フレブがアーセナル移籍など

いよいよ移籍マーケットも本格化してきたか。

イングランドプレミアシップアーセナルFCが、VfBシュツットガルトに所属していたベラルーシ代表MFアレクサンドル・フレブ(24歳)を獲得したと発表した。
アーセナルは、最大で1,500万ユーロ(約20億2,500万円)に達する移籍金を支払うことで、シュツットガルトと合意した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=312582.html

機動力とテクニックに優れている若手選手という、本当にアーセナルというかベンゲルらしい補強。今年のアーセナルはかなり補強資金が豊潤のようなので、今後も大型補強がありそう。

フレブはシュツットガルトでトップ下*1を務めている選手。トップ下といってもオールドタイプなパサーではなく、縦に速くて局面打開に長けたドリブラータイプ。キープ力もあって、DFを引き付けてのパスを出すこともうまい。少し持ちすぎな面があるのと、得点力があまりないのが弱点。プレーもまだ波がある。守備はサボらないし、運動量もけっこう豊富だけど、動きすぎてバテる事もよくある。ブンデス所属なので無名だけどかなり良い選手。

タイプ的にはアーセナルにフィットすると思うし、実力的にも申し分ない。フィジカルコンタクトが激しく展開も早いプレミアに慣れれば、華麗なアクションサッカーアーセナルで、持ち前の機動力とテクニックを如何なく発揮できそう。

ただアーセナルにとって真に必要なポジションの選手だったのか疑問。テクニックと機動力に優れたOMFには、ピレス、リュンベリレジェスと既にチームに存在する。アーセナルはトップ下を置かないから、適正的には左サイドMFとしての起用が濃厚。それならピレスとレジェスで十分だと思うんだが*2。そして得点力は既存戦力の方が遥かに上。控えにしては豪華すぎる人材。

もしかして複数年契約に拘るピレスと契約しないつもりなのかな。サイドであれほど得点能力のある選手もいないと思うが。アンリやコールとの相性や左サイドでの連係も抜群だし。レジェスを放出するにしても、サイドの他にFWも出来るので勿体無い。

サイドアタッカーなら、プレミアでの実績や得点力があって、アーセナルにはいないサイドをドリブルで抉れるショーン・ライト=フィリップスの方がオプションになったと思う別にSWP>フレブというわけでなく、左に比べて右の薄いアーセナルにとっての必要性という意味で。養父も元アーセナルだし。

シュツットガルトからだったらGKのヒルデブラント獲得の方が的確な補強だった。ベンゲルは今オフもまたGKを補強しないつもりなのかな。レーマンでビックイヤーは不可能でしょ。フルシーズン信頼できるGKに金をかけたほうが賢明。

他にも、ベルカンプの加齢によりアンリ頼みになっているFWに新たなオプションを加えたりだとか、層が薄いDF陣の充実の方が優先順位は高いと思う。チェルシーのように補強資金は無限でないのだから。なにやらロビーニョを狙っているらしいけど、超高額選手ですよ。ベンゲルは本当に機動力とテクニックに長けた選手が好きですなあ。

まあ色々と問題はあるけど、総合的に見ればアーセナルにとって良い補強だと思います。

一方のシュツットガルトは、フレブ、クラニー、ラームを失ってどうするんだろう。来シーズンはUEFA圏内も危ないな。貧乏クラブの悲しい性だ。ビッグクラブの金満パワーに負けずに頑張ってください。

UEFAチャンピオンズリーグに向けた補強を進めるウディネーゼ・カルチョが、降格したアタランタBCから4選手を獲得した。
アタランタから迎え入れたのは、ストライカーのファウストロッシーニ、U-21イタリア代表MFマルコ・モッタに加え、若手のマッシモ・ゴッティとピエルマリオ・モロシーニ。今回の契約の一部として、ウディネーゼの2選手、トーマス・マンフレディーニとアントニオ・ダゴスティーノが、逆にアタランタに加入した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=312590.html

エバートンFCが、ウディネーゼ・カルチョでプレーしていたデンマーク代表センターバック、ペル・クロルドルップ(25歳)を移籍金680万ユーロ(約9億1,800万円)で獲得した。
http://jp.uefa.com/competitions/UCL/news/Kind=1/newsId=312565.html

CLを戦うウディネーゼの補強動向。クロルドルップの放出は痛い。せっかく守備はフェリペ、ベルトット、クロルドルップの3バックで安定していたのに。ただ新戦力のイタリア期待のモッタが今シーズンのフェリペのようにブレイクしたら助かるかもしれない。
ヤンクロフスキー放出といい、CLに出れるのに主力選手を売却しなければならないのはプロビアンチにとって辛い所。他にもピサロ、ヤンクインタも引く手数多。

同じくCLを戦うエバートンにとってはクロルドルップ加入で守備力向上が期待出来る。

ジョルジョ・キエッリーニユベントスへ戻る。ユベントスキエッリーニの買い取りオプションを行使し、フィオレンティーナに430万ユーロ(約5億7190万円)を支払うことになった。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20050628-00000005-spnavi-spo.html

ユーベから保有権半分を買ってヴィオラにレンタル移籍していた選手が、今シーズンの活躍を認められて古巣復帰。左サイドからのパワフルな攻撃参加を武器にヴィオラで活躍した数少ない選手だった。順調なステップアップ。

ただしキエッリーニにとっては早計な移籍だと思う。ユーベの左SBはザンブロッタが君臨しているから出場チャンスはほとんどないと予想される。二十歳のキエッリーニはメンタル的にまだ不安定で、プレーに安定性がなくポカミスも多い。守備もそこまで巧くないからカペッロの好むタイプではなさそう。

現時点ではイタリアの左SB控え一番手だけど、ワールドカップを前に出場機会に恵まれないと、パリージやグロッソにその座を奪われかねない。せっかく将来有望な選手なのに、ベンチが指定席になりそうなのが至極残念。まだ当分はヴィオラで育てておいた方が良いと思うけど。

ところでヴィオラは去年いくらで保有権半分を買ったんでしょうか。儲かっていれば良いのだけど。

一方で、ファブリツィオ・ミッコリエンツォ・マレスカに関しては行き先が決まらず、フィオレンティーナユベントスが入札形式で決めなければならない。フィオレンティーナペルージャとの共同保有となっているオボド、ウディネーゼとの共同保有となっているマルティン・ヨルゲンセンに関しても同様である。

ヴィオラは金はあるんだけど、どうもフロントの補強政策に一貫性がないのでグダグダになりそうな予感。ミッコリは一番活躍した選手だけど、1トップが基本システムのプランデッリには重用されないかもしれない。ムトゥのようなサイド適性はあるんだろうか。それ以前に1トップ適正のあるるFWがいない。
現状の選手の特徴を見て、ゾラやプランデッリを就任させるのフロントはかなり微妙。まあチェッキゴーリより百倍マシですけどね。

ACFフィオレンティーナが、パルマFCのフランス人GKセバスティアン・フレイを獲得した。契約は1シーズンのレンタルだが、来年夏の時点で完全移籍に移行できるオプションが付いている。
http://jp.uefa.com/footballcentral/news/Kind=2/newsId=312153.html

これはかなり良い補強。間違いなく守備力アップに繋がるし、レンタルというのもリスクがなくて美味しい。でもよく引く手数多の若手有望GKをレンタルで獲れたな。これがプランデッリ効果か。
あとはヴィオラはDFを補強しないと駄目。ウィファルシ以外のポジションは全部補強が必要。マテラッツィを狙っているらしいけど激しく微妙。デッラ・ヴァッレマネーでキブを獲得できれば理想的。

ベジクタシュJKノルウェー代表FWヨン・カリュウ(25歳)が、リーグ1王者のオリンピック・リヨンに加入した。移籍金は公表されていない。
http://jp.uefa.com/footballcentral/news/Kind=2/newsId=312387.html

微妙な補強。覚醒する可能性もあるが。

カリューは長身の割にスピードもあってサイドに流れるプレーもうまいFW。リヨンの流動的な前線には対応できるタイプだと思う。高さという今までにないオプションも加わる。でもヘッドはあまり巧くない。トップレベルにおいては*3得点力にあまり期待できないのもネック。

それ以前に、新監督がウリエになって欧州を席巻したリヨンの流動的な攻撃は継続されるんだろうか。なんかカウンター一辺倒になりそうな予感。カリューのような得点力に欠ける長身FWが潰れ役になって、快速FW頼みのリアクションサッカーオーウェン獲ったらよろしいんじゃないですかね。へスキーとか。

ベン・アルファのようなテクニカルな逸材の将来が不安だ。

*1:司令塔にバラコフがいた当時は左サイド

*2:若手にはワールドユースで日本をチンチンにしたクインシーもいる

*3:ローマとバレンシアではイマイチ