日本と世界の高校年代

日本の高校年代最強を決める全日本ユース選手権決勝は東京ヴェルディユースが優勝。札幌ユースとの決勝戦は高校生離れした良い試合だった。これ絵で2年連続クラブユース勢の決勝戦、いよいよ高校年代はクラブユース中心になってきた。

今大会も各チームのレベルが高かったけど、この年代だとどうしても個を見てしまう。チームとしては組織的で優れていても、ずば抜けたタレントはあまりいなかった印象(征矢弟は1年生にしては凄いと思うけど)。去年は前俊や本田と、即Jリーグでも通用しそうな逸材がいて豊作だったんだが。この世代を代表するU-18日本代表もいまいち不作だし、北朝鮮*1と同居するアジアユース一次予選に向けて不安が残る。枠は一つよ。
現在高校生の中での代表選手はヴェルディの森本、清水の山本、大分の福元*2といったプロ選手。既にユースは卒業している。彼らに続く選手は誰なのか。来年この大会の中から何人がプロに行って活躍できるのか楽しみではあります。

ところで同時期にU-17世界選手権が行われていたんだが、日本の高校年代とは別次元のサッカーが展開されていた。普通に即Jリーグでも通用しそう。ちなみ日本はU-16アジア予選で北朝鮮に負けて予選敗退。

優勝はブラジルを3-0で破ったメキシコ。準MVPを獲得したバルサB所属のドス・サントスは噂通り巧かった。緩急をつけたドリブルが巧みなサイドアタッカー。メッシが出てきたと思えば、次はドス・サントスと、バルサユースは本当に優秀だ。既に欧州ビッグクラブ間で争奪戦が起こっているけど、まだプロ契約はしていないため、セスクのように引き抜かれる恐れもある。
メキシコは選手の個人戦術も17歳にしては恐ろしいほど高く、チームとしても既に成熟されていた。ピンチになりそうな場面ではファウルで潰すプレーも巧みで、チーム全体でブラジルを上回った。

準優勝のブラジルは組織力では劣っていたけど、ボールを持ったときの個人技は相変わらず凄い。皆ワンタッチコントロールとドリブルに優れていて、個人技だけで局面打開してしまう。ボールを前に運ぶ能力は日本のプロ以上。0-3と完敗したけど、優勝したメキシコより今後の伸びしろはありそう。
決勝は中心選手で大会MVPのアンデルソン*3が試合開始早々に削られて負傷退場したのが痛かった。それでもセウソ、イーゴル、ハモンといった辺りは本当に巧い。あれで飛車角抜きだったんだから恐ろしすぎる*4。ブラジルではこのU-17が黄金世代らしい。

得点ランク2位でブロンズボールを獲得したトルコのヌリ・サヒンは、数日後のドイツとの試合で早くもA代表デビュー。なんと代表デビュー戦いきなりドイツを沈めるゴールを奪ってしまった。ドルトムント所属のブンデス・リーガ最年少出場記録保持者。まだ17歳。

他にも逸材がゴロゴロ。これを見ると日本の未来はまだまだ厳しそうです。

日本にも小野のような飛び抜けた逸材が若年層に現れて欲しい。セレッソユース所属の柿谷曜一朗が小野の再来と騒がれているらしいが。高校時代の小野クラスとなると相当凄いと予想される。どれくらいの逸材なのか興味深い。

おそらくこれは小野伸二フェイエノールト)以来のインパクトの強さだ。2007年に開催されるU-17世界大会を目指すU-15日本代表候補の中に柿谷曜一朗セレッソ大阪U-18)という攻撃的MFがいる。彼が攻撃の起点となるこの代表はワクワクするようなサッカーを見せてくれる。
http://www.ninomiyasports.com/xoops/modules/news/article.php?storyid=4183

*1:U-17世界選手権でも躍進

*2:好調シャムスカ体制以降の大分のレギュラーCB。普通に増島とも争えると思うのでU-20に飛び級させて欲しい

*3:グレミオユース出身のロナウジーニョ2世、既に来シーズンの名門FCポルト移籍が内定。

*4:エースのケルロン(彼のヘッド・リフティング・ドリブルは近いうちに有名になりそう)とか、コリンチャンスのジョーとか