開から一転、試合はまだ余力を残すアーセナルペースとなった。

そして69分、セスクの折り返しからアンリが押し込み追加点、アーセナルがリードを2点に広げた。その後も最後までアーセナルがペースを握り、焦ったユーベのカモラネージとゼビナが終盤立て続けに退場、そして警告を受けたヴィエラも次戦出場停止。ユーべらしからぬ醜態。アーセナルの完勝だった。

  • 明暗を分けた日程

やはり両チームの日程によるコンディションの差が大きく影響したかな。アーセナルは週末のポーツマス戦が悪天候によりキャンセル。一方のユベントスは週末にローマ戦を行い、しかも早い時間にネドベドが退場となり、多くの時間を10人で戦うことになった。後半を見ると両者のコンディションの差は歴然だった。ただそれだけが明暗を分けたのではない。

  • 攻撃の核の不在と不調

ユベントスネドベドデル・ピエロ不在の影響で攻撃の起点が作れなかった。ネドベドの代わりを務めたムトゥはほとんど機能せず。キープ力のある頼みのズラタンは最近不調だし、トゥレを中心としたハードマークに苦しめられ本領発揮ならず。2トップでコンビを組むトレゼゲは、組み立てへの貢献や独力での局面打開力がほとんどない生粋のフィニッシャーなので、主導権を握れない試合では消えてしまう。流れを変えられるデル・ピエロ不在も痛かった。主体的な攻撃という数シーズン前からの課題も相変わらず。

アーセナルは守備の良さが目立った。今シーズン序盤で崩壊していたザル守備の面影はもうない。中盤の底のジウベルトの復調、センデロスやエブエ*1ら若手の成長、いまやキャンベルを差し置いて守備の要になったトゥーレの充実。今シーズンは安定しているレーマンの仕事は今日はほとんどなかった。

1得点1アシストのセスクも良かった。ヴィエラとの対決が注目されたこの試合、プレーの出来では見事に上回った。シーズン前半はヴィエラとの比較から過度のプレッシャーを背負い、昨シーズンより仕事量の増えた影響からプレーに安定感がなく伸び悩みが感じられたけど、マドリーとの一戦目以降の充実は目を見張る*2。スペイン伝統ピボーテとしてのパス捌きだけでなく、縦へのダイナミックな動きなどプレミア色が程好くブレンドされ最新鋭のCHに近づきつつある。ヴィエラとはまた違ったアーセナルの核としてのプレーを確立した。ハイベリーのサポーターも、今日のセスクのプレーを見てヴィエラの幻影は忘れ去ったでしょう。

  • エースの存在感

そしてやはりエース・アンリの存在感。最近は移籍の噂が根強いけど、アーセナルはなんとしてでも残留させなければならないでしょうね。ヴィエラ離脱より遥かに影響力は上だと思う。そのためにはCLだけでなく、リーグ戦でも4位以内を目指して頑張らないと。

  • 第2戦展望

ホームで無失点に押さえての2点差勝利、アーセナルとしたら理想的な結果。ユーベは結果だけでなく、アウェーゴールさえも奪えなかったのが痛い。ゼビナはともかく、カモラネージヴィエラが出れないのも大きい。アーセナル優位は間違いない。
ただし、ユベントスは土壇場で勝負強いのでまだ分からない。トーナメント1回戦では2戦とも内容的にはブレーメンに劣っていたのに、GKヴィーゼのミスという運によって勝ちあがった。最近まともになってきたレーマンが久しぶりに何かしないか心配だ。


ベンフィカ 0−0 バルセロナ

ベンフィカ
モレット;リカルド・ローシャ、ルイゾンアンデルソン、レオ、ベト、ペティート、M・フェルナンデス、シモン、ロベール(46分ミッコリ)、ジェオヴァンニ(68分カラグニス

バルセロナ
V・バルデスベレッチ、オレゲル、ファン・ブロンクホルスト、モッタ、ファン・ボメルイニエスタ、デコ(76分ガブリ)、ロナウジーニョエトーラーション(76分ジュリ)

良くも悪くもベンフィカのGKモレットの試合かな。

*1:アーセナルはラウレンが位置する右SBが補強ポイントだと思ってたけど、エブエの成長で全く問題なくなってしまった。噂になっていたトラベルシより良いし。

*2:序盤はパートナーのジウベルトフラミニが安定しなかったけど、個々に来てジウベルトが復調しつつあるのも大きい