プレミアシップ

チェルシー
ツェフ、テリー、ギャラス、フェレイラ、デル・オルノグジョンセン(59分エッシェン)、ランパードマケレレロッベン(59分SWP)、ダフ、クレスポ(46分ドログバ

アーセナル
レーマン、トゥレ、センデロス、ローレン、アシュリー・コールリュンベリ(26分ファン・ペルシ)、セスク(87分フラミニ)、ジウベルト、フレブ、ピレス、アンリ


開幕早々の時期に優勝候補同士の好カードをやるのはどうかと思った。両チームともコンディションがまだまだでプレスが緩い。案の定、凡試合に。

試合はというと、アーセナルが相変わらずのパスサッカーで攻めて、チェルシーがリスクを最小限に押さえた手堅いカウンターという構図。一見すると優位に攻めているのはパスを繋いでポゼッションで圧倒するアーセナルチェルシーはロングボールが多くて見かけは悪い。

ただし、チェルシーにはパスをつないで攻めようなんていう気は最初からなくて、むしろ相手にボールを持たせてカウンター狙い。中盤でのパスならアーセナルに繋がせて、失点に直結するエリアを主に防いでいれば良いという考え。引き気味に守り、攻撃はシュートカウンターを喰らうリスクのないロングボール主体で、セットプレーからドログバの偶然性の高いゴールで手堅く勝利。ゲームプラン通り。内容が悪くても、勝てないよりは良いわけだ。

アーセナルはいくらパスが繋がっても怖さはなく、リュンベリ負傷後は得点の気配がほとんど漂ってこなかった。チェルシーの最後尾の守備は相変わらず鉄壁で危なげない。アーセナルは優勝を争うライバルに手痛い敗北。開幕2試合で1つ負けただけで優勝云々を論じるにはまだ早いとはいえ、今後に向けて不安の残る試合だった。

アーセナルは愚直にショートパスを繋いで綺麗に崩そうとするだけで、チェルシーの引いた守備をこじ開けるために強引にでもミドルシュートを打ったりだとか、パワープレーに出るといったことはしない。そういうサッカーは嵌れば美しいのだけど、戦術的柔軟性に欠けていると思う。そして、そういう弱点を克服するような補強に出る気配もない。

これでは他のプレミアのチームには通用しても、チェルシーのような鉄壁の守備組織を有するチームには通用しづらい。アンリさえ押さえておけば怖さはない。中位と下位の守備がぬるいプレミアでは間違いなく優勝争いに加わるだろうけど、相手の良さを消す事に専念してくる強豪クラブが多くいる欧州カップ戦では、今年もかなり苦労しそう。アーセナルはしっかりとした守備組織を持つチームに引かれて鬼プレスかけられるとかなり脆い。

戦術だけでなく、戦力的にも不安が。即戦力の補強は攻撃的MFのフレブ*1だけ。昨シーズンに弱点だったGKやDFの問題は改善されていない。GKのレーマンはいつ大ポカをするかわからないし、若手CBのセンデロスはまだまだ不安定。右SBのローレンにも能力的に多少の不安が。

そしてヴィエラの抜けたCHの穴埋めもまだ。ジウベルトの守備力は計算できるとして、若手のセスクやフラミニはシーズン通してフルに計算できないはず。本職が3人というのも層が薄すぎる。ミドルシュートと空中戦という弱点を補うには、バイエルンと契約更新で揉めているバラックが理想的だと思うけど、若手好きのベンゲルの眼中にはないのかな*2。若手はもう十分いるから、経験豊富な選手を獲った方が良いと思うけど。

パスワーク主体で崩す以外の攻撃的オプションの必要性も感じた。例えば、高さのあるFWが1人いても良いと思う。ズラタンのように足下も巧くてパワープレーにも対応できるような選手。現状でアンリが怪我をしたらかなりヤバイ。ベルカンプも高齢だし、FWはアンリ頼みになってきている。

アーセナルは移籍マーケット締め切りまでに動く必要性があるでしょうね。タイトル獲得は効果的な補強をするかどうかに左右されそう。現状では選手層が薄すぎる。あとは若手の成長と、主力の怪我を押さえる事。リュンベリが重傷だったら痛い。


一方のチェルシーは相変わらず固い。面白味はあまりないけど、勝利への最短距離を突っ走るサッカーは健在。豊潤な資金力を活かした補強で選手層も万全。プレミアシップ優勝候補筆頭。

問題は厚すぎる選手層が故の内紛だけか*3。それでも勝ってるうちは大丈夫だと思うけど、負けが込んでくると致命傷になる恐れもある。モウリーニョの手腕が試されますな。

*1:高速ドリブルを得意とする彼はアーセナルのサッカーにフィットする良い補強だと思う。

*2:ヴィエラが高値で売れたし、バティスタ獲ろうとしていた位だから資金はあると思うんだけど

*3:カルバーリョモウリーニョに不満をぶつけたばっかり